植物人間(植物状態)となった場合の医療費は誰が支払う?払えない場合はどうしたら…

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植物人間(植物状態)となった場合の医療費は誰が支払う?払えない場合はどうしたら…

交通事故などで頭部に外傷を負い、植物人間植物状態)となってしまった場合…。

意識が戻る可能性もありますが、長期間戻らない可能性も考えられます。

その場合、医療費の負担が高額なものとなってしまう可能性もあります。

交通事故が原因であれば、交通事故の損害賠償で一部は回収できるものの、症状固定となった後には医療費は支払われません。

その高額の医療費負担を軽減できる方法はないのでしょうか?

高額で払えない場合に何か支援制度はないのか…このページで、植物状態の医療費についてお悩みの皆さまと一緒に勉強していきたいと思います。

なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。

よろしくお願いします。

交通事故などが原因でご家族が植物状態となってしまった場合、いつ回復するかもわからず、回復するまでの医療費の支払いが非常に心配なはずです。

その際、相手側の保険会社からの損害賠償以外にも、受けられる制度があれば、少しは不安や負担も軽減できるのではないでしょうか。

このページをお読みの方にとって、以下の情報が少しでも参考になれば幸いです。

植物人間(植物状態)となってしまった場合の延命治療…。

高齢化社会が進むにつれ、延命治療の医療費の問題など、様々な議論はあるかと思います。

しかし、医療費削減のために、大切なご家族の延命治療を止めるのか…。

それは、決断できないという方がほとんどのはずです。

しかし、実際にその間の医療費は発生してしまいます。

そのような状態になったとき、他にもいろいろと考えなければならないことがたくさんあります。

ここでは、医療費負担の軽減に向けた情報を勉強して、もしもの時のための不安材料を一つでも少なくしておきましょう。

植物人間(植物状態)となってしまった場合の治療法や回復の可能性は?

植物人間(植物状態)となってしまった場合の治療法や回復の可能性は?

交通事故などで脳に損傷を負った場合、遷延性意識障害と診断されることがあります。

いわゆる植物状態のことであり、植物状態となってしまった患者さんのことを植物人間と呼ぶことがあります。

植物人間(植物状態)となってしまった場合、意識はないものの、呼吸や心臓機能など、内部機能については自力で行うことが可能となっています。

しかし、意識は戻らないため、自力で起き上がったり、話したりすることはできません。

植物人間(植物状態)に対する治療方法

調べてみたところ、現時点では、植物状態の症状を劇的に改善する方法はないというのが現実のようです。

損傷を受けた脳を手術して回復させることは、現在の医療ではまだ不可能です。

よって治療としては、被害者の方の自然治癒能力を信じ、現状維持を図ることが一般的ということです。

植物人間(植物状態)からの回復の可能性

もちろん、懸命な治療が実り、植物状態から脱することができたという事例もあります!

近親者の方や周囲からの働きかけにより、意識を徐々に取り戻し、何らかの形で意思表示ができるようになることもあり得るのです。

とはいえ、完全に回復するのは難しい場合がほとんどということです。

植物人間となってしまった場合の治療は、一般的には延命治療ということになります。

呼吸については自力にできることがほとんどのようですが、栄養・水分補給人工的に接種することになります。

人工栄養法による延命処置

食べ物を飲み込む嚥下機能が低下してしまった場合、点滴や胃ろうなどによって、水分や栄養を与える延命治療方法。

延命処置のため、栄養を送ることを止めてしまうと、生命を維持することはできません。

人工栄養法による延命は、被害者ご本人やご家族がどこまで延命を望んでいるのか、どんなタイミングで人工栄養法を止めるのかなどの判断基準を決める必要があります。

しかし、回復の可能性もある中、延命治療を止めるとは決断できませんよね…。

一方で、延命治療を続けることになった場合には、医療費の負担も続くことになります。

払えないような事態となってしまった場合、何か負担を軽減できる方法はないのでしょうか?

