20代男性が遷延性意識障害、失語症等 賠償1億超

IT 2016年6月10日 | 遷延性意識障害
lawyer 0831 4
認容額 1 億 6505万6920円
年齢 21歳
性別 男性
職業 会社員(事故当時)
傷病名

脳挫傷、脳幹損傷等

障害名 遷延性意識障害
後遺障害等級 1級
判決日 平成19年10月16日
裁判所 名古屋地方裁判所

交通事故の概要

平成13年2月19日午前4時25分ころ、愛知県小牧市の路上において、加害者Cが運転する車両(レンタカー)が、赤色信号を無視して交差点に進入したところ、右方道路から同交差点に進入してきた被害者の運転する車両と衝突した。

被害者の入通院治療の経過

被害者は、本件事故により、脳挫傷、脳幹損傷等の傷害を負った。
被害者は、約4年10ヶ月間入院して治療を受けた。退院後も通院して治療を受けており、また、往診も受けている。

後遺障害の内容

被害者は、平成15年5月31日に症状固定と診断され、びまん性軸索損傷により、四肢麻痺、失語症、遷延性意識障害の後遺障害を負った。被害者は、本件後遺障害について平成15年8月5日、後遺障害等級第1級3号に該当するとの認定を受けた。

判決の概要

加害者Dレンタカーが所有し、加害者Eが自動車共済契約の車両諸費用特約に基づき、加害者Fに代車として提供した本件車両を、加害者Cが無免許で運転中に、被害者が運転する普通乗用自動車と衝突し、被害者に傷害を負わせた。
本件事故につき、被害者らが、加害者らに対して損害賠償を求めるとともに、加害者に対して保険金を支払ったG保険が、保険約款または商法662条に基づく保険代位により、加害者らに対して求償請求をした(乙・丙事件)。
加害者D・Eに運行供用者責任を認めることはできないのに対し、本件事故当時、いまだ本件車両の運行を指示、制御し得る立場を失っておらず、その運行利益も帰属していたと認められる加害者Fは、被害者らに対して運行供用者としての責任を負うというべきであるが、他方、当時酒気帯び運転をしていた被害者にも5%の過失が認められる。よって、被保険者が人身傷害補償保険金の支払いを受けた後に、加害者に対して損害賠償請求する場合において、被保険者にも過失があるとされたときには、人身傷害補償保険金はまず損害額のうち被保険者の過失割合に対応する額に充当され、人身障害補償保険金が被保険者の過失割合に対応する額を上回る場合にはじめて、その上回った額について、被保険者の加害者に対する損害賠償請求権を代位取得できると解するのが相当であるとして、請求の一部を認容した。

認容された損害額の内訳

治療関係費 482万1070円
入院付添費 540万8000円
入院雑費 108万1600円
将来介護費 9032万1428円
休業損害 765万6003円
逸失利益 9611万8194円
慰謝料 3200万円
交通費 10万 675円
装具代・ベッドレンタル代 24万 8048円
住宅改造費 1065万 7832円
介護ベッド・バス費用 670万 5875円
介護リフト費用(将来分) 176万 4846円
介護用品費(その他) 172万 2930円
車椅子費用 262万 8460円
車両改造費 203万 5698円
将来雑費 1020万 1786円
損益相殺 - 3000万 円
被害者の母親固有の慰謝料等 330万円
保険会社の代位額 - 9093万 6290円
確定遅延損害金 1724万 4388円
弁護士費用 565万円
過失相殺 - 1367万3623円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

遷延性意識障害の関連記事