交通事故加害者が刑務所に入る場合|死亡事故なら交通刑務所行き?刑務所に入る期間は懲役何年?
交通死亡事故を起こすと刑務所に入らないければならない?
交通事故は日常に潜むトラブルです。
誰しもが交通死亡事故の加害者になってしまう可能性があります。
- 交通事故で刑務所に入る場合は?
- 死亡事故なら刑務所行き?
- 交通事故で刑務所に入る期間は?
など、今回は、「交通事故と刑務所」をテーマにお送りします。
詳しい解説は弁護士の先生にお願いします。
交通事故は、日常的に起こるトラブルです。
身近な人が交通事故を起こすと、「刑務所に行く可能性はある?」という点は非常に気になると思います。
交通事故で負う責任や、刑務所に入る必要があるのかなどくわしく解説していきます。
よろしくお願いします。
目次
交通事故で刑務所に入る場合を解説|死亡事故なら刑務所に入る?
ご自身やご家族が、死亡事故など重大な交通事故を起こした際に、
「逮捕されてしまう?」
「刑務所に入る可能性はある?」
といった不安があるかもしれません。
こちらでは交通事故で負う責任や交通事故で刑務所に入る場合をみていきましょう。
交通事故を起こすと逮捕されて刑務所に入る?
交通事故を起こすと、反則金を支払うイメージを持っている方が多いと思います。
しかし、交通事故で負う責任は賠償金などの民事責任だけではありません。
被害者に重大なケガを負わせたり、死亡させてしまうと非常に重い責任を負うことになります。
交通死亡事故を起こした加害者は、「民事責任」「 刑事責任」「 行政責任」の3つの責任を負うことになります。
重大な交通事故を起こすと、金銭面に関する民事責任だけでは済みません。
もちろん、場合によっては警察に逮捕されてしまうことだってあります。
3つの責任をそれぞれ簡単に確認してみましょう。
まとめ
交通事故加害者が負う3つの責任
①民事責任 |
---|
交通事故の被害者に対して損害賠償金を支払うこと |
②刑事責任 |
罰金を支払ったり、禁錮刑*になったりすること |
③行政責任 |
運転免許を取り消されたり、停止されたりすること |
*禁錮刑:交通刑務所に入る刑罰
刑務所に入るかどうかは、刑事責任に関わります。
重大な交通事故を起こすと、窃盗や傷害など他の刑事事件と同様に逮捕されます。
事件が起訴され、刑事裁判で有罪判決がくだされると刑罰を受けます。
つまり、死亡事故など重大な交通事故を起こして実刑判決を受けた場合は、刑務所に収容されます。
死亡事故で実刑判決を受けた場合は、いわゆる交通刑務所と呼ばれる刑務所に収容されます。
交通刑務所は、交通事故で有罪判決を受けた受刑者が集まる刑務所です。
よって、交通事故でも場合によっては、刑務所に入るケースも考えられます。
交通事故で逮捕されるかどうかに、明確な基準はありませんが、
- ① 違反行為の態様
- ② 生じた結果の大きさ
が主な判断基準になっているものと考えられます。
不起訴又は略式手続きで罰金刑が見込まれる交通事故については一般的に
逃亡や罪証隠滅のおそれなどの逮捕の必要性が乏しい
と判断され、逮捕に至らないことが多いと考えられます。
「ひき逃げ」をしてしまった場合は、逮捕される可能性が極めて高くなります。
ひき逃げは、「救護義務違反」という罪状も加わる悪質な違反です。
ひき逃げで逮捕されると、厳しい処罰が予想されます。
さらに、既に一度現場から逃亡しており、逃亡のおそれが高いと判断されやすいので逮捕されやすいといえます。
一般的に、物損事故や軽微な人身事故であれば、そもそも不起訴の見込みが高く、逮捕の必要性に乏しいです。
一方、重大な人身事故であれば、実刑の可能性も考えられます。
よって、逃亡・罪証隠滅のおそれがあるので逮捕される可能性が高くなります。
一般的な基準としては、酒気帯び運転や死亡事故などは逮捕されやすいと言えます。
逮捕される基準については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
以上のことから、重大な交通事故を起こすと刑務所に収容される可能性はあるといえます。
交通事故が刑事事件として進行し、刑事裁判で実刑になると刑務所に服役することになります。
交通事故で逮捕された際は、実刑を回避するためにもまずは弁護士に相談することをおススメします。
重大な交通事故を起こすと刑務所に収容される可能性もある
交通事故で刑務所に入る場合とは?刑罰は?死亡事故なら刑務所行き?
