【交通事故】遅延損害金の請求方法|起算日はいつ?慰謝料につく?裁判必要?

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【交通事故】遅延損害金の請求方法|起算日はいつ?慰謝料につく?裁判必要?

交通事故では遅延損害金請求できる場合があるって聞いたけれど計算方法起算日はどうなっているの?」

「交通事故の慰謝料などの損害賠償金は遅延損害金が付くとどれ位増額するの?」

「交通事故では裁判をしないと遅延損害金が認められないって本当?」

交通事故の慰謝料などの損害賠償金には、遅延損害金を付けて請求できますが、そのこと自体を知らない方や計算方法を知らない方もいるかと思います。

このページでは、そんな方のために、

  • 交通事故の遅延損害金の計算方法
  • 慰謝料などの損害賠償金は遅延損害金が付くとどれ位増額するか
  • 交通事故では裁判をしないと遅延損害金が認められないのか

についてご説明していきたいと思います!

専門的な部分や実務的な部分は交通事故と刑事事件を数多く取り扱っている岡野弁護士に解説をお願いしております。

弁護士の岡野です。よろしくお願いします。

交通事故では遅延損害金が請求できますが、そのことや正確な計算方法を知っておかないと、受け取れる慰謝料などに差が出る可能性があります。

慰謝料などの損害賠償の金額が高額で、解決までに時間が掛かっている場合、遅延損害金はかなりの高額になる場合もあります。

また、実際に遅延損害金を受け取れるようにするための方法についてもお伝えしていきたいと思います。

こちらで交通事故の遅延損害金についてしっかり理解し、適正な損害賠償を受けられるようにしましょう。

そもそも、交通事故における遅延損害金とは何かやその計算方法について、よくご存じでない方も多いかと思います。

実は、交通事故における遅延損害金を計算するための起算日には間違えやすいところもあるので注意が必要なんです!

そこで、まずは交通事故における遅延損害金の計算方法について、できるだけわかりやすくお伝えしていきたいと思います。

交通事故の遅延損害金の計算方法について

交通事故の遅延損害金の計算方法について

交通事故の遅延損害金とは何か

交通事故における慰謝料などの損害賠償は、金銭の支払という形で行われます。

そして、民法上、金銭債権には当然に、履行期(起算日)から法定利率である年5%遅延損害金の損害賠償請求を認めています。

(金銭債務の特則)

1 金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、法定利率によって定める(以下略)。

2 前項の損害賠償については、債権者は、損害の証明をすることを要しない。

3 第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。

(法定利率)

利息を生ずべき債権について別段の意思表示がないときは、その利率は、年五分とする。

金銭は、手元にあれば運用により利益を得られるところ、履行の遅延によるその機会の喪失を補填するため、遅延損害金の請求が認められます。

そして、民法上、金銭が手元にあれば、法定利率程度の利益は得られるものとして、遅延損害金の利率も法定利率の年5%としています。

ただし、この利率は銀行に定期預金で預けても金利が0.01~0.05%程度の現状に一致していないという声もあるようです。

そのため、現在の法定利率である年5%は、民法改正により、当面年3%に変更され、近日中の施行が予定されています。

※追記:改正民法の施行日は2020年4月1日になりました。

この法定利率の改正により生じる遅延損害金の差については、後ほど詳しく説明いたします。

交通事故の遅延損害金の起算日

交通事故遅延損害金計算方法について、現状年5%とすることはお分かりいただけたかと思います。

もっとも、交通事故の遅延損害金は、起算日となる損害賠償請求権の履行期がわからなければ、実際に計算することはできません。

では、交通事故の遅延損害金の起算日となる損害賠償請求権の履行期はいつになるのでしょうか?

