後遺障害の認定までの期間は?交通事故の後遺障害を申請から認定まで大解剖!
交通事故の後遺症について、事故から補償を受けられるまでにどれくらいの期間がかかる?
保険会社に後遺症の申請をお願いしたが、いつまでたっても結果がでず不安・・・
自賠責損害調査事務所の審査自体は、どれくらいの期間を要する?
このページをご覧のあなたは、このようなことでお悩みではありませんか?
交通事故での後遺症に関する補償を受けるまでの期間についてお悩みの方も多いですよね?この期間は、「症状固定までの期間」と「後遺障害の認定までの期間」の2つに大別できます。このページでは、後遺症の補償までの期間を2つに分けご説明いたします。
目次
事故から治療終了(症状固定)までの期間
治療の終了⇒症状固定とは?
ケガについて治療を継続してきたにもかかわらず、それ以上治療を継続しても症状が改善または悪化しない状態に落ち着くことがあります。例えば、多いのが、むちうち症を負い、数ヵ月通院したが一定以上症状が改善しない、といったケースです。
このような状態のことを一般に、症状固定といいます。
交通事故でおケガを負ってしまった場合、まず初めに専念すべきことは、当然病院に行き医師から診断を受け、その後医師の指示による治療を一定期間継続することです。この適切な治療を継続することが、後に補償を受ける上で、非常に重要となります。
なぜなら、保険会社からの治療に関係する補償金額は、治療期間や実入通院日数に左右されるからです。
また、治療後に後遺症が残った場合、補償を受けるためには適切な治療を継続していたことが前提になります。
症状固定までの期間は?
治療が終了して症状固定と診断されるまでに要する治療期間は、もちろん個別のケガによって異なります。ですので一概にはっきりした期間を申し上げることはできません。
しかし、特に数ヵ月間通院しても痛みや痺れといった症状が改善しない場合、実務上一般的に目安とされるのが、6ヵ月程度といわれています。
ただ、例えばむちうちの場合には、保険会社から3ヵ月未満で通院治療費打ち切りの打診があることが多いです。この場合でも、まだ痛みが残っているなら医師に治療を継続して改善する見込みがあるか相談して、可能性があるなら治療を続けるべきでしょう。
後遺障害の申請から認定までの期間とは?
後遺症の認定機関とその申請方法
後遺症を認定する機関は?
事故後の後遺症について、後遺症の審査をするのは、第三者機関である損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所というところになります。この事務所では、自賠責保険で支払われる保険金額のチェックといった業務を行っており、その前提として、後遺障害の認定もこの事務所が行っているのです。
通常、後遺障害の申請は、保険会社が窓口となりますが、一方当事者である保険会社が被害者の後遺症を認定しているわけではありません。もしそうであれば、実際にお金を支払う保険会社が判断することになり、公平性が保てませんから当然といえば当然といえます。
後遺障害の認定機関は? | 申請の窓口 |
---|---|
損害保険料率算出機構 (自賠責損害調査事務所) | 多くは ・自賠責保険会社 ・任意保険会社 |
代表的な申請方法2つ
後遺症の申請をする方法として、一般的に2種類あります。
事前認定による申請
相手側の保険会社が、自賠責保険の補償額も含め一括して被害者に支払う方法を行うために損害額を確定させるため、多くの場合後遺障害の申請も全て相手側の保険会社が代行する方法となります。
被害者請求による申請
こちらは、自賠責保険会社に対して、被害者側から後遺障害の申請をする方法になります。以下の特徴にもありますが、被害者の手間が増える反面、ケースによっては充実した補強資料を提出することも可能です。
両者の特徴は?
事前認定の場合、任意保険会社が必要な書類を全て収集し申請くれるので、被害者の手間が省けます。
これに比べて、被害者請求では、必要書類を全て被害者で揃えた上で申請することになります。このため、被害者にとって資料収集の手間が増え、資料によっては発行料金が発生することがあります。
しかし、事前認定の方法ですと保険金を支払う保険会社が後遺症の申請をすることになり、保険会社が通常必要最低限の資料に基づき申請するので、後遺症の認定が微妙なケース、後遺症について争いがあるケースでは、不利になることがあります。
また、事前認定によると通常必要最低限の資料に基づき申請するので、後遺症の認定が微妙なケース、後遺症について争いがあるケースでは、不利になることがあります。
どちらの手続かによって認定までの期間は変わる?
- 審査期間は?
