交通事故被害者の弁護士費用とは?弁護士費用が安い弁護士に依頼をすることの適否
交通事故の被害者になってしまった場合の弁護士費用について、費用の仕組みや計算方法についてまとめました。
弁護士費用についての正しい知識をつけたうえで、かしこい弁護士選びをしましょう。
目次
被害者側の弁護士費用の基礎知識
- ・交通事故の処理を弁護士に依頼したいが、いくらかかるの?
- ・弁護士ってどうやって料金を決めてるんだろう…。
- ・依頼するタイミングで料金が変わったりするの?
このような不安をお持ちの方はとても多いです。日常的に弁護士と関わることがないほとんどの方にとって、弁護士費用について不安に思うことは当然でしょう。
しかし、一般的に考えられている以上に、弁護士費用の計算が単純なことも多いです。以下では、交通事故被害者の弁護士費用の一般的な例について紹介します。
被害者側の弁護士費用の仕組み
交通事故の被害者になってしまった場合の弁護士費用の仕組みとしては、以下の2つが代表的です。
1つ目は、実際に弁護活動を行う前に着手金を支払い、かつ事件終了後に成功報酬を支払う場合です。
この場合の着手金は、仮に弁護活動が功を奏さなかった場合にも返ってくることはありません。
一方、成功報酬は、事件の終了後に弁護士に支払う金額です。あくまで成功報酬なので、全面的に弁護活動が功を奏しなかった場合などには、支払う必要がありません。
2つ目は、成功報酬のみ支払う場合で、最近になって増えてきたパターンです。依頼者は相手からの賠償金を得てから弁護士費用を払うことができるので、資力の面で依頼しやすい仕組みと言えるでしょう。
弁護士費用の計算方法
弁護士費用の計算方法は、着手金と成功報酬で異なります。
着手金については、一定の固定額であることが多いです。通常は弁護士の判断により、事件の難易度やかかる時間等により決定します。
一方、成功報酬は、獲得した賠償金の○○%のように、弁護士の活動により得られた金額から割合的に計算することが多いです。
依頼するタイミングと弁護士費用との関係
これまでご紹介した通り、弁護士の費用は着手金と成功報酬により決定されるため、依頼するタイミングにより金額が大幅に変化することは少ないです。
ただし、交通事故の被害による症状の固定や後遺症等級認定の前に弁護士に依頼してしまうと、結局症状が全快し、後遺障害等級の認定がされず、高額な賠償金がほとんど取れないということもあり得ます。この場合、着手金等により費用倒れになってしまう可能性があります。
弁護士費用特約に加入していて、弁護士費用を気にしなくてもいいなどの事情がない限り、症状が固定し、若しくは後遺障害等級認定がなされた後に弁護士に依頼をする方が無難でしょう。
まとめ表
交通事故被害者の弁護士費用の仕組み | 着手金・成功報酬両方の場合と成功報酬のみの場合 |
---|---|
交通事故被害者の弁護士費用の計算 | 着手金は固定額、成功報酬は獲得した賠償金から割合的に算出 |
依頼するタイミングと弁護士費用 | 弁護士特約がなければ、症状固定や後遺障害等級認定後が無難 |
被害者側の弁護士費用と選任基準
- ・弁護士に弁護士費用の提示を受けたけど、相場ってどれくらいなんだろう…。
- ・弁護士費用の検証って、どうやればいいの?
- ・弁護士費用の安い弁護士に依頼してもデメリットってないのかな?
弁護士費用の金額は、皆様誰もが不安に思っているところだとは思います。特に、弁護士費用の相場を確認しておかないと、提示された弁護士費用が適切かどうか、まったく判断できないということになりかねません。以下では、弁護士費用の相場など、具体的な金額面に関わる点についてご紹介いたします。
被害者側の弁護士費用の相場
弁護士費用は、個々の弁護士がある程度自由に設定できますが、その金額については一定の相場があるようです。
(引用:日本弁護士連合会「市民のための弁護士報酬の目安」)
この表は、日本弁護士連合会が、全国の弁護士にアンケートをとり、交通事故の被害者の弁護士費用の着手金の金額をまとめたものです。
この表をみると、着手金を30万円に設定している弁護士が半分近くであることが分かります。そのため、相場は30万円程度と考えることも可能です。
次に、報酬金(成功報酬)についてみてみましょう。
(引用:日本弁護士連合会「市民のための弁護士報酬の目安」)
この表は、保険会社から示談金として500万円の提示を受け、最終的に1000万円の賠償金を受け取ることができたというケースの成功報酬についてまとめたものです。
50万円が一番多く、次いで70万円、60万円という結果になっています。このアンケートによれば、経済的利益である500万円の10~14%というのが相場であるといえるでしょう。
しかし、このアンケートは2008年に行われたものであり、昨今は着手金を取らない料金体系が多いことからすると、現在の成功報酬の相場はより高いと考えられるでしょう。
被害者側の弁護士費用の調べ方は
弁護士も広告を出すことが認められてから、例えば「交通事故 弁護士」と検索をすると、多くの事務所のホームページを閲覧できるようになりました。
多くのホームページでは、着手金や成功報酬の計算方法をホームページに載せているので、そこから弁護士費用を調べることが良いでしょう。