「交通事故で刑務所にはいる場合って?」
「死亡事故を起こすと刑務所行き…?」
ご自身やご家族が重大な交通事故を起こし、不安になっているかもしれません。
酒飲んでなくても、交通事故で相手死んだら、かなりの確率で実刑やからな
車運転してたら、誰でも刑務所入らなあかん可能性はあるんよな— オガッキー (@mototaka4) September 28, 2018
明日から車通勤にするけど車に乗る時間が長ければ長いほど交通刑務所に入る可能性がアップするしやばいんじゃ無いかと思ってきた それが一番不安だわ
— 無限夢女 (@CreamyBusu) October 22, 2018
このように不安に思う方も多いいるようです。
死亡事故やひき逃げ、酒気帯び運転などは実刑も考えられる重大な犯罪です。
交通事故の加害者はどのような罪に問われ、どのような刑罰を受けるのか気になりますよね。
ここでは、相手を死亡させてしまった死亡事故についてみていきましょう。
法律上、自動車の死亡事故に該当する犯罪は、
- 過失運転致死罪
- 危険運転致死罪
に相当します。
過失運転致死罪と危険運転致死罪の刑罰を確認してみましょう。
過失運転致死罪 | 危険運転致死罪 | |
---|---|---|
内容 | 運転中の不注意で交通事故を起こし、被害者を死亡させてしまった | 危険な運転*を行い、被害者を死亡させてしまった |
刑罰 | 7年以下の懲役、7年以下の禁錮 または100万円以下の罰金 |
1年以上20年以下の懲役 |
*飲酒や薬物で酔った状態、制御困難な速度、無免許、無理な割込みや幅寄せ、信号無視などの事情
以上の刑罰は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」に記載されています。
死亡事故の刑事裁判で有罪になると非常に重い刑罰が科されることがわかりましたね。
飲酒運転や危険運転で死亡事故を起こした場合は、裁判の後に刑務所に収容される可能性が高いです。
もっとも、過失運転致死罪も危険運転致死罪も、他人を殺す意図がないことが前提です。
他人を殺す目的をもって自動車でひいた場合は、殺人罪に問われる可能性もあります。
重大な交通事故を起こした場合、非常に重い刑罰を受ける可能性もあります。
死亡事故などについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
交通事故後、刑務所に入るまでの流れ
交通事故でも、実刑判決を言い渡されて刑務所に収容される可能性があるとわかりました。
交通事故後、どのような流れで刑務所に収容されるのでしょうか。
死亡事故で逮捕された後は、刑事訴訟法の定めに沿って手続が進められます。
具体的な流れとしては、
逮捕
↓
勾留
↓
起訴・不起訴の処分
↓(起訴された場合)
裁判
簡潔にいうとこのような流れです。
事件が起訴され、裁判まで進むと、無罪を獲得しなければ前科がついてしまいます。
刑務所に収容されるまでの流れを図でも確認してみましょう。
出典:https://atomfirm.com/wp-content/uploads/nagare2.png
ご覧のように、刑事事件はスピーディーに進行していきます。
お一人で悩んでいるだけでは事件はどんどん進んでいきます。
弁護士であれば、事件の段階に合わせて適切なアドバイスや弁護活動を行うことができます。
ご自身やご家族が刑務所に収容されないためにもまずは弁護士に相談してみましょう。
さらに、逮捕や裁判の流れをくわしく知りたい方は以下の記事もご覧ください。
死亡事故の逮捕や裁判の流れのページ
【Q&A】交通事故と刑務所の関係|服役期間は?高齢者でも刑務所行き?
交通事故でも刑務所に収容される可能性があるとわかりました。
他にも、交通事故と刑務所の関係について疑問に思うことがありますよね。
こちらでは、Q&A方式で皆さんの疑問にお答えしていきます。
Q1.交通事故で刑務所に入る期間はどれくらい?
そもそも、刑務所に服役する刑罰は、懲役刑といいます。
刑事裁判で有罪になり、裁判官から懲役刑を言い渡されると刑務所に収容されることになります。
日本の刑法では、懲役は、有期懲役と無期懲役に分類されています。
有期懲役は法律で定められていて、裁判官が何年でも自由に決められるわけではありません。
有期懲役の期間の定めは1月以上20年以下とされています。
「懲役刑」は所定の刑務作業を行わせるという点で禁錮刑と区別されています。
同じ、重大な交通事故でも、
- 過失運転致死罪:7年以下の懲役、7年以下の禁錮、または100万円以下の罰金
- 危険運転致死罪:1年以上20年以下の懲役
と、罪名ごとに定められている法定刑がことなります。
さらに、事件の内容などで、年数もことなります。
弁護士に聞けば、科せられる懲役刑の目安を知ることができます。
Q2.高齢者でも交通事故を起こすと刑務所に入る?
