交通事故で診断書を警察に提出しないとどうなる?損害賠償がもらえない?

Q1.交通事故で診断書を警察に提出しないとどうなる?

人身事故として処理されなくなってしまいます。交通事故で怪我を負ったのにも関わらず、警察に診断書を出さなければ物損事故扱いで処理されることになります。

警察へ診断書を提出する期限はとくに設けられていません。しかし、事故からあまりにも時間が経過していると、交通事故と怪我の因果関係が明確でなくなるので受付けてもらえなくなる可能性が高まります。
物損事故から人身事故への切り替えを検討している方は、できるだけ早く警察に診断書を提出しましょう。

Q2.警察に診断書を提出しないで生じるリスクは?

適正な損害賠償を得られなくなるリスクが高まります。警察に診断書を提出しないと物損事故のままあつかわれるので、怪我があっても物損部分の補償しか原則として得られないということになります。

また、過失割合についてもめた場合、物損事故では事故の状況を詳しく記録した実況見分調書が作成されないので適正な過失割合を主張することができなくなってしまいます。過失割合が多く認められてしまうと、請求できる損害賠償の金額が減ってしまいます。

Q3.診断書は整骨院ではなく病院のものにすべき?

病院の医師が作成した診断書にすべきです。怪我の治療の一環として整骨院に通うこともあるかと思いますが、整骨院の施術は正確には医療行為ではないので「診断書」を作成することができません。

診断書は必ず、整形外科など病院の医師に作成してもらうようにしてください。

Q4.診断書は保険会社にも提出しないといけない?

保険会社に損害賠償請求する場合に診断書の提出が必要です。

相手方の自賠責保険に対してご自身で損害賠償請求する場合は、その自賠責保険に診断書を提出する必要があります。これを被害者請求といいます。

また、相手方が任意保険に加入しているもののご自身で治療費を立て替えていたというような場合には、任意保険会社に診断書などの資料を提出する必要があります。もっとも、相手方の任意保険が対応してくれている場合は一括対応が行われることが多く、病院と保険会社が直接やり取りしてくれるので、ご自身で改めて保険会社に診断書を提出する必要はないでしょう。

Q5.診断書と後遺障害診断書は別物?

診断書と後遺障害診断書は別物です。後遺障害診断書とは、交通事故の怪我を原因として何らかの障害が残ったことを示す特別な診断書です。後遺障害等級の申請に際して必須で用いられるものです。

診断書の作成には文書料を病院に支払う必要があるのですが、自賠責保険に提出する診断書が全国平均で4800円程度なのに対して、後遺障害診断書が全国平均で6000円程度となることから、後遺障害診断書が特別であることがお分かりいただけると思います。

後遺障害診断書の作成を医師に依頼する場合は、診断書ではなく「後遺障害診断書」を作成してほしい旨を伝えるようにしましょう。

交通事故で診断書を提出すべきか悩んでいるなら弁護士相談

事故相手によっては、「人身部分の損害もきちんと補償するので診断書を警察に提出せずに物損事故のままにしてほしい」とお願いしてくる方もいます。物損事故のままでも適正な損害賠償が支払われる確約があるのであれば、手間などを考えて物損のまま進めるのも一つの方法です。しかし、そのような場合以外では、さまざまなリスクが生じる可能性があることを認識しておく必要があります。

お怪我を負われているのであれば被害者の方にとって物損事故にするメリットはほぼないのですが、どうしても人身事故への切り替えに踏み切れないという方は、弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士に状況を説明して、どのような対応をとっていくのが一番良いのかアドバイスがもらえるでしょう。
こちらの窓口は、弁護士による無料相談を案内しています。24時間365日いつでも受付中なので、ご自身の都合に合わせて利用いただけます。ぜひお試しください。

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※無料相談の対象は人身事故のみです。
物損事故のご相談はお受けしておりません。

この記事の監修弁護士

岡野武志弁護士

アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階

第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。

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