遷延性意識障害のため10代で寝たきりに 

IT 2016年6月16日 | 遷延性意識障害
item 31
認容額 9729万8155円
年齢 18歳
性別 女性
職業 高校3年生(事故当時)
傷病名

脳挫傷、外傷性くも膜下出血、血気胸、肋骨骨折、下腿骨折、意識障害

障害名 遷延性意識障害
後遺障害等級 1級
判決日 平成19年1月31日
裁判所 大阪地方裁判所

交通事故の概要

平成8年10月21日午後1時30分ころ、奈良県大和郡山市田中町の交差点において、被害者が運転する原動機付自転車が本件交差点を東から西に向けて走行していたところ、同交差点を南から北に向けて走行していた加害者が運転する普通乗用自動車と衝突した。なお、本件事故当時、本件交差点における加害者の車両の対面信号は黄色の点滅を表示し、被害者の車両の対面信号は赤色の点滅を表示していた。

被害者の入通院治療の経過

被害者は、本件事故後、搬送されたN病院救命救急センターにおいて、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、血気胸、肋骨骨折、下腿骨折、意識障害との診断を受けた。
被害者は、2141日間入院し治療を受けた。そして、平成14年3月31日、F大学病院において、次のとおり、同日症状固定したとの診断を受けた。
傷病名‥遷延性意識障害、脳挫傷
自覚症状‥遷延性意識障害
他覚所見‥上記傷病のため、意識障害が遷延しており、意思疎通は不可能である。また、不全四肢麻痺を認め、合目的な四肢の動きは認められない。CT上脳挫傷、脳萎縮を認める。SPECTの脳血流量も低下している。
関節機能障害‥肩、肘、手、股、膝、足各関節に認められる。
障害内容の見通し‥障害の改善は期待できない。

後遺障害の内容

被害者の後遺障害は、平成15年4月18日、自動車損害賠償責任保険(以下「自賠責保険」という。)の事前認定手続において、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」として1級3号と認定された

判決の概要

交差点において被害者が運転する原動機付自転車と、加害者が運転する普通乗用車が衝突した事故につき、被害者及びその両親が、加害者及び同人の使用者である株式会社に対し、それぞれ損害賠償を求めた。
被害者の過失割合を4割と認定し、また、定期金賠償方式によることの可否について、定期金賠償方式による場合、将来の支払拒絶、支払不能に備えた履行確保の措置に配慮する必要があり、被害者が一時金による賠償を求めている場合に、定期金賠償を命ずることが処分権主義の観点から許されるかという問題もあり、加えて本件においては、被害者らは定期金賠償を認めない旨を明示しているとした。よって、事故当時高校3年生であった被害者について、本件事故に遭わなければ四年制大学を卒業していた蓋然性が非常に高いとして大卒女子平均年収による損害の賠償等を被告らに対して命じた。

認容された損害額の内訳

治療関係費 1605万8664円
入院付添費 1284万6000円
入院雑費 278万3300円
将来介護費 1 億 977万5575円
休業損害 426万6049円
逸失利益 7625万1948円
慰謝料 3500万円
自宅療養準備のための治療費 267万 1940円
症状固定後の治療費 913万 3824円
症状固定時までの交通費及び宿泊費 1331万 5円
自宅療養準備のための交通費及び宿泊費 170万 1865円
症状固定後の交通費 114万 1728円
症状固定後の介護雑費 694万 5512円
症状固定後の介護備品購入費 1918万 7674円
家屋等改造費 1048万 5000円
物損 20万円
被害のてん補 - 5276万 4943円
確定遅延損害金 975万 9465円
被害者の両親固有の慰謝料等(2名分) 360万円
弁護士費用 800万円
過失相殺 - 1 億 - 9305万5451円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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