顔の傷の後遺障害等級の目安は?交通事故で傷跡が残ったケースの対応

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顔の傷の後遺障害等級の目安は?交通事故で傷跡が残ったケースの対応

交通事故や弁護士の情報を検索中の方へ。このページでは、「顔の傷の後遺障害」について徹底調査した結果を報告しています。

顔に消えない傷を負ってしまうと、どのようなものであれ、隠すことが困難な故に 大きな苦痛を感じます。自信を無くしてしまったり、日常生活仕事にも影響が出てしまうかもしれません。

ここでは顔の傷の後遺障害を負ってしまった方へ、治療法や慰謝料、損害賠償の相場について詳しくご紹介いたします。

顔に傷あとが残ってしまう原因は?

なぜ顔に傷あとが残ってしまうのでしょうか?

傷の深さにもよりますが、身体よりも 顔のほうが、肌が薄い からです。一旦 真皮 まで傷が到達してしまうと、 肉芽組織という頑丈な組織 ができてしまうので 傷あとになりやすい のです。それに大人になるにつれ残りやすくなります。

なるほど。顔の傷は目につきやすい分、なるべく傷あとが残らないように対処したいですね。

顔に傷あとが残る原因

皮膚は表面から順に、「表皮」「真皮」「皮下組織」 の3つの層からできています。一番上の「表皮」は活発に新陳代謝しているので、4 週間ごとに新しく生まれ変わっていきます。

一方、「真皮」は主成分がコラーゲンなのですが、新陳代謝のサイクルが26と非常に 長い期間となります。

そのため、傷口を早急にふさぐために「肉芽組織」というたんぱく質でできた肉の塊増殖します。

「肉芽組織」には毛穴や肌目、メラニン色素がなく白いので傷口として目立ってしまうのです。

顔の皮膚は身体の皮膚に比べて薄いので、交通事故などで深く傷ついてしまうと、 真皮まで到達しやすいので傷あとが残ってしまいます。

顔の傷あとの種類

線状痕

ガラスで皮膚を切ったような切創の痕、あるいは手術による痕のことをいいます。

肥厚性瘢痕

傷の治りが悪い場合によく見られます。真皮中層から広範囲に損傷が及んだ場合により発生します。

好発部位としては、全身どこでも発生の可能性があり、特に関節部などの可動部が挙げられます。

ケロイド

成因は判明しておらず、真皮のわずかな損傷でも発症原因となります。

肥厚性瘢痕との区別が難しいのですが、ケロイドは隆起や硬さ、赤みなどが持続し、当初より大きくなりますが、肥厚性瘢痕は時間の経過によって落ち着き、大きくなることはありません。

好発部位としては、胸の正中部、三角筋部、肩甲部、耳介、耳後部、恥骨上部などが挙げられます。ただし、 全身どこでも発生の可能性はあるとされています。

顔の傷あとを目立たなくする治療法は?

傷跡修正手術

この手術は保険が適用されます。

ケロイド化してしまったり、救急で急いで縫合したため縫合部分が大きく目立つ傷になってしまった場合に行うことがあります。

スターラックス

専用の機械からのマイクロビームの格子が皮膚の中に非常に小さな細かい穴 をあけ、その穴の周りに生じた熱により皮膚が収縮し、皮膚を引き締めます。さらに開いた穴とその変性領域を治癒する過程で、 皮膚の再生が行われ、新しい皮膚に生まれ変わることで傷を治す療法です。

ケロイド治療

ケロイド体質の方は、皮膚に傷ができると傷以上に赤く盛り上がって しまいます。よって、この場合は手術できないのでケロイド部分にケナコルト注射を行い、盛り上がりを へこませることで治療します。

まとめ表

治療法

特徴

傷跡修正手術 保険が適用される。

ケロイド体質の方は向いていない。

スターラックス 深い傷あとも改善可能。

治療によりコラーゲンも生成されるので、よりツヤと張りのある肌を持続できる。

ケロイド治療 即効性があり、2週間程度で効果があらわれることもある。

顔の傷を後遺障害として認めてもらう基準は?

顔の傷の後遺障害を認定してもらうにはどのような基準がありますか?

原則として 人目に付く程度以上 のものをいうのですが、場所によって基準となる大きさが違います。例えば、頭部の場合、 てのひら大以上の瘢痕 又は 頭蓋骨のてのひら大以上の欠損 という基準が定められています。

場所や大きさによって基準が違うんですね。

顔の傷あとと後遺障害等級の関係

上の2人の会話にもあるように、顔の傷あとの後遺障害認定基準は場所や大きさによって異なります。

顔の傷あとの認定等級

等級

認定基準

07級12号 外貌に著しい醜状を残すもの。
09級16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの。
12級5号 外貌に醜状を残すもの。