交通事故の慰謝料などの損害賠償請求は、法的には不法行為によりこうむった損害の賠償請求ということになります。

そして、不法行為に基づく損害賠償請求権の履行期については、以下の確定した最高裁判例があります。

不法行為によりこうむつた損害の賠償債務(略)は、損害の発生と同時に、なんらの催告を要することなく、遅滞に陥るものと解するのが相当である。

端的に言うと、交通事故の遅延損害金の起算日は、交通事故が発生した日の当日ということになります。

先ほどお伝えしたとおり、遅延損害金は金銭を受け取れるはずの時期に受け取れなかったことによる損害を補填するためのものです。

そして、不法行為によりこうむった損害は、損害が発生する原因となる不法行為の時点で、賠償のための金銭を請求する権利が発生します。

これを不法行為のひとつである交通事故において考えると、交通事故が発生した時点で、賠償のための金銭を請求する権利が発生することになります。

そのため、交通事故の遅延損害金の起算日は、交通事故日ということになります。

遅延損害金の起算日は後遺障害の損害も事故日

ここまでの説明で、ある疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。

それは、交通事故遅延損害金起算日後遺障害による損害についてはどうなるのかということです。

先ほどの説明だと、賠償のための金銭を請求する権利が発生した時点が遅延損害金の起算日になるはずです。

しかし、ご存知の方もいるかもしれませんが、実務上、後遺障害による損害を請求できるのは、症状固定をし(、等級が認定され)た時点になります。

そうだとすれば、交通事故の遅延損害金の起算日も、後遺障害による損害については症状固定日ということになるのでしょうか?

結論から言うと、交通事故の遅延損害金の起算日は、後遺障害による損害についても交通事故日ということになります。

後遺障害による損害も、交通事故が原因で発生している以上、交通事故日の時点で、賠償のための金銭を請求する権利が発生していると考えるようです。

とはいえ、交通事故日の時点では、どのような後遺障害が残ることになるかは通常わかりません。

にもかかわらず、事故の瞬間に後遺障害による損害が発生したと見なし、事故後直ちに賠償されるべきものであったと評価するのは不思議な気もします。

もっとも、このような取り扱いになっていることは、交通事故の被害者にとっては有利といえます。

遅延損害金の起算日は弁護士費用の分も事故日

では、交通事故遅延損害金起算日弁護士費用による損害についてはどうなるのでしょうか?

交通事故が発生しても、必ず弁護士を依頼するとは限りませんし、依頼をする場合においても、弁護士費用を支払うタイミングは様々です。

そうだとすれば、交通事故の遅延損害金の起算日も、弁護士費用については交通事故日でなくなるのでしょうか?

結論から言うと、交通事故の遅延損害金の起算日は、弁護士費用についても交通事故日ということになります。

この問題につき、最高裁判例は以下のように述べています。

弁護士費用に関する前記損害は、(略)その余の費目の損害と同一の不法行為による身体傷害など同一利益の侵害に基づいて生じたものである場合には一個の損害賠償債務の一部を構成するものというべきであるから(略)、右弁護士費用につき不法行為の加害者が負担すべき損害賠償債務も、当該不法行為の時に発生し、かつ、遅滞に陥るものと解するのが相当である。

つまり、弁護士費用に関する損害も、一つの交通事故の損害賠償債務の一部を構成するもののため、遅延損害金の起算日でも同様に扱うということです。

後遺障害の場合同様、少し不思議な気もしますが、このような取り扱いになっていることは、交通事故の被害者にとっては有利といえます。

交通事故の遅延損害金の計算方法
項目 数値 備考
利率 5 3%に改正予定
起算日 交通事故日 ・後遺障害の損害も事故日
・弁護士費用の分も事故日

訴状の遅延損害金の記載|自賠責の扱いに注意

ここまで交通事故における遅延損害金計算方法について、利率起算日を確認してきました。

では、裁判を起こした場合、実際に訴状にはどのように遅延損害金の請求について記載すればいいのでしょうか?

まず、基本的な訴状における請求の趣旨の記載方法は、以下のようになります。

被告は、原告に対し、金〇〇円(損害賠償金元本)及びこれに対する平成〇〇年〇月〇日(交通事故日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え

交通事故の裁判では弁護士費用を請求することも多いですが、先ほどお伝えしたとおり、遅延損害金の起算日を区別する必要はありません。

ただし、以下のとおり、自賠責から裁判前に損害賠償額の一部を受領している場合の訴状の遅延損害金の記載については注意が必要になります。

自賠責から損害賠償受領済の場合

自賠責から裁判前に損害賠償額を受領した場合、これを受領時点までの遅延損害金や元本にどう充当するかにより、請求の趣旨が変わってきます。

自賠責から受領した損害賠償額の充当方法について、最高裁判例は以下のように述べています。

本件自賠責保険金等によっててん補される損害についても、本件事故時から本件自賠責保険金等の支払日までの間の遅延損害金が既に発生していたのであるから、本件自賠責保険金等が支払時における損害金の元本及び遅延損害金の全部を消滅させるに足りないときは、遅延損害金の支払債務にまず充当されるべきものであることは明らかである(民法491条1項参照)。

