60代被害者、遷延性意識障害で賠償が1億円超

IT 2016年6月8日 | 遷延性意識障害
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認容額 1 億 2232万9879円
年齢 69歳
性別 男性
職業 自営業(事故当時)
傷病名

脳挫傷・外傷性脳内出血

障害名 遷延性意識障害
後遺障害等級 1級
判決日 平成22年3月26日
裁判所 東京地方裁判所

交通事故の概要

平成18年11月6日午後4時7分ころ、埼玉県秩父市の被害者宅敷地内において、加害者が自家用普通乗用自動車で道路を走行中、居眠り運転となり、道路から被害者宅敷地内に車を進入させ、被害者に衝突させた。

被害者の入通院治療の経過

被害者は、脳挫傷・外傷性脳内出血の傷害を負い、遷延性意識障害の状態となった。本件裁判当時も、気管切開・胃ろうによる経管栄養摂取の状態にある。
被害者は、本件事故日から平成20年9月29日までの間、T病院に入院した後、T療護センターに転院し、同日以降、T療護センターに入院している。

後遺障害の内容

被害者は、平成19年5月6日、症状固定となったところ、自動車損害賠償保障法施行令二条の別表第一の第1級1号(神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの。)と認定された。なお、症状固定時に、被害者は69歳。

判決の概要

加害者が車で道路を走行中、居眠り運転となり、道路から被害者宅敷地内に車を進入させ、被害者に追突させた。本件事故により重度の後遺障害を負った被害者とその妻子らが、加害者に対し、民法709条に基づき、損害賠償を求めた。
被害者に対する損害賠償の方式について、定期金賠償の方式によるべきであるとの加害者の主張について、定期金賠償によることについて被害者の申立てはないことや、被害者の症状はなお重篤であるというべきであるが、意思表示が行えるようになったり車イスにそれなりの時間乗って外出することができるようになったりしている現状も踏まえたときには、同人が平均余命を全うし難いというべき事情を認めることは容易でないこと等からすると、定期金賠償の方式によるのが相当とはいえないとしてこれを斥ける等して、被害者らの請求をそれぞれ一部認容した。

認容された損害額の内訳

治療関係費 1636万8547円
入院付添費 169万8262円
入院雑費 221万4435円
休業損害 59万8356円
逸失利益 694万3680円
慰謝料 3050万円
交通費(将来分も含む) 95万 7363円
搬送費(転院に伴う搬送費) 18万 3510円
将来の在宅介護費用 6235万 7512円
将来の搬送費 15万 973円
将来の雑費(在宅介護分) 874万 9063円
自宅改造費 370万 2150円
介護に必要となる設備・機器費用 340万 4360円
胃ろう、気管カニューレ交換のための費用 16万 5375円
在宅医療、訪問看護費 142万 1409円
訪問リハビリテーション費用 410万 220円
リハビリテーションのための機器の購入費用 22万 4910円
その他機器 10万 1403円
その他の積極損害 33万 6076円
既払金 - 3568万 7725円
被害者の配偶者(妻)固有の慰謝料等 165万円
被害者の子固有の慰謝料等(2名分) 220万円
弁護士費用 1000万円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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