交通事故でPTSDが発症!?被害者のための後遺障害認定ガイド

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交通事故でPTSDが発症!?被害者のための後遺障害認定ガイド

交通事故でPTSDになってしまう方は少なくありません。

事故にあった時の状況が突然目に浮かび、恐怖がよみがえるフラッシュバックや、車の急ブレーキ、クラクションの音に対して過剰に反応してしまったり、車に乗ると気分が悪くなったりすることもあります。

被害者は、身体だけでなく、にも大きな傷を負ってしまうことになるのです。

事故との関連性や後遺障害に関し、専門家の力を借りる必要性が高いPTSD認定等級について詳しくご紹介いたします。

PTSDの基礎知識

PTSDって、テレビなどでたまに聞きますが、結局のところなんのことなんですか?
死の危険にあうなど、精神的衝撃を受ける出来事を経験したことにより、そのトラウマを原因とするストレス症状が生じることをいいます。
一種の精神症状なのですね。周りの理解を得られないとその負担がさらに増大しそうですね。

PTSDとは

PTSDとは、心的外傷後ストレス障害(しんてきがいしょうごストレスしょうがい、Post Traumatic Stress Disorder)の略語です。

そして、PTSDは「命の安全が脅かされるような出来事、戦争、天災、事故、犯罪、虐待などによって強い精神的衝撃を受けることが原因で、著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらしているストレス障害」と定義されています。

PTSDの症状

PTSDの主な症状には、以下の3つがあります。

1つ目は、災害や事件・事故の恐怖をその後何度も思い出し、その当時に連れ戻されたような感覚に陥る症状です。この症状を、再体験症状といいます。

2つ目は、災害や事件・事故の後、異常な不安感を感じ、イライラしたり過度に神経質になったりする症状です。これを、過覚醒症状といいます。

3つ目は、現実感がなくなって感情が麻痺したり、事件を思い出させるものに近寄れなくなる症状で、これを回避・麻痺症状といいます。

PTSDの原因

PTSDの原因は、強い精神的衝撃を受ける出来事に遭遇することにあります。

主なものとしては、幼いころからの虐待、家族からの家庭内暴力、犯罪の被害、交通事故、地震などの天災によるものがあります。

PTSDを発症する程度の精神的衝撃とは、「死の危険が生じるような衝撃」を指すことが一般的です。交通事故の場合、単純な追突事故などでPTSDになることは少なく、大型車両との正面衝突などのケースで生じやすいとされています。

まとめ
PTSDとは 命の安全が脅かされるような出来事、戦争、天災、事故、犯罪、虐待などによって強い精神的衝撃を受けることが原因で、著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらしているストレス障害
PTSDの症状 ・再体験症状
・過覚醒症状
・回避・麻痺症状 など
PTSDの原因 死の危険が生じるような、強い精神的衝撃を受ける出来事

PTSDの診断基準と後遺障害

PTSDの診断基準は、どのようなものなんですか?
典型的な症状である、再体験症状、過覚醒症状、回避・麻痺症状などが、1カ月以上続いていることなどが基準になります。
1か月以上の継続が必要なんですね。後遺障害の認定がされる場合についても知りたいです。

PTSDの診断基準

現在、多くの医師は、ICDDSMという基準により、PTSDの診断を行います。

主な判断基準としては、死の危険に比肩するような精神的な衝撃の有無、再体験症状の有無、回避・麻痺症状の有無、過覚醒症状の有無、重要な領域における機能の障害といえるか、などがあります。

その判断は、医師が行うことが基本です。ご自身がPTSDかどうか不安な場合、医師の診断を受けることが大切でしょう。

PTSDの治療法

PTSDの治療法には、大きく分けて、カウンセリング薬物療法があります。

PTSDのカウンセリングでは、特にその外傷体験にスポットをあてた、認知行動療法という方法が効果的とされています。

認知行動療法では、外傷体験への考え方を替えたり、安全な環境で体験を思い出させて、精神的衝撃に慣れさせたりします。

薬物療法は、主にPTSDの諸症状を軽くするために行われます。特に不眠症やうつ症状に対し、抗不安薬などが支給されます。

PTSDに対し、早期から正しい治療を行えば、3カ月程度で回復することも多いようです。しかし、早期に治療を開始しなかった場合などでは、その症状が数年間回復しないこともあります。

PTSDの後遺障害と等級

PTSDは、その症状の内容により、9級、12級、14級の後遺障害等級を受ける可能性があります。

そして、いかなる症状が各等級に認定されるかは、厚生労働省の通達基準により判断されます。

具体的な基準は以下のとおりです(簡略化してあります)。

PTSDの後遺障害等級認定基準
A 精神症状 B 能力に関する判断項目
①抑うつ状態
②不安状態
③意欲低下の状態
④慢性化した幻覚・妄想性の状態
⑤記憶または知的能力の障害
⑥その他の障害(侵入、回避、過覚醒、感情麻痺)
①身辺日常生活
②仕事・生活における積極性・関心
③通勤・勤務時間の順守
④作業持続性
⑤意思伝達
⑥対人関係・協調性
⑦身辺の安全保持・危機の回避
⑧困難・失敗への対応能力
これらの事情を総合考慮し、
就労可能な職種が相当程度制限される場合には、9級
多少の障害を残す場合には、12級
軽微な障害を残す場合には、14級の認定がなされます。