最高裁は、民法第491条1項の法定充当の定めに従い、自賠責から受領した損害賠償額は事故時から受領日までの遅延損害金にまず充当されるとしました。

この最高裁判例に従うと、訴状における請求の趣旨の記載方法(計算方法)は、以下のようになります。

  1. ①  弁護士費用を除く損害賠償総額に対する自賠責からの損害賠償金受領日までの遅延損害金を計算する
  2. ②  損害賠償総額+(損害賠償総額に対する)遅延損害金-自賠責からの損害賠償金を(弁護士費用を除く)請求する損害賠償金の元本とする
  3. ③  ②の元本の遅延損害金の起算日を自賠責からの損害賠償金受領日の翌日とする
  4. ④  弁護士費用については別途請求する損害賠償金の元本とし、こちらの遅延損害金の起算日は交通事故日とする

文章だけだとわかりにくいかと思いますので、具体例を挙げて説明したいと思います。

具体例
  • 弁護士費用を除く損害賠償総額が1億円
  • 交通事故日は平成26年7月1日
  • 平成27年6月30日(交通事故日の1年後)に自賠責保険から損害賠償金2000万円を受領

以上のケースでは、訴状における請求の趣旨の記載方法(計算方法)は、以下のようになります。

  1. ①  弁護士費用を除く損害賠償総額に対する自賠責からの損害賠償金受領日までの遅延損害金は、1億円×5%=500万円
  2. ②  (弁護士費用を除く)請求する損害賠償金の元本は1億円+500万円-2000万円=8500万円
  3. ③  ②の元本の遅延損害金の起算日は自賠責からの損害賠償金受領日の翌日である平成27年7月1日
  4. ④  弁護士費用850万円(②の1割)を別途請求する損害賠償金の元本に加え、こちらの遅延損害金の起算日は交通事故日である平成26年7月1日

これを具体的に訴状に記載すると以下のようになります。

被告は、原告に対し、金9350万円及びうち8500万円に対する平成27年7月1日から、うち850万円に対する平成26年7月1日から、いずれも支払済みまで年5分の割合による金員を支払え

上記の例で、自賠責から受領した損害賠償金をすべて賠償金の元本に充当してしまうと、請求元本が8800万円になってしまいます。

遅延損害金の起算日や自賠責から受領した損害賠償額をまず遅延損害金に充当しないと、過小請求になってしまうので、十分注意しましょう。

お伝えした、遅延損害金の計算方法は複雑であり、一般の方ですと正直難しい部分もあるかと思います。

誤って過小請求にならないようにするには、裁判を起こすための訴状の作成を弁護士などの専門家に依頼したほうが確実と考えられます。

慰謝料等は遅延損害金でどれ位増額する?

慰謝料等は遅延損害金でどれ位増額する?

では、具体的に交通事故慰謝料などの損害賠償は、遅延損害金が付くとどれ位増額するのでしょうか?

ここまでお伝えしてきた、交通事故の遅延損害金の計算方法を簡単にまとめると以下のようになります。

交通事故の遅延損害金の計算方法

損害賠償金×5%×交通事故日から賠償金支払日までの期間/365

上記計算方法からもわかるとおり、損害賠償金が高額なほど、交通事故日から賠償金支払日までの期間が長いほど、遅延損害金は高額になります。

もっとも、文章だけだと、慰謝料などの損害賠償金総額が遅延損害金でどれ位増額するかイメージが付きにくいかもしれません。

そこで、具体例を二つほど挙げて、慰謝料などの損害賠償金総額が遅延損害金でどれ位増額するか見ていきたいと思います!

現在の民法の遅延損害金の利率で計算した場合

具体例①

  • 損害賠償金は100万円
  • 交通事故日は平成25年4月1日
  • 賠償金支払日は平成26年3月31日(交通事故日から1年(365日)後)

以上のケースにおける遅延損害金は、

100万円×5%×1(365/365)=5万円

になります。

勿論5万円でも、増額できるのであれば被害者としては嬉しいですが、これ位であれば、そこまでこだわらないという方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、以下の具体例のような場合ならどうでしょう。

具体例②

  • 損害賠償金は1億円
  • 交通事故日は平成25年4月1日
  • 賠償金支払日は平成27年3月31日(交通事故日から2年(730日)後)