ここで認定基準の詳しい解説をします。

「著しい醜状」とは

頭部の場合は、てのひら大(指の部分は含まない。以下、同様。)以上の大きさの傷あと、又は頭蓋骨のてのひらの大きさ以上の部分欠けてしまったもの

顔面部の場合は、鶏卵の大きさ以上の傷あと、又は 10円玉銅貨の大きさ以上の組織の陥没

首の部分(頚部)の場合は、てのひらの大きさ以上の傷あと、のことをそれぞれ意味します。

「相当程度の醜状」とは

原則として、顔面部における切り傷を代表とする線状の傷あとで、長さ5㎝以上の人目に付くものを意味します。

単なる「醜状」とは

頭部の場合には、鶏卵の大きさ以上の傷あと、又は頭蓋骨の鶏卵の大きさ以上の部分が欠けてしまったもの

顔面部の場合は、10円玉銅貨の大きさ以上の傷あと、又は長さ3㎝以上の線状の傷あと

首の場合、鶏卵の大きさ以上の傷あと、のことをそれぞれ意味します。

顔の傷の後遺障害を申請するポイント

顔の傷の後遺障害を申請するにあたって、妥当な等級を得るために重要なポイントがあります。

顔の傷の後遺障害等級は「醜状の程度」により、大きく変わります。

主治医に後遺障害診断書を書いてもらう際、「醜状障害」の欄がありますが、醜状の場所大きさの詳細を事細かく記載してもらってください。

あるいは、別紙に図として描いてもらうことで、どのような醜状であるか分かりやすく記入してもらいましょう。

被害者請求の形式で後遺障害を申請する場合には、可能な限り、顔の傷の 見た目が分かるような写真を添付資料として一緒に提出するとよいでしょう。

後遺障害の申請における弁護士サポート

後遺障害の等級を得るには主治医による後遺障害診断書が必須であり、その内容によって等級が決められます。

そのためには法律的、医学的な知識が必要となります。

弁護士に後遺障害の申請を依頼することで、納得するまで診断書の作成をすることができ、また スムーズに申請を行うことが可能です。

まとめ表
記載上の重要なポイント 長さや大きさ等の詳しい状態。
治る見通しがないこと、瘢痕が消えないこと。
別紙に図として描く。

顔の傷の損害賠償の仕組み

顔に傷あとが残ってしまうことで、 人と会うことを避けたり仕事をしづらくなる こともあると思うのですが、そういった面も損害賠償に反映されますか?

接客業をされている方など、 「対人関係の円滑化」を要求される仕事に就いていると 高い労働能力喪失率 が認定されます。

仕事の内容によって、賠償額が変わってくるわけなんですね。

顔の傷あとと逸失利益の関係

逸失利益とは、後遺障害による具体的、現実的な労働能力の喪失により、本来得られるはずだった 収入の減額分に対する損害賠償です。

顔の傷あとは、麻痺や可動域制限などのようにそれ自体が身体機能を左右するものではありません。

しかし、被害者の性別、年齢、職業等考慮 したうえで逸失利益として認められる場合もあります。

顔の傷あとのために配置転換をさせられたり、職業選択の幅が狭められる、または 対人関係対外的な活動に消極的になる など、労働能力に影響を及ぼすおそれが認められた場合には 慰謝料の加算事由 として考慮されます。

顔の傷あとと慰謝料の関係

顔など、人目に付く傷あとの事案において、逸失利益の算定にあたり醜状部分が考慮されなくても、慰謝料増額事由として 十分に斟酌されるべきという考えがなされている。

では、2つの判例を見てみましょう。

(ケース1)東京地判H17.12.21

年齢

24歳

職業

会社員(オペレーター)

醜状の内容

下頸部の2か所にわたる脱色線状痕(12級13号)

慰謝料

630万円

(相場より210万円増額

特徴

顔の傷により、労働能力へ直接的影響を受けているとまでは言い難いとし、逸失利益は否定しているが、 対人関係や労働意欲に間接的に影響を及ぼしているとしている。
(ケース2)さいたま地判H22.6.25

年齢

5歳男児

職業

醜状の内容

顔面3か所にわたり人目に付く程度の線状痕(12級14号)

慰謝料

440万円

(相場より150万円増額

特徴

具体的な線状痕について明らかでなく、改善されることも予想される等の事情から将来の労働能力に影響を与えないとしているが、 外貌醜状に関して慰謝料算定を斟酌している。

弁護士に相談するメリット

交通事故により、すでに心身ともに大きな疲労を感じている被害者にとっても、弁護士に 一任することで負担が大きく軽減されるでしょう。

また、弁護士に依頼することで一般的な慰謝料の相場より多くの額を得られる可能性もあります。

すべてご自分で対応するのではなく、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。

顔の傷あとによる慰謝料の目安

等級

慰謝料

07級12号

1000万円

09級16号

690万円

12級14号

290万円

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いかがだったでしょうか?

この記事をお読みの方には、「顔の傷の後遺障害等級の目安は?交通事故で傷跡が残ったケースの対応」というテーマに関して、理解を深めていただけたのではないでしょうか。

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まとめ

いかがでしたか?

この記事では、顔の傷の後遺障害認定についてお届けしました。

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交通事故で傷跡が残ったケースについてのQ&A

顔の傷を後遺障害として認めてもらう基準は?

「人目に付く程度以上のもの」というのが原則ですが、等級や傷が残った場所によって、基準となる大きさが違います。例えば、頭部の場合、 てのひら大以上の瘢痕 又は 頭蓋骨のてのひら大以上の欠損 という基準が定められています。 後遺障害認定の基準は?

顔の傷の後遺障害を申請する際のポイントは?

主治医に後遺障害診断書を書いてもらう際、「醜状障害」の欄に、醜状の場所や大きさの詳細を事細かく記載してもらってください。被害者請求の形式で後遺障害を申請する場合には、可能な限り、顔の傷の見た目が分かるような写真を添付資料として一緒に提出するとよいでしょう。 後遺障害を申請するときの注意点

顔に傷を負った場合、逸失利益は認められる?

顔の傷あとは、麻痺や可動域制限などのようにそれ自体が身体機能を左右するものではありませんが、被害者の性別・年齢・職業等を考慮 したうえで逸失利益として認められる場合があります。顔の傷あとのために配置転換をさせられたり、職業選択の幅が狭められたりするなど、労働能力に影響を及ぼすおそれがあると認められた場合には、慰謝料の加算事由として考慮されます。 顔の傷あとと逸失利益の関係

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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