植物人間(植物状態)の医療費の負担は誰が?払えない場合の対応7選

植物人間(植物状態)の医療費の負担は誰が?払えない場合の対応7選

対応①相手側の保険会社からの損害賠償を利用する

まず、自損事故以外の交通事故の場合には、自賠責保険が適用となり、治療費などの損害賠償を受け取ることができます。

自賠責保険

自賠責保険とは、自動車やバイクを運転する方に加入が義務付けられている保険です。

ただし、あくまでも事故被害者の方への最低限の補償を目的とした保険となっています。

よって、治療にかかわる損害賠償(治療関係費、文書料、休業損害、慰謝料)に対する限度額は、すべて合わせて120万円までとなっています。

中でも、医療費に関係する補償は以下の通りになっています。

自賠責保険による植物状態の医療費に対する補償
治療費
診察代や手術代、投薬代や入院代の費用など。
【支払い基準】
治療のためにかかった必要かつ妥当な実費。
看護料
原則として12歳以下のお子様に近親者の方が付き添った場合や、医師が看護の必要性を認めた場合の、入院中の看護料や自宅看護料、通院看護料。
【支払い基準】
・入院の場合:4100円/日
・自宅看護もしくは通院の場合:2050円/日
・それ以上の収入減の立証で近親者の場合:19000
・それ以外:地域の家政婦料金が限度
諸雑費
入院中に要した雑費。
【支払い基準】
原則として1100円/日。
通院交通費
通院に要した交通費。
【支払い基準】
通院のためにかかった必要かつ妥当な実費。
診断書等の費用
診断書や診療報酬明細書などの発行手数料。
【支払い基準】
発行に要した、必要かつ妥当な実費。
慰謝料
事故で怪我をしたことによる精神的・肉体的な苦痛に対する補償。
【支払い基準】
4200円/日。
対象日数は被害者の怪我の状態や実治療日数などを考慮して治療期間内で決められる。

とはいえ、賠償金を受け取れるまでには時間がかかる場合もあります。

その間にも医療費は発生してしまうので、非常に心配ですよね。

そのような場合の、医療費などの当座の費用として「仮渡金制度」というものがあるそうです。

仮渡金制度

仮渡金制度とは、損害賠償の額が確定する前であっても、将来損害賠償として支払われるであろう当座の資金の支払いを自賠責保険会社に対して請求できるという制度です。

そして、植物人間(植物状態)となってしまった場合でも、入院の期間などに応じて受け取れる可能性があります。

仮渡金の限度額
40万円/人
・脊柱の骨折で脊髄を損傷したと認められる症状を有する場合
・上腕又は前腕骨折で合併症を有する場合
・大腿又は下腿の骨折
・内臓破裂で腹膜炎を起こした場合
14日以上入院を要する傷害で30日以上の医師の治療が必要な場合
20万円/人
・脊柱の骨折
・上腕又は前腕の骨折
・内臓破裂
入院を要する傷害で30日以上の医師の治療を必要とする場合
14日以上の入院を必要とする場合
5万円/人
11日以上の医師の治療を必要とする場合

任意保険

以上、自賠責保険による医療費の補償について見てきました。

ただし、植物状態の治療で入院が長引く場合、自賠責の補償限度額(120万円)を超えてしまうことがほとんどのはずです。

自賠責の支払限度額を超える場合や自損事故で怪我をした場合には、任意保険からの補償を受ける必要があります。

任意の自動車保険と自賠責の関係

任意保険から受け取れる慰謝料は、弁護士に依頼するかどうかで大きく変わってきます。

というのも、交通事故の慰謝料は、弁護士基準で計算すると増額が大幅に見込めるからです。

自賠責での入通院慰謝料は4200円/日と決められていますが、任意保険ではある程度の相場が存在しています。

旧任意保険支払基準による入通院慰謝料

旧任意保険支払基準による入通院慰謝料

ただし、弁護士に示談交渉を任せた場合、この相場が弁護士基準のものまで高まることがほとんどなのです。

弁護士基準となった場合の入通院慰謝料の相場は以下の通りです。

重傷の慰謝料算定表

重傷の慰謝料算定表

一目瞭然ですが、加害者が任意保険に加入している場合には、弁護士基準での慰謝料を獲得すべきです。

よって、自動車保険会社との示談交渉にあたっては、ぜひ弁護士相談してみてくださいね!!

