自賠責保険で120万円超えた場合どうなりますか。任意保険に請求?
目次
Q1.自賠責保険の上限120万円を超えた場合はどうなる?
事故相手が加入する任意保険会社または事故相手本人に対して請求することになります。
自賠責保険は対人の交通事故で最低限度を補償する保険なので、上限が120万円と定められています。自賠責保険からは120万円までしか支払われません。
事故相手が任意保険に加入している場合に120万円を超えた分に関しては、任意保険会社が独自に算定するなどして金額に影響が出る可能性があるので注意が必要です。どれくらい金額に影響がでるのかは、交通事故を専門的にあつかう弁護士に聞いてみることをおすすめします。
Q2.自賠責保険の120万円は「傷害」に対する上限?
120万円が上限になっているのは、「傷害」に対する損害賠償金額です。しかし、交通事故で想定される人への被害としては傷害以外に、後遺障害と死亡があげられます。
「後遺障害」に対する損害賠償金額の上限は、等級ごとによりますが75万円~4000万円です。「死亡」に対する損害賠償金額の上限は、総額3000万円です。
金額 | |
---|---|
傷害部分 | 120万円 |
後遺障害部分 | 75万円~4000万円 |
死亡部分 | 3000万円 |
Q3.過失相殺後の金額が120万円を下回ったらどうなる?
傷害分の損害が過失相殺後に120万円を下回ったとしても、過失が7割未満であれば120万円は最低支払われることになります。交通事故の損害賠償において、任意保険から支払われる金額は自賠責保険から支払われる金額を下回ってはいけないことになっているからです。
もっとも、過失が7割を超えてくると傷害分の損害は120万円から減額されてしまうことになるので注意が必要です。
後遺障害や死亡の損害の場合も過失が7割を超えると、後遺障害は75万円~4000万円から減額、死亡は3000万円から減額されることになります。
過失割合 | 後遺障害 または 死亡 |
傷害のみ* |
---|---|---|
7割未満 | 減額なし | |
7~8割未満 | 2割減額 | 2割減額 |
8~9割未満 | 3割減 | |
9~10割未満 | 5割減 |
* 傷害の損害が20万以上の場合のみ
Q4.自賠責保険と同じように任意保険も上限はある?
任意保険の上限は契約内容によって異なります。契約内容のなかには無制限というものもあります。もっとも、無制限といっても実際には各任意保険会社が独自に定めた基準(任意保険基準)に沿った金額が支払われることになるでしょう。
たとえば、慰謝料(入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料)といった、算定に基準が用いられるものに関しては任意保険基準が上限と言えます。任意保険基準は非公開なので、詳細な金額を知ることができません。ただし、自賠責基準による算定に少し上乗せした程度の金額とも言われているので、最低限度の補償に近い金額しか得られないことが言えます。
また、治療費など実際に支払いがあったものに関しては、必要かつ相当な実費額が上限といえるでしょう。必要かつ相当な実費全額を請求するには、診断書・診療報酬明細書といった書類が必要です。
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この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
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第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。