以上のケースにおける遅延損害金は、

1億円×5%×2(365/365)=1000万円

になります。

損害賠償金総額が、遅延損害金で1000万円も増額するのであれば、被害者にとって遅延損害金が認められるかどうかは非常に大事ですよね。

実際に、死亡事故や重い後遺障害が残る事故では、損害賠償総額が1億円を超えることもそう珍しいことではありません。

また、死亡事故や重い後遺障害が残る事故では、賠償問題が解決し、実際に賠償金が受領できるまでに2~3年掛かることも珍しくありません。

つまり、上記の具体例のように、遅延損害金が1000万円を超えるような高額になることも決して珍しいことではないといえます。

改正後民法の遅延損害金の利率で計算した場合

上記は、現在の遅延損害金の利率である年5%で計算した金額になります。

しかし、先ほどお伝えしたとおり、民法改正により、近い将来遅延損害金の利率は当面年3%に引き下げられます。

追記:改正民法の施行日は、2020年4月1日となりました。

では、上記の具体例を改正後民法の利率で計算した場合の遅延損害金は、現行の民法の利率で計算した遅延損害金とどれ位差が出るのでしょうか?

具体例①

  • 損害賠償金は100万円
  • 交通事故日は平成25年4月1日
  • 賠償金支払日は平成26年3月31日(交通事故日から1年(365日)後)

以上のケースにおける遅延損害金を改正後民法の利率で計算すると、

100万円×3%×1(365/365)=3万円

になります。

現行の民法の利率で計算した遅延損害金とは5万円-3万円=2万円の差になり、これ位であれば、そこまで大きな差を感じないかもしれません。

しかし、上記の具体例②と同様の場合ならどうでしょう。

具体例②

  • 損害賠償金は1億円
  • 交通事故日は平成25年4月1日
  • 賠償金支払日は平成27年3月31日(交通事故日から2年(730日)後)

以上のケースにおける遅延損害金を改正後民法の利率で計算すると、

1億円×3%×2(365/365)=600万円

になります。

現行の民法の利率で計算した遅延損害金とは1000万円-600万円=400万円の差になり、これ位差が大きいと、改正の影響を感じるかと思います。

交通事故における遅延損害金の額
具体例 現行民法
(年5%)
改正民法
(年3%)
改正による遅延損害金の差
・損害賠償金100万円
・賠償金支払日事故から1年後
5万円 3万円 2万円
・損害賠償金1億円
・賠償金支払日事故から2年後
1000万円 600万円 400万円

仕方のないこととはいえ、改正により受け取れる遅延損害金が減ってしまうのは、被害者からすると残念な気がしますね・・・。

確かに、民法改正による法定利率の引き下げは、被害者にとって遅延損害金の面ではマイナスになります。

しかし、逸失利益の面では、差し引かれる中間利息の利率が引き下げられる結果、現在よりも受け取れる逸失利益の金額が増えるプラスの面もあります。

逸失利益は損害賠償において大きな割合を占めるため、賠償総額で考えると、民法改正により受け取れる金額が増えるケースも多いと考えられます。

そうなんですね!

もっとも、注意しなければいけないのは、改正民法がいつ施行されるか、平成30年1月時点では正式には決まっていないということです。

追記:改正民法の施行日は、2020年4月1日に決まりました。

今後もし、交通事故の被害者になってしまった場合には、改正前後のどちらの民法が適用されるかよく確認する必要がありますね。

交通事故が物損であっても遅延損害金は請求可

なお、忘れてしまいがちかもしれませんが、交通事故物損であっても遅延損害金は当然請求できます。

物損の場合、損害賠償総額が人身事故に比べて低いことが多いため、遅延損害金もそれほど高額にはならないことも多いです。

とはいえ、交通事故にあった車が高級車だった場合など、物損でも損害賠償総額が数百万もの高額に上る場合もあります。

何より、たとえ物損で少額の場合であっても、遅延損害金の請求は被害者の立派な権利です。

交通事故が物損であっても、遅延損害金を請求できるということは頭の片隅に入れておきましょう。

裁判以外遅延損害金請求は認められない!?

裁判以外遅延損害金請求は認められない!?

お伝えしたとおり、交通事故における遅延損害金請求は被害者に認められた権利になります。

しかしながら、裁判をしないと遅延損害金の請求はなかなか認められないようなのです。

いったいどういうことなのか、詳しく見ていきましょう。

保険会社は遅延損害金を示談で通常支払わない

交通事故では、いきなり裁判はせず、まずは保険会社と示談交渉をする場合がほとんどになります。

しかし、保険会社は遅延損害金を示談で支払ってくれることは通常ありません。

では、遅延損害金が示談交渉において考慮されることは一切ないのでしょうか?