弁護士相談のメリット

交通事故によるPTSDを弁護士に相談するメリットは、なんでしょうか。
適正な賠償金を受け取れる可能性が高まるという点です。PTSDは、その有無や賠償金の金額などで、加害者側と争いになることが多いです。
もし争いになれば専門的な知識や経験が必要となりそうですね。そのときは専門家の弁護士のサポートが重要そうです。。

PTSDの後遺障害認定のポイント

交通事故によるPTSDで、適正な賠償金を獲得するためには、PTSDが交通事故による後遺障害であると認定してもらうことが重要です。

しかし、PTSDについては、以下の2点において、後遺障害であるかが争われることが多いです。

因果関係について

PTSDで後遺障害の認定を受けるためには、それが交通事故により生じたことを証明する必要があります。

しかし、PTSDは、骨折などのように身体に直接影響を及ぼすものではなく、あくまで目に見えない精神的な問題のため、交通事故により精神面に障害が出たという関係を客観的に判断することが難しいといえます。

そのため、PTSDの症状が交通事故により引き起こされたものかについて、争われることが多いです。

症状固定時期について

症状固定とは、交通事故により生じた症状が、今後治療を行っても劇的に回復する見込みがなくなった状態をいいます。

そして、PTSDが後遺障害として認められるためには、PTSDの症状が固定したと言えることが必要になります。

しかし、PTSDのように、身体的な異常を伴わない障害(非器質的障害といいます)の場合、ある程度症状が続いても、その後の治療により回復する可能性があるため、症状固定の時期の判断が難しいといえます。

そのため、いかにして症状固定を認めさせるかが重要になります。

PTSDの後遺障害慰謝料の相場

PTSDが後遺障害として認定された場合、その後遺障害慰謝料の相場は、以下の表の通りです。

PTSDの後遺障害慰謝料の相場
等級 慰謝料の相場
9級 690万円
12級 290万円
14級 110万円

このように、認定される後遺障害等級により、後遺障害慰謝料の相場は大きく変化します。

もっとも、この相場はあくまで相場であり、具体的な事情により変化することを理解しておきましょう。

弁護士相談のメリット

交通事故によるPTSDについて、弁護士に相談をする主なメリットは、適切な賠償金を受けとることができるという点にあります。

PTSDは、因果関係や症状固定時期の問題で、後遺障害の認定を受けることが難しい障害といえます。そのため、交通事故に詳しい弁護士に依頼をし、後遺障害認定のための適切な活動をすることにより、後遺障害認定の可能性を高めることが特に重要になります。

交通事故に詳しい弁護士であれば、後遺障害の認定を受けるためのサポート活動が可能です。

また、交通事故の具体的な事情を適切に主張することにより、慰謝料の増額の可能性が高まります。

もちろん、今後の適切な見通しや交渉の方針についてアドバイスをすることもできます。適正な賠償金の獲得のため、専門家である弁護士を利用してみることはいかがでしょうか。

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いかがでしたか?

この記事をお読みの方には、「交通事故でPTSDが発症!?被害者のための後遺障害認定ガイド」というテーマに関して、理解を深めていただけたのではないかと思います。

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交通事故によるPTSDについてのQ&A

交通事故の基礎「PTSD」とは?

PTSDとは、心的外傷後ストレス障害(しんてきがいしょうごストレスしょうがい、Post Traumatic Stress Disorder)の略語です。命の安全が脅かされるような出来事、戦争、天災、事故、犯罪、虐待などによって強い精神的衝撃を受けることが原因で、著しい苦痛や、生活機能の障害をもたらしているストレス障害のことをいいます。交通事故の被害により、PTSDになるケースもあります。 交通事故によるPTSDの定義

PTSDの治療法にはどのようなものがある?

PTSDの治療法には、大きく分けて、カウンセリングと薬物療法があります。カウンセリングでは、特にその外傷体験にスポットをあてた、認知行動療法という方法が効果的とされています。認知行動療法では、外傷体験への考え方を変えたり、安全な環境で体験を思い出させて、精神的衝撃に慣れさせたりします。薬物療法は、主にPTSDの諸症状を軽くするために行われます。不眠症やうつ症状に対し、抗不安薬などが使用されます。 PTSDの具体的な治療法

後遺障害等級の認定を受ける可能性は?

PTSDは、その症状の内容により、9級、12級、14級の後遺障害等級を受ける可能性があります。そして、いかなる症状が各等級に認定されるかは、厚生労働省が通達で基準を明示しています。各種の精神症状と、それを判断する項目が示されています。 PTSDの後遺障害と等級

PTSDの件を弁護士に相談するメリットは?

交通事故によるPTSDを弁護士に相談するメリットは、適切な賠償金を受けとることができるという点にあります。交通事故に詳しい弁護士に依頼をし、後遺障害認定のための適切な活動をすることにより、後遺障害認定や慰謝料の増額の可能性を高めることができます。 弁護士相談のメリットまとめ

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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