事故により失明のおそれがある傷病を負った事例

HYS 2016年7月25日 | 失明
arrest 0828 1
認容額 2150万6211円
年齢 25歳
性別 女性
職業 キャバレーホステス
傷病名

両眼・眼瞼・角膜挫傷、外傷性頸椎症候群、腰部椎間板障害、右膝関節・両肩・前胸部・左拇趾挫傷、顔面挫創、歯牙一四本破損、歯髄炎等

障害名 失明
後遺障害等級 7級
判決日 昭和51年2月19日
裁判所 東京地方裁判所

交通事故の概要

本件事故は、一宮町方面と熊本市方面とを結ぶ、片側一車線の一般国道において発生した。加害者は、加害者の車を運転して、本件道路を時速50km位で進行し、大協石油ガソリンスタンド前を通過して下り坂にかかり、左側に立つていた「ブレーキテスト」の標識を認め、テストするためブレーキをかけたところ、加害者の車が右斜め前方に滑走して中央線を越え、折柄対向して来た車両と10m位進行した地点で接触し、さらに滑走を続け、30m進行した対向車線上で、停止していた被害者の車に正面衝突した。

被害者の入通院治療の経過

本件事故による被害者の入院治療期間は61日間で、実日数258日間の通院を行った。

後遺障害の内容

被害者は本件事故により、歯牙14本破損、咀しやく機能障害、顔面の線状瘢痕、不正乱視・視力低下、頸椎・腰椎運動制限、頭痛、判断力・記銘力等の低下、目まい、耳鳴り、頸部・腰部・腹部痛、肩こり、左上肢しびれ感・脱力感等があり、これらの障害は「神経系統の機能に著しい障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの。」とし、7級に該当する。更に眼は、ガラスの破片が左右の眼に刺さり、右眼のそれは取れたが左眼のそれは失明のおそれがあるので取れない。

判決の概要

本件事故は、降雨のため路面が滑りやすい状態にある下り坂において急激なブレーキをかけたため斜めに滑走して中央線を越え、対向車Aに接触し、更に停止していた対向車Bと正面衝突した事故につき、滑り止め舗装をしていなくても、通常備えるべき安全性を具備しているとして、国に道路設置・管理の瑕疵を認めなかった事例。

認容された損害額の内訳

治療関係費 35万2211円
入院雑費 11万3000円
逸失利益 1710万円
慰謝料 500万円
損害の填補 - 256万 円
弁護士費用 150万円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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