これらの手続は、後遺障害の申請を誰が行うかといった点の違いです。
後遺障害の申請について、被害者請求にて行うか事前認定にて行うかによって、後遺症の審査の期間(申請してから認定結果がでるまでの期間)は変わりません。一般的な審査期間についてや統計は、以下「後遺障害の審査にかかる期間は?」にてご紹介いたします。
- 申請までの準備期間は?
審査期間自体は変わらないとしても、申請までの準備期間は、どの方法をとれば最も短くなるかについてケースバイケースとなることが多いです。そこで以下では、準備に時間がかかってしまう主な要因について、「実際に申請されるまでの準備期間」で簡単にご紹介します。
被害者請求 | 事前認定 | |
---|---|---|
主体 | 被害者 | 多くは相手加害者の任意保険会社 |
メリット | 非該当の可能性があるケース・複雑な障害のケースについては、補強資料を提出することが可能 | 被害者にとって手間が少ない |
デメリット | 被害者の手間が多い | 必要最低限の資料のみ提出 |
審査にかかる期間について
後遺症の審査にかかる期間は?
後遺症の申請について、審査・認定は自賠責損害調査事務所で行われることになります。そして、申請から認定結果が出るまでの審査期間は、多くは1か月程度、審査に時間を要するケースについては3ヵ月以上かかることもあるようです。
そうすると、この後遺症の申請から認定までにかかる期間(審査期間)に、上記した怪我から症状固定に至るまでの治療期間と、申請までにかかる準備期間をあわせると、数ヵ月から長くて1年以上かかることもある計算になります。
このように治療開始から後遺障害の認定結果が出るまでの期間は、そのケースごとに大きな開きがあります。
【ご参考】
以下に、自賠責損害調査事務所が被害者請求による申請に対して、後遺障害の認定を含む損害調査に要した期間の統計を示します。申請を受けてから1か月以内に完了している件が8割近くにのぼることが分かります。
認定に要する損害調査期間 | 申請に占める割合 |
---|---|
30日以内 | 78.4% |
31~60日 | 11.6% |
61~90日 | 5.5% |
91日超 | 4.5% |
参照元:損害保険料率算出機構「2018年度 自動車保険の概況」
実際に申請されるまでの準備期間
治療や審査期間以外で、認定までに時間がかかる要因として、他には症状固定してから申請するまでの準備期間が考えられます。結果通知までに時間がかかっている場合には、申請の準備が滞っている可能性もあります。
なお、申請に必要となる資料には、後遺障害診断書、後遺症の存在を示す検査結果(MRI、X線画像、その他各種検査結果や報告書)の他、事故についての書類も含まれます。
事前認定の場合
事前認定の場合、保険会社の担当者のかかえる案件数や対応を怠っていることによって、調査事務所に申請する前の準備に長時間かかってしまうこともあります。
被害者請求の場合
被害者請求の場合には、被害者自身が資料を集める必要から、手間どる可能性がありますが、準備の期間は自身で管理できます。また、弁護士に依頼した場合には、弁護士による資料収集や検討時間といった準備の時間が必要となります。
いずれにしても、認定結果が出るまでに長期間かかっている場合、まだ申請の手続きがされず準備が滞っていることも考えられますので、保険会社担当者や弁護士に確認する必要があります。
後遺症の申請について適切な時期や期間をお知りになりたい場合、まずは交通事故に強い弁護士に相談してみるとよいでしょう。
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後遺障害の認定までの期間についてのQ&A
「症状固定」ってどのような状態のこと?
症状固定とは、「それ以上治療を継続しても症状が改善または悪化しない状態」のことを指します。例えば、多いのが、むちうち症を負って数ヵ月通院したにもかかわらず一定以上症状が改善しない、といったケースです。治療を開始してから症状固定を迎えるまでの期間は、個別の怪我によって変わります。 治療の終了・症状固定とは?
後遺障害認定の申請先はどこ?
通常、後遺障害の申請は保険会社が窓口となりますが、当事者である保険会社が被害者の後遺障害を認定しているわけではありません。後遺障害認定は、第三者機関である損害保険料率算出機構の「自賠責損害調査事務所」というところが行っています。 後遺症の認定機関とその申請方法
後遺障害認定の審査にかかる期間は?
申請から認定結果が出るまでの審査期間は、多くは1ヵ月程度、審査に時間を要するケースについては3ヵ月以上かかることもあるようです。審査期間の長さはケースによって大きく異なりますが、8割近くが1ヶ月以内に完了しています。 後遺障害が認定されるまでの期間を解説
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
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第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。