30代で遷延性意識障害で後遺障害1級 賠償2億超

IT 2016年6月7日 | 遷延性意識障害
item 0901
認容額 2 億 604万702円
年齢 30歳
性別 男性
職業 会社員(事故当時)
傷病名

多発性脳挫傷、びまん性脳損傷、頭蓋骨骨折、左腓骨骨折等

障害名 遷延性意識障害
後遺障害等級 1級
判決日 平成24年7月25日
裁判所 大阪地方裁判所

交通事故の概要

平成18年9月15日午後8時30分ころ、新潟市西区田島一八八番地一先の路上において、被害者が普通乗用自動車を運転し、本件道路の北側部分を南西から北東に向けて走行して停止させた後、運転席ドアを開けて、被害車から降り、運転席ドアと被害車の間あたりで佇立していたところ、加害者が、北東から南西に向けて運転していた普通乗用自動車を、佇立していた被害者及び被害車に衝突させた。

被害者の入通院治療の経過

被害者(事故当時29歳)は、平成18年9月15日、本件事故によって、多発性脳挫傷、びまん性脳損傷、頭蓋底骨折、左腔骨骨折、左腓骨骨折等の傷害を負った。被害者は、351日間入院して治療を受け、平成19年8月31日、症状固定した。

後遺障害の内容

損害保険料率算出機構は、被害者の本件後遺症について、遷延性意識障害、四肢麻痺(左片麻痺、右不全片麻痺)などのため、生命維持に必要な身の回りの処理の動作について常に他人の介護が必要な状況にあると認められることから、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」として、自動車損害賠償保障法施行令別表第二の第1級第1号に該当すると認定した。

判決の概要

加害者が運転する普通乗用自動車が、停車していた普通乗用自動車及びその近傍に佇立していた被害者に衝突した本件事故により、負傷し、後遺症が残存したとして、被害者及びその親族らが、加害者に対し、不法行為に基づき、それぞれ損害の賠償を求めた。
被害者は、対向車がすれ違うのに十分な間隔を置いて停車していること、夜光チョッキを着ており歩行者としても視認は用意であったという事情も考慮すれば、被害者が、加害者の車は被害者及び被害者の車を認めてすれ違うと期待して降車していた等としても、特に危険な行動ということはできず、過失相殺事情として評価できないなどとした。よって、本件事故に関して、被害者について過失相殺することは相殺でないと示し、被害者らの請求をそれぞれ一部認容した。

認容された損害額の内訳

治療関係費 1445万7536円
入院付添費 210万6000円
入院雑費 52万6500円
将来介護費 7687万8976円
休業損害 522万6861円
逸失利益 1 億 1376万3165円
慰謝料 2870万円
移送費(転院の際の移送費、2回分) 41万 8805円
家屋改造費 907万 4000円
住宅買換費 132万 9900円
車両購入費 240万円
将来の車両改造費 161万 5911円
介護器具 635万 8339円
将来の介護雑費 717万 6122円
損害の填補 - 8586万 8124円
確定遅延損害金 357万 6711円
被害者の配偶者(妻)固有の慰謝料等 110万円
被害者の父親固有の慰謝料等 22万円
被害者の母親固有の慰謝料等 66万円
被害者の子固有の慰謝料等(3名分) 132万円
弁護士費用 1500万円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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