自転車同士の事故で相手が怪我したら損害賠償請求される?過失割合は?
目次
Q1.自転車同士の事故で相手が怪我したら治療費を支払うべき?
ご自身に過失が少しでもあるのであれば、その過失割合に応じて治療費などの損害賠償を相手に対して支払わなければなりません。過失割合とは、事故の原因となった不注意(過失)の程度を示したものです。
相手が怪我をしたとしても、ご自身にまったく過失がなかったのであれば相手に治療費を支払う必要はありません。また、このようなケースで自分の自転車が壊れたような場合には、むしろ自転車の修理費用などを相手に請求することができます。
治療費を支払うべきかどうかは、相手の怪我の有無ではなく、自身の過失の有無で決まります。
Q2.事故相手から請求されたものすべて支払う必要はある?
ご自身に過失があるのであれば、過失割合に応じた分の損害賠償を支払う必要があります。
また、そもそも請求される項目が「事故が原因で損害を受けたもの」であることが前提となっています。事故との因果関係が認められない項目は、損害賠償として請求することはできません。
Q3.自転車事故における事故類型ごとの過失割合は?
車両同士の事故における過失割合は、過去の民事裁判の判例を記載した「別冊 判例タイムズ」という書籍で確認することができます。一方、自転車同士の事故における過失割合は、判例タイムズには記載されてません。
もっとも、日弁連交通事故相談センター東京支部過失相殺研究部会が自転車同士の事故の過失相殺基準(試案)を公開していますので、そちらの過失割合を一部、紹介します。
事故類型 | 自転車同士 | |
---|---|---|
A | B | |
一時停止のある交差点の出合い頭衝突 | 30 | 70 |
一時停止のある丁字路の衝突 | 25 | 75 |
交差点の出合い頭衝突 | 左方45 | 右方55 |
丁字路の衝突 | 直進40 | 右左折60 |
追越車と被追越車 | 先行0 | 後続100 |
進路変更車と後続直進車 | 先行60 | 後続40 |
日弁連交通事故相談センター東京支部過失相殺研究部会
Q4.自転車同士の事故の過失割合と損害賠償の関係は?
過失があると過失割合分に応じて相手に請求できる損害賠償額から減額されることになります。これだけではイメージが付きにくいと思うので、具体例から過失割合と損害賠償の関係を見てみます。
過失割合9対1でお互いに100万円の損害を受けた場合は、以下のような損害賠償を相手に対して請求することができます。
A | B | |
---|---|---|
過失割合 | 10 | 90 |
損害額 | 100万円 | 100万円 |
↓ | ||
請求可能額 | 90万円 | 10万円 |
自己負担額 | 10万円 | 90万円 |
Q5.自転車同士の事故で有効な保険はある?
自転車保険が主にあげられます。もっとも、保険の強制加入が義務付けられている自動車と違って、自転車の保険加入は地方自治体ごとの条例にゆだねられています。
ほかにも、自動車保険や火災保険に付帯する個人賠償責任保険(日常生活賠償特約)、TSマーク付帯保険などもあげられます。
自転車事故の示談交渉でお困りなら弁護士に相談
後ろから突然、追突されたにもかかわらず相手の方が怪我を負ったために損害賠償を請求されている…といったことでお困りの方は一度、弁護士に相談してみることをおすすめします。
自転車事故の過失割合は複雑で、示談交渉で争われやすい点です。交通事故を専門的にあつかう弁護士に依頼することで、専門性をもった主張で交渉に当たってくれるでしょう。
とはいってもどうやって弁護士を探したらいいのか分からない…とお困りの方は、以下の「全国弁護士検索」をお使いください。お住いの近くに交通事故を専門的にあつかう弁護士がいるかどうか簡単に検索することができます。
※自転車事故に関する相談を受け付けているかは法律事務所ごとに異なりますのでご注意ください。
どの弁護士も無料相談を実施しているので気軽に相談がはじめられます。ぜひお試しください。
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。