遷延性意識障害で後遺障害1級 有過失で賠償減額

IT 2016年6月13日 | 遷延性意識障害
arrest 0828 1
認容額 2252万7282円
年齢 67歳
性別 男性
職業 会社員(事故当時)
傷病名

頭蓋骨開放骨折、脳挫傷、遷延性意識障害等

障害名 遷延性意識障害
後遺障害等級 1級
判決日 平成26年6月27日
裁判所 大阪地方裁判所

交通事故の概要

平成20年12月29日午前10時37分頃、京都市中京区堀川通四条上る錦堀川町六五〇番地先の路上において、加害会社が保有し、その従業員である加害者が運転する普通乗用自動車が、堀川通を北から南に向けて進行中に、被害者に衝突した。

被害者の入通院治療の経過

被害者は、本件事故により、頭蓋骨開放骨折、脳挫傷、遷延性意識障害等の傷害を負い、入院して治療を受けたが、入院中の平成21年11月30日、症状固定と診断された。なお、本件裁判の時点においても、入院治療中である。

後遺障害の内容

その後遺障害につき、平成22年6月18日付けで、損害保険料率算出機構により、遷延性の植物状態にあり、生命維持に必要な身の回り処理の動作について、常に他人の介護が必要な状況にあるものと認められることから、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」として、自賠法施行令二条別表第一の1級1号に該当する旨の認定を受けた。

判決の概要

加害者の運転する自動車が被害者に衝突した交通事故について、被告らに対し、被害者Bが、不法行為に基づく損害賠償の一部請求として損害賠償の連帯支払を求めた。また、被害者の妻子らが、不法行為に基づく慰謝料として損害賠償の連帯支払を求めた。本件において認定した双方の過失の内容・程度を比較すると、被害者に生じた結果は重大であり、加害者の過失は軽くはないと判断した。他方で、横断禁止の規制のある道路の車道に出て、青色矢印信号に従って直進車が走行しているなかで、第2車線のほぼ中央まで進出した被害者の過失も決して小さくないから、被害者が本件事故当時、血糖値が低下して意識障害を生じ、これに伴い判断能力が低下していたことを最大限有利に斟酌しても、45パーセントの過失相殺は免れないと示しつつ、被害者らの請求をそれぞれ一部認容した。

認容された損害額の内訳

治療関係費 45万8067円
入院付添費 202万2000円
入院雑費 50万5500円
将来介護費 2351万5698円
休業損害 250万4879円
逸失利益 1928万3461円
慰謝料 3164万円
文書料 3万 8850円
成年後見費用 559万 7407円
将来の入院雑費 617万 2570円
将来の付添介護費 1234万 5140円
被害者の家族固有の慰謝料等(3名分) 181万 5000円
損益相殺 - 4272万 3596円
確定遅延損害金 400万円
弁護士費用 181万円
過失相殺 - 4683万7607円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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