将来介護費

また、自賠責では認められませんが、任意保険会社と交渉する場合には、将来介護費が認められるケースもあるようです。

将来介護費が認められれば、保険会社から医療費の支払いなどが終わってしまった後も、介護をする際にかかる費用の負担を軽減できることになります。

将来介護費は、医師の指示または症状の程度により必要性が認められる場合請求可能となっています。

遷延性意識障害(植物状態)の場合には、将来介護が必要なことが明白なため、将来介護費が認められるケースが多いでしょう。

ご家族の方が介護を行う場合、金額の相場は8000円/日程度となっているそうです。

職業付添人に介護を依頼する場合には、1日8000円ではなく、実費全額を請求することになります。

もちろん、ご家族の方が介護をされる場合でも、症状の程度によって増減される可能性があります。

遷延性意識障害(植物状態)の場合、ご家族の方の介護の負担は大きいものと考えられるため、増額の可能性が高いと言えます。

そして、次に問題となるのが、将来介護費をもらえる期間についてです。

通常、その期間については、平均余命を基準とすることが多いそうです。

余命を認定するには、平均余命が大きな役割を果たすのが一般的です。

ただし、この点について保険会社と争うケースも多く発生しています。

特に遷延性意識障害(植物状態)の方の場合、通常よりも平均余命が短いなど、保険会社側に有利なデータを並べてくることもあるため注意が必要です。

平均余命に関してなど、保険会社との間で争いが生じた場合には、やはり弁護士相談してみることをお勧めします。

将来の介護費用
金額 支払いの期間
・近親者による介護の場合:8000円/日

・職業付添人による介護の場合:実費全額

・平均余命を基準とすることが多い
・保険会社と争いになることが多いので注意

政府保障事業

ところで、残念ながら自動車保険に未加入の人もいるのが現実です。

もしも事故の相手が無保険車、もしくはひき逃げや盗難車であった場合には、何も補償が受けられなくなってしまうのでしょうか…。

その場合には、政府保障事業というものを利用することができます。

政府保障事業とは、政府が実施している交通事故の被害者の方に対する最低限の補償制度です。

  • 相手が自賠責保険に加入していない場合
  • ひき逃げなどで相手が特定できず補償をまったく受けられない場合

に利用することができるそうです。

政府保障事業による補償金の金額は、自賠責と同じ基準になるようです。

自賠責と同じく、十分とは言えないかもしれませんが、何ももらえないよりは良いに決まっています。

利用したい場合は、損害保険会社が窓口となって対応してくれるそうなので、お近くの窓口に相談に行ってみてください。

対応②自分の任意保険からの保険金を利用する

次に、被害者の方が加入している任意保険に人身傷害補償保険が付いていれば、被害者の方の入院費用などの医療費であっても、被害者の方の保険会社が支払ってくれます。

他に、搭乗者傷害保険自損事故保険無保険車傷害保険金が付いていれば、医療費の実費が支払われるわけではありませんが、保険金を受け取れる可能性があります。

よって、その受け取った保険金を医療費に充てることも可能となりますね。

被害者自身の任意保険からの保険金
人身傷害補償保険金
過失割合に関わらず、保険会社の基準によって支払われる保険金(実損害額)。
同乗者の損害は、基本的に無条件に補償される。
搭乗者傷害保険金
自分の車に乗っている人(運転者・同乗者)が死亡、怪我をしてしまった場合に、自賠責保険や対人賠償保険などとは別に支払われる保険金。
無保険車傷害保険金
賠償能力が十分でない車の過失による事故に巻き込まれた場合に支払われる保険金。
自損事故保険金
運転手自身の責任で起こした事故により、運転手自身が死亡、怪我をしてしまった場合に支払われる保険金。