まれにではありますが、加害者が刑事処分の関係で早期の示談を希望している場合には、示談においても遅延損害金が支払われる場合があります。

また、実務上は、遅延損害金の請求を放棄する代わりに、慰謝料等別の損害賠償の項目の増額を求めることがあります。

このように、遅延損害金自体は認められないとしても、遅延損害金の存在を示談交渉の材料として利用できる余地はあります。

裁判でも遅延損害金は和解だと含まれない?

また、交通事故裁判を提起したとしても、遅延損害金訴訟上の和解で終結した場合には含まれないことが多かったようです。

もっとも、以下のツイートのとおり「調整金」として遅延損害金の一部が加味されることもあるようです。

ただし、調整金にどれ位の割合の遅延損害金が含まれるかは、事案や裁判をする地域などにより様々なようです。

また、最近では被害者側が請求の姿勢を貫けば、訴訟上の和解でも遅延損害金を認めるケースが増えてきています。

訴訟上の和解においても、最初から諦めずに遅延損害金を請求する意思を示すことが重要です。

遅延損害金請求が認められるには判決まで必要

つまり、遅延損害金請求が確実に認められるためには、判決までもらうことが交通事故においては必要ということになります。

遅延損害金は判決が下され、実際に損害賠償金が支払われる日の分まで認められるので、先ほどお伝えしたとおり、非常に高額な場合もあります。

では、裁判を起こした場合には、遅延損害金のため、訴訟上の和解で終結させるのではなく、必ず判決までもらうべきなのでしょうか?

判決であれば、遅延損害金は認められますが、損害賠償額が低く認定され、受け取れる損害賠償金総額がかえって低くなるというリスクもあります。

一方、訴訟上の和解であれば、受け取れる損害賠償金総額を予め把握できるので、どちらがいいかというのはあくまでケースバイケースになります。

そして、実際の裁判において、どちらの方法で解決したほうがいいかにつき、適切な判断をするには、専門家である弁護士依頼するのが確実です。

遅延損害金が認められる解決手段
解決手段 遅延損害金 備考
示談 × 交渉材料に利用できる場合あり
訴訟上の和解 ・調整金名目で実質的に一部認められる

・最近では認められるケースもあり

判決 賠償金総額が他の手段より減るリスクあり

交通事故の遅延損害金に関し弁護士に相談したい方へ!

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最後に一言アドバイス

それでは、最後になりますが、交通事故でお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。

交通事故の遅延損害金はかなりの高額になる場合もありますので、正確な計算方法や起算日、訴状での請求の仕方などを理解しておく必要があります。

もっとも、現実に遅延損害金を受け取れるようにするには、原則として裁判を提起し、判決までもらう必要があるなどかなりの困難が予想されます。

交通事故の遅延損害金をしっかり請求し、損害賠償金として受け取りたいという方は、専門家である弁護士に依頼するのが望ましいと考えられます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

このページを最後までお読みの方は、

  • 交通事故の遅延損害金の計算方法
  • 慰謝料などの損害賠償金に遅延損害金が付いた場合の増額幅
  • 交通事故では裁判をし、判決までもらわないと原則として遅延損害金が認められないこと

について理解を深めていただけたのではないかと思います。

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また、このホームページでは、交通事故に関する関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてください!

皆さまのお悩みが早く解決するよう、お祈りしています。

交通事故の遅延損害金についてのQ&A

交通事故の遅延損害金とは?

民法上、交通事故における慰謝料などの損害賠償に対しては、起算日から年5%(2020年4月1日から年3%)の利息の請求が認められています。この利息が遅延損害金です。ちなみに交通事故の遅延損害金の起算日は、交通事故が発生した日の当日になります。 交通事故の遅延損害金の計算方法について

民法改正で遅延損害金はどう計算される?

2020年4月1日から民法改正により、遅延損害金の利率は年3%に引き下げられます。そのため、遅延損害金は「損害賠償金×3%×交通事故日から賠償金支払日までの期間/365」という計算方法に変更されます。 改正後民法の法定利率で計算

遅延損害金が認められないケースがある?

残念ながらあります。遅延損害金が認められない主なケースは示談による解決です。保険会社は遅延損害金を示談で支払うことは通常ありません。裁判の和解で終結した場合も、遅延損害金が含まれず「調整金」という名目で遅延損害金の一部が加味されることもあります。遅延損害金を認めてもらうには、裁判の判決が必要です。もっとも、どのような解決手段が一番適切であるか判断するには、弁護士に相談することをおすすめします。 裁判以外で遅延損害金は通常、認められない

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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