今日、高齢者が起こす交通事故をよくニュースで見かけますよね。
交通事故で人死なせちゃって現行犯逮捕って、刑務所に入るの?犯人78歳とかだと、ほんといろいろいたたまれないな
— もなお (@00monao00) May 14, 2012
https://twitter.com/kiiroidori2/status/980820080157106176
高齢者が起こした交通事故(死亡事故)でも刑務所に収容されるのでしょうか?
最近では、こんなニュースがありました。
東京都立川市の病院で二〇一六年、車が暴走して二人が死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死)の罪に問われた東京都国分寺市の(略)被告(85)に対し、東京地裁立川支部は三十日、禁錮二年(求刑禁錮四年)の判決を言い渡した。
宮本孝文裁判官は判決理由で「二人を死亡させた結果は極めて重い」と指摘。当時八十三歳と高齢だが、認知機能の衰えに起因する事故ではない」として弁護側が求めていた執行猶予を付けなかった。(略)
出典:東京新聞 2018年5月30日 夕刊
ご覧の通り、高齢者だからといって刑務所への収容が免除されるということはなさそうです。
高齢者だとしても、重大な交通事故を起こすと刑事裁判になり、懲役実刑を受ける可能性はあります。
Q3.交通事故を起こすとどんな刑務所にはいる?
重大な交通事故を起こすと最終的に刑務所に収容される場合もあるとわかりました。
窃盗・強姦・殺人など、他の刑事事件の加害者達と同じ刑務所に収容されるのでしょうか。
一般的に、交通事故を起こしたり悪質な道路交通法違反などの受刑者が収容される刑務所は交通刑務所と呼ばれています。
しかし、その刑務所には「交通刑務所」と言う名前はついていません。
交通事故で有罪となり、懲役・禁錮刑を受けることになると交通犯罪の部門がある刑務所に収容されることになります。
交通刑務所に収容された受刑者は、一般の刑務所と同様に刑務作業も行います。
また、交通事故を起こしてしまった人に対して行われる「交通安全指導」なども実施されています。
交通刑務所内には、交通事故の被害者を供養する慰霊碑があったり、教習コースが作られていたりします。
交通刑務所の中で刑を受ける人たちの犯した罪に合わせて、その改善に役立つような指導が行われます。
【弁護士無料相談】交通事故で刑務所に入らないためには?
交通事故を起こすと刑務所に入る可能性もあるとわかりました。
刑事事件はスピーディーに進行します。
ご家族が重大な交通事故を起こしてしまったら、まずは弁護士に相談することをお勧めします。
こちらでは、弁護士の無料相談窓口や全国から弁護士を検索できる窓口をご紹介します。
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交通死亡事故の加害者になってしまった場合、弁護士による弁護活動を受けることが重要です。
弁護士に依頼すれば、個人では難しい遺族への謝罪なども協力してもらうことが可能です。
しかし、弁護士に依頼したことがあるという方は稀だと思います。
交通死亡事故の加害者担った場合は、刑事事件を取り扱う弁護士事務所へ相談しましょう。
こちらに、刑事事件を取り扱う弁護士事務所を集めました。
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交通事故加害者になってしまった場合は刑事事件に注力している弁護士に相談しましょう。
こちらに掲載されている弁護士は、
- ① 刑事事件に注力している
- ② 弁護士費用が明瞭である
弁護士ばかりです。
こちらの検索窓口から、頼れる弁護士を探してみてください。
合いそうな弁護士が見つかったら、まずは交通事故の取り扱いがあるか確認してみましょう。
最後に一言アドバイス
交通死亡事故は、誰しもが加害者になる可能性がある事件です。
いつ、ご自身やご家族が交通死亡事故の加害者になるかわかりません。
日常から常に慎重な運転を心がけましょう。
ご自身やご家族が交通死亡事故の加害者になってしまったみなさん。
死亡事故は重い処罰を受ける可能性のある事件です。
身近な人が事件の当事者になってしまったら、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。
ご依頼が早いほど弁護士にできることも増えます。
ご自身やご家族の将来を守るためにもお早めにご相談ください。
まとめ
「交通事故と刑務所」をテーマにお送りしました。
重大な交通死亡事故を起こすと、懲役実刑になる可能性もあるとわかりました。
死亡事故は、一度起こしてしまうと取り返しがつきません。
しかし、誰しもが加害者になる可能性のある事件です。
もし、ご自身や身近な方が交通死亡事故の加害者になってしまったら…
ご紹介したスマホで無料相談で弁護士に相談するとよいでしょう。
また、全国弁護士検索の窓口でご自身にぴったりの弁護士を見つけましょう。
ほかにも交通事故の関連記事がありますのでぜひご覧ください。
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。