遷延性意識障害で後遺障害1級 被害者に賠償3億超
認容額 | 3 億 318万2853円 |
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年齢 | 38歳 |
性別 | 男性 |
職業 | 郵便局員(事故当時) |
傷病名 | 脳挫傷、外傷性歯牙脱臼 |
障害名 | 遷延性意識障害 |
後遺障害等級 | 1級 |
判決日 | 平成18年9月27日 |
裁判所 | 千葉地方裁判所 |
交通事故の概要
平成13年10月4日午前3時10分ころ、千葉県成田市内の路上において、本件事故が発生した。
加害者は、呼気1リットルあたり0.3ミリグラム以上のアルコールを体内に保有した状態で、普通乗用自動車を運転していた。加害者は、本件事故現場の追越しのためのはみ出し走行禁止規制がされている片側1車線の道路を直進進行している際、自車線前方に路上駐車車両があったことから、これを追い越そうとして、漫然時速40キロメートルを超える速度で駐車車両の右側からセンターラインを超えて対向車線に進出した。そして、同所にいた酔客と駐車車両の間を通過した後、自車線に戻ろうと加速走行した際、進路前方の状況を十分に確認しないまま、折から対向車線上で知人の車両を誘導するため佇立していた被害者に、普通乗用自動車をノーブレーキで衝突させた。
被害者の入通院治療の経過
被害者は、本件事故により、脳挫傷、外傷性歯牙脱臼の傷害を負った。
被害者は、症状固定するまで、299日間入院して治療を受けた。
後遺障害の内容
被害者は、平成14年7月29日に症状が固定し(当時38歳)、四肢麻痺・四肢関節拘縮・遷延性意識障害などの後遺障害が残り、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの」として、後遺障害等級1級3号に該当するとの認定を受けた。
判決の概要
加害者が、対向車線上で知人の自動車を誘導していた被害者に自車を衝突させて、遷延性意識障害等の傷害を負わせた本件事故に関し、被害者及びその近親者が、加害者に対し、不法行為に基づく損害賠償を求めた。
本件事故現場の状況に加え、加害者は、酒気を帯びた状態で加害車両を走行させ、路上駐車車両を避けるためとはいえ、対向車線に進出したにもかかわらず、前方注視を怠り、対向車線上にいた被害者に加害車両をノーブレーキで衝突させて本件事故を惹起したものであって、著しい過失があったといえるから、被害者に相殺される過失はないとするのが相当であるとして、請求の一部を認容した。
認容された損害額の内訳
治療関係費 | 1570万6686円 |
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入院付添費 | 194万3500円 |
入院雑費 | 44万8500円 |
将来介護費 | 1 億 3441万1340円 |
休業損害 | 239万1868円 |
逸失利益 | 7244万1811円 |
慰謝料 | 3550万円 |
症状固定後の治療関係 | 707万 5775円 |
将来雑費 | 1556万 4870円 |
家屋改造費用 | 2370万円 |
車両改造費 | 421万 2313円 |
介護用品代(介護ベッド等) | 453万 2876円 |
損害のてん補 | - 5014万 6686円 |
既払金に対する遅延損害金 | 210万円 |
被害者の両親固有の慰謝料(2名分) | 660万円 |
弁護士費用 | 2670万円 |
※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。