以上の保険に加入していれば、ご自身に過失がある場合や、相手が無保険だった場合、自動車運転中ではなかった場合にも、医療費の実費などがカバーされる可能性があります。

一度、ご自身の自動車保険契約内容を確認してみるのも良いかもしれません。

ただし、ご自身の保険を利用すると次回からの保険料が上がってしまうこともあるので、その点は要注意ですね。

ただし、①、②のように、自動車保険会社から医療費が支払われるのは、症状固定までとなります。

症状固定後は、後遺症として認定されることになり、後遺症に対する損害賠償を受け取ることになります。

よって症状固定後には、その後遺症に対する損害賠償金を医療費に充てることになるでしょう。

対応③公的医療保険を利用する

また、植物人間(植物状態)となる原因の怪我を負ったのが、勤務外の病気や怪我、自損事故の場合は公的医療保険が適用されます。

公的医療保険の加入対象者
健康保険 会社員など
船員保険 船員
共済組合 公務員、教職員
国民健康保険 上記以外の自営業者、専業主婦など

※ この他、「退職者医療制度」や、中小企業が加入する「協会けんぽ」、大手企業の社員などが加入する「健康保険組合」などがある。

交通事故の場合、健康保険などを利用することはできないと思われている方もいらっしゃるようですが、実際には利用することが可能となっています。

厚生労働省も、以下のように交通事故でも公的医療保険を使えるという通達(通知)を出しています。

犯罪や自動車事故等の被害を受けたことにより生じた傷病は、医療保険各法(健康保険法、船員保険法、国民健康保険法及び高齢者の医療の確保に関する法律)において、一般の保険事故と同様に、医療保険の給付の対象とされています

保険が適用できれば、自己負担となるのは、1~3割の医療費と入院時の食事代の一部などのみとなります。

ただし、公的医療保険で診療を受ける場合には、「第三者の行為による傷病届」を、

  • 区市町村担当課
  • 全国健康保険協会の都道府県支部
  • 勤務先健康保険組合

などの各保険者に提出する必要があります。

ところで、植物人間(植物状態)となってしまった場合、回復の可能性はありますが、基本的には延命治療を行っていることになるという話でしたね。

延命治療の場合であっても、健康保険の対象とはなりますので、その点はご安心ください。

(参考)生活保護でも延命治療は受けられる?

しかし、植物人間(植物状態)となってしまうのは、誰にでもあり得ることです。

もしも、生活保護を受給している方が交通事故などにより延命治療が必要となった場合…。

継続して医療費が発生する延命治療は受けられないのではないかと思ってしまいますが、実際にはどうなのでしょうか?

生活保護を受給することになった場合、国民健康保険の被保険者からは除外されますが、そのかわりに福祉事務所から医療券というものが発行されます。

この医療券を使えば、ご本人の負担はなく、医療費は直接医療機関に支払われることになります。

受けられる治療の内容は、健康保険が適用される医療行為とほぼ同等と考えて問題ありません。

もちろん、健康保険でも適用外の差額ベッド代などは生活保護の対象外となります。

また、生活保護受給者の方が医療券を使って受診する場合、指定の医療機関を受診する必要があるそうです。

不明点がある場合には、まずはお住まいの地域の福祉事務所に相談してみてください。

対応④公的医療保険の「高額医療」制度を利用する

また、公的医療保険の制度の1つに「高額療養費制度」というものがあります。

高額医療という言葉の方が馴染みがあるかもしれませんね。

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額が、自己負担限度額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。

毎月の自己負担限度額は、加入者の年齢や所得水準によって設定されています。

また、いくつかの条件を満たせば、さらに負担を軽減する仕組みも設けられているそうです。

70歳以上の方の自己負担限度額(平成30年8月診療から)
年収約1160万円~
【外来(個人ごと)/毎月(世帯ごと)】
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770万円~約1160万円
【外来(個人ごと)/毎月(世帯ごと)】
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370万円~約770万円
【外来(個人ごと)/毎月(世帯ごと)】
80,100円+(医療費-267,000)×1%
年収156万~約370万円
【外来(個人ごと)】
18,000
(年間上限144,000円)
【毎月(世帯ごと)】
57,600
住民税非課税世帯
【外来(個人ごと)】
8,000
【毎月(世帯ごと)】
24,600
年金収入80万円以下など
【外来(個人ごと)】
8,000
【毎月(世帯ごと)】
15,000