しかし、弁護士費用も具体的な事故の内容等により増減する可能性もあるため、一度インターネット上で調べた上で、自分の要求と合いそうな事務所の弁護士と直接相談をすることが重要と言えるでしょう。
費用が安い弁護士に依頼をすることの適否
司法制度改革により弁護士の数が増え、競争が激化したことにより、以前よりも安い弁護士費用で交通事故の被害者案件を扱おうとする弁護士も出てくるでしょう。
しかし、交通事故案件というのは、非常に専門的な知識・経験を要する分野であり、案件をきちんとこなすためにはある程度の金額をもらわなければ割に合わない分野といえます。
そのような分野で、ことさらに金額を下げようとする弁護士が、弁護活動を十分に行ってくれるかというと、疑問が無いではありません。
しかし、中には、社会的正義の観点から、少ない弁護士費用で交通事故案件を受け持つ弁護士もいるでしょう。
結局は、弁護士と実際に話をしてみて、「この弁護士なら信頼できる」「この弁護士なら十分な弁護活動をしてくれるだろう」と感じる弁護士を選ぶことが大切です。
まとめ表
交通事故被害者案件の弁護士費用の相場 | 着手金5030万円前後 成功報酬 賠償金獲得額の10~20%程度 |
---|---|
弁護士費用の調べ方 | インターネットでの検索が簡便 しかし、最終的には弁護士と直接話すべき |
費用が安い弁護士に依頼することの適否 | 疑問は無くはないが、結局はその弁護士を信頼して任せられるか |
その他の被害者側の弁護士費用のQ&A
- ・弁護士費用って、交通事故の加害者の人が支払ってくれたりしないの?
- ・加害者の人からお金を受け取ってから弁護士費用を支払うことはできるの?
- ・契約内容が難しくて、後で思ってもいなかった高額請求をされるのではないか心配…。
普段弁護士と関わらない多くの方々の、弁護士費用に関する不安は尽きないと思います。基本的に、費用については、依頼をする弁護士に事細かに確認をするべきでしょう。以下では、よくある弁護士費用の質問についてお答えします。
弁護士費用を相手方に請求できるのか
交通事故の被害者側でかかった弁護士費用の一部を、相手方に請求できる場合もあります。
まず、加害者が任意に被害者の弁護士費用を払うことも考えられますが、通常は考えにくいでしょう。
現実的な方法としては、裁判において、弁護士費用を交通事故により生じた損害と認めてもらうことです。実務上は、その他の交通事故により生じた損害(慰謝料、逸失利益等)の1割相当の弁護士費用を損害として認めることとされています。
弁護士費用を後払いにできるのか
弁護士費用が後払いか先払いかは、事務所により様々です。基本的には、着手金をとる事務所は先払い、成功報酬のみの場合には後払いのケースが多いですが、例外もあります。例えば、成功報酬のみであっても、後の支払いを担保させるため、事前にお金を預けさせる場合などです。
後に高額な請求をされることはないか
弁護士が後に当初説明されていなかった高額な金額を請求するといったことはありません。
弁護士は、弁護士会が作成した決まりである、「弁護士職務基本規定」や「弁護士の報酬に関する規程」により、弁護士費用について事前に依頼者に説明する義務を負っています(弁護士職務基本規定29条1項、弁護士の報酬に関する規程5条1項)。
弁護士がこれらの規定に反した場合、その弁護士は弁護士会から懲戒処分を受けることとなり、最悪の場合、弁護士としての活動を禁止されることもあります。
そのため、弁護士が後にありもしない高額な請求をするといったことはありません。また、契約書や個別の合意で支払うことを合意していない金額については、法律上も支払い義務がありません。
納得しないまま契約させられたりしないか
弁護士が、依頼者が納得していないのに無理やり契約することもありません。
弁護士職務基本規定により、弁護士は、受任時に依頼者に対して弁護士費用についての説明をする義務を負っています(弁護士職務基本規定29条1項)。また、弁護士は依頼者の意思を尊重して職務を行うものとされています(22条1項)。
仮に依頼者が納得しないまま職務を行った場合には、これらの規定に反することとなり、弁護士会からの懲戒処分を受けることになります。弁護士資格をはく奪されるおそれさえあるのですから、弁護士が、依頼者が納得しないまま契約し、活動することはありません。
まとめ表
弁護士費用の相手方への請求の可否 | 裁判においては、一部交通事故による損害として認められる |
---|---|
弁護士費用の後払いの可否 | 事務所により大きく異なる |
後に高額な請求をされる場合の有無 | なし、弁護士が懲戒処分を受ける恐れがある |
納得しないまま契約される場合の有無 | なし、弁護士が懲戒処分を受ける恐れがある |
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まとめ
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
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第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。