※1 1つの医療機関での自己負担(院外処方代を含む)では上限額を超えない場合、同じ月の別の医療機関での自己負担を合算することが可能。その合算額が上限額を超えれば、高額療養費の支給対象となる。

※2 入院時の食費負担や差額ベッド代などは含まない。

69歳以下の方の自己負担限度額/世帯ごと(平成30年8月診療から)
年収約1,160万円~
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770~約1,160万円
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370~約770万円
80,100円+(医療費-267,000)×1%
~年収約370万円
57,600
住民税非課税者
35,400

※1 1つの医療機関での自己負担(院外処方代を含む)では上限額を超えない場合、同じ月の別の医療機関での自己負担(21,000円以上)を合算することが可能。その合算額が上限額を超えれば、高額療養費の支給対象となる。

※2 入院時の食費負担や差額ベッド代などは含まない。

基本的には、支払った医療費が後から戻ってくる制度ではあります。

しかし、低所得者の方については、加入している保険窓口に事前に申請し「限度額適用認定証」の交付を受け、医療機関に提示すれば、支払いの時点で限度額までとできるようです。

また、「高額療養費資金貸付制度」といった貸付制度がある場合もあります。

この制度を利用できれば、高額療養費支給見込額の8~9割無利子で借りることが可能です。

詳しくは、区市町村担当課、全国健康保険協会の都道府県支部、勤務先健康保険組合などの各窓口に確認してみてください。

対応⑤労働者災害補償保険(労災)からの補償を利用する

次に、植物人間(植物状態)となる原因の怪我が業務中や通勤中であった場合労働者災害補償保険労災)が適用されます。

労災が適用されれば、療養(補償)給付(業務中)や、療養給付(通勤時)が支給され、治療費に関する自己負担はゼロということになります。

雇用主が労災保険未加入の場合や、アルバイト、パートタイマーといった雇用形態の場合などに関係なく仕事中の病気や怪我が原因であれば、労災保険は適用されます。

労災保険による植物状態の医療費に対する補償
治療費
診察代や手術代、投薬代や入院代の費用など。
【支払い基準】
治療のためにかかった必要かつ妥当な実費。

対応⑥自分の生命保険からの保険金を利用する

自動車をお持ちの方もお持ちでない方も、生命保険に加入されているという方も多いのではないでしょうか。

生命保険とは、実は病気だけでなく、不慮の事故などの災害によって死亡した場合などにも保険金が支払われるものとなっています。

さらに、生命保険であっても、死亡保険金以外に医療保険金も受け取れるんですね!

また、相手側やご自身の自動車保険とは別に、保険金を受け取ることが可能となっています。

生命保険からの治療に対する補償
死亡保険
被契約者が死亡もしくは高度の障害状態に陥った際に保険金が支払われるもの。
医療保険
入院時や手術時に保険金が支払われるもの。
日本国民は基本的に健康保険に加入しているが、それではカバーされない差額ベッド代や、入院時の生活費、先進医療費などに備える保障。

生命保険であっても、治療費を受け取れるとは知りませんでした…!!

ちなみに、植物人間(植物状態)のように高度障害を負った場合、被害者の方が死亡していなくても、死亡保険金と同等の高度障害保険金を受け取ることが可能となっているようです。

例として、損保ジャパンの生命保険の約款を見てみました。

対象となる高度障害状態とは、つぎのいずれかの状態をいいます。

(1)両眼の視力を全く永久に失ったもの

(2)言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの

(3)中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの

(4)胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの

(5)両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの

(6)両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの

(7)1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの

(8)1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの

植物人間(植物状態)の場合、(3)に該当し、高度障害保険金を受け取れる可能性があります。

もしもの場合に備えて、ご自身の加入されている生命保険の契約内容も確認しておいた方が良いかもしれませんね。

民間の医療保険の医療特約に加入している場合、手続きに必要な診断書を書いてもらうことで、まだ入院中であっても入院給付金手術給付金が支給されることもあります。

この点についても、保険契約証書を確認してみたり、加入されている医療保険会社に確認してみてください。

また、特約を付加すれば、交通事故により植物人間(植物状態)となってしまった場合でも、より手厚い保障内容にすることができます。

怪我に対する生命保険の特約
災害入院特約
怪我で入院した場合に入院給付金が支給されるもの。
傷害特約
交通事故などの突発的で偶然起きる外来的な事故によって所定の障害状態になった場合は、その障害の程度に応じて給付金が支払われる。

上記の特約は、交通事故での確率をもとに作られているため、年齢も関係なく、保険料も安価となっているようです。

ただし、特約を付けなくても、生命保険や自動車保険から怪我に対する補償を受け取ることは可能です。

特約に加入していれば、もちろん保険金を受け取ることはできますが、保険料の無駄が発生しているとも考えられます。

事故への保障に偏った保険となっていないか、検討してみるのも良いかもしれません。

対応⑦自分の傷害保険からの保険金を利用する

生命保険ではなく、傷害保険損害保険)に加入されている方もいらっしゃるかもしれません。

傷害保険についても、相手側やご自身の自動車保険とは関係なく、保険金を受け取ることが可能ということです。

また、傷害保険も、不慮の事故による死亡・傷害・怪我を保障するためのものであり、契約内容に応じて死亡保険金障害保険金入院保険金などが支払われます。

ただし生命保険とは違い、傷害保険の保障対象は「不慮の事故によって発生した損害」限定されており、病気による死亡・障害については一切保障されません。

もっとも、交通事故が原因で植物状態となった場合には、保険金を受け取れることになります。

傷害保険から受け取れる治療に対する保険金としては、以下のようなものが挙げられます。

傷害保険から治療に対する補償
入院保険
不慮の事故によって傷害を負った場合、入院日数に応じて保険金が支払われるもの。
支給条件として、事故から入院までの経過日数に制限が設けられている。
通院保険
不慮の事故によって傷害を負った場合、通院日数に応じて保険金が支払われるもの。
支給条件として、事故から入院までの経過日数に制限が設けられている。
手術保険
入院保険金が支払われる場合に、その怪我の治療のために所定の手術を受けた場合に保険金が支払われるもの。
支給条件として、手術の種類や1事故あたりの保険金の支給回数に制限が設けられている。

以上のように、交通事故により植物人間(植物状態)となってしまった場合、医療費負担を少しでも軽減できる方法があります。

被害者の方ご本人に意識はないため、ご家族の方がすべての手続きを行うことになり、その負担も大きいものではないかと思います。

ただし、交通事故に対する損害賠償を受けるにあたっては、弁護士に示談交渉を依頼できるという話が出ていましたね。

交通事故を弁護士に依頼するメリットは、その他にもたくさんあります。

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以上、植物人間植物状態)の医療費について理解を深めていただけたでしょうか。

医療費の負担を軽減できる方法は様々ありますが、交通事故が原因で植物人間(植物状態)となった場合には、相手側からしっかりとした補償を受け取ることが一番重要です。

適正な損害賠償を受け取るためには、今すぐ弁護士に相談したい!と思われた方もいらっしゃるはずです。

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、植物人間(植物状態)となった場合の医療費に関してお悩みの方に一言アドバイスをお願いします!

交通事故の場合、相手側保険会社からの保険金以外に、自分の自動車保険や生命保険、医療保険などからも補償を受けられる可能性があります。

よって、どのような補償内容の保険に加入していて、どのような時に保険金が受け取れるのか、きちんと確認し、整理しておくことをお勧めいたします。

一方、自動車保険からの保険金に関しては、被害者の方だけで交渉しても、思ったよりも低い保険金しか受け取れない可能性もあります。

しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。

そうなる前に、適正な保険金を受け取れるよう、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

最後までお読みいただけた方には、

植物人間植物状態)となってしまった場合の医療費の負担を軽減する方法

について、理解を深めていただけたのではないかと思います。

その中でも、相手側の保険会社から適正な損害賠償を受け取るためには、弁護士に相談した方が良いと感じた方もいらっしゃるかもしれません。

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また、このホームページでは、植物人間(植物状態)の治療に関するその他関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください!

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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