交通事故で遷延性意識障害に…弁護士に依頼して適切な慰謝料を獲得しよう!
遷延性意識障害という症状をご存知でしょうか。
植物状態と言えば、ピンと来る方も多いかもしれません。
「植物」に例えることに抵抗を覚える人もいたため、近年では「遷延性意識障害」と表現されることが多くなっているそうです。
この遷延性意識障害…約半数は交通事故が原因で生じているそうなのです。
もしも家族や友人が交通事故で遷延性意識障害になってしまった場合。
意識は回復するのか…それはいつなのか…心配でたまりませんよね。
そのうえ、
- 遷延性意識障害は、交通事故の後遺症として認定されるのだろうか
- 保険会社から提示された示談金は適正なのだろうか
- 本来はどれくらいの慰謝料が請求できるのだろうか
と、わからないことだらけでお悩みの方も多いハズです。
このページでは、そのようなお悩みをお持ちの方に向けて!
遷延性意識障害の基礎知識から、慰謝料を請求する際の注意点までを詳しく見ていきたいと思います。
目次
なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
遷延性意識障害になってしまった場合、ご本人だけでなく、ご家族への負担も非常に大きいものとお察しします。
実際に、遷延性意識障害の後遺症でお悩みの方からの相談も数多く受けてきました。
その経験も踏まえ、具体例も含め、わかりやすく解説していきたいと思います。
2013年1月に、当時18歳だった息子さんが交通事故に遭われ、遷延性意識障害となられてしまった方のブログがあります。
明るく綴られていますが、大変苦労されているのではないかということがうかがえます。
しかし、遷延性意識障害の症状や治療法などについて、詳しくないという方も多いハズです。
まずは遷延性意識障害の基礎知識から一緒に見ていきましょう。
~遷延性意識障害の基礎知識~症状や原因、治療法は?
最初にも述べましたが、遷延性意識障害とは、植物状態と呼ばれる重度の昏睡状態になってしまう症状のことです。
植物状態になってしまうのは非常に辛いことですが、交通事故が原因で遷延性意識障害となってしまう方が多いのが現実です。
家族や友人がそのような状態になってしまったら…想像できない悲しみですよね…。
重度の昏睡状態となる「遷延性意識障害」とは
遷延性意識障害についてもう少し医学的に説明しますと…。
脳の大脳が広範囲にわたって損傷したり、壊死したりすることが原因で、重度の昏睡状態となる症状のことです。
日本脳神経外科学会により定められた基準を満たした場合、遷延性意識障害であると認定されることになります。
《遷延性意識障害の認定基準》
治療を行ったにもかかわらず、以下の6項目を全て満たした状態が3ヶ月続いた場合:
- ①自力移動が不可能である。
- ②自力摂食が不可能である。
- ③糞・尿失禁がある。
- ④声を出しても意味のある発語が全く不可能である。
- ⑤簡単な命令には辛うじて応じることも出来るが、ほとんど意思疎通は不可能である。
- ⑥眼球は動いていても認識することは出来ない。
遷延性意識障害の主な原因
遷延性意識障害は、大脳の損傷や壊死により生じるとお伝えしました。
大脳が損傷したり、壊死してしまう原因としては、身体の内部的な要因と外部的な要因によるものがあります。
- 内部的な要因:脳梗塞や心筋梗塞が原因で大脳部分に血液が十分に届かなくなった場合や、脳炎や髄膜炎による場合など
- 外部的な要因:主には交通事故を原因とした頭部への外傷による脳挫傷などが一般的
遷延性意識障害の約半数は、交通事故により生じているとも言われているそうです。
具体例 | |
---|---|
内部的要因 | 心筋梗塞、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血、脳腫瘍、脳炎、髄膜炎など |
外部的要因 | 交通事故による頭部外傷が原因の脳挫傷、びまん性軸索損傷※など |
※びまん性軸索損傷については、こちらの記事をご覧ください
遷延性意識障害の治療法
植物状態になってしまう症状ということですが、何か良い治療法はあるのでしょうか…。
調べてみたところ、遷延性意識障害の治療法としては、現状維持を図ることが一般的ということです。
具体的には、
- 唾や食べ物が肺に入って誤嚥性肺炎となる
- ずっと同じ姿勢でいることが原因で皮膚の一部が圧迫されて潰瘍となる
- 寝たきり状態でいることで体に悪影響が出る
ことを防ぐことが目的となっています。
回復の可能性は…
つまり、現在の医療では、遷延性意識障害からの回復が見込まれる有効な治療は存在していないのが現実です。
現状維持を図りながら、患者さんご本人の自然な回復に委ねることになります。
遷延性意識障害から回復するのは、全体の約5%ということです…。
その中でも、「はい」か「いいえ」などの単純な意思表示しか行えない場合もあれば、ベッドから起き上がり行動できるまで回復するケースもあるそうです。
また最近では、電気療法や音楽療法、マッサージといった治療方法も提唱されているようですね。
しかし、回復率の明確な向上データがあるワケではないそうです…。
【注目】遷延性意識障害の損害賠償について弁護士が解説!
ここまでで、遷延性意識障害の原因や症状については理解できました。
回復の見込みも低いということで、ご本人だけでなく、ご家族の皆様にとっても非常に大きな苦しみが残ることになってしまいます。
どんなにお金をもらっても、その苦しみがなくなるワケではありませんが、適切な損害賠償を確実に受け取りたいと思うのは当然のことです。
では、交通事故で遷延性意識障害になってしまった場合、どの程度の損害賠償請求が可能なのでしょうか。
損害賠償請求としては、
- 裁判時までにかかった治療費や入院雑費
- 将来かかると見込まれる治療費や雑費
- 事故に遭わなければ得られたはずの利益(収入など)
- 慰謝料
などを請求することが可能です。
様々な項目がありますが、症状が非常に重いものですから、全て適切な金額を受け取りたいですよね。
遷延性意識障害の後遺症等級は?
ところで、遷延性意識障害になってしまった場合、もちろん交通事故の後遺症として認定されると思います。
自賠責保険で用いられている認定基準では、後遺症の等級が1級~14級まで定められており、等級毎に認定基準が定められているそうですね。
残存する症状が重ければ重いほど、数字の低い等級に該当するとも聞きました。
では、遷延性意識障害の等級はどうなるのでしょうか。
遷延性意識障害を発症した場合の後遺症等級認定は、最も重い1級の認定となります。
よって、労働能力を100%喪失したものとして、高額の損害賠償請求をすることが可能です。
《ポイント》遷延性意識障害で請求できる損害項目
遷延性意識障害では、高額な損害賠償請求ができるということでした。
では、ここから請求できる損害賠償について詳しく見ていきたいと思います。
まず、損害には財産的損害と精神的損害という2種類があるということです。
①財産的損害
財産的な損害と聞くと、例えば治療費や入院費、あとは働けなくなってしまったために失われた収入などが考えられますね。
まずは、症状固定までに生じた損害というものが認められるそうです。
症状固定とは、医学的にこれ以上の大幅な回復が見込めず、結果として症状が残ってしまった状況のことです。
治療費や入院関連費、付添看護費など、症状固定までに生じた財産的損害については、相手側に損害として請求することが可能です。
続いて、症状固定後に生じた損害についても認められることになります。
症状固定と判定された後は、その時点を基準として、将来の費用などを損害賠償請求できるようになるんですね。
症状固定後に請求できる財産的損害としては、将来の治療費、入院雑費、付添看護費用などがあります。
とは言っても、生じる必要額の全額を単純に請求できるという訳ではありません。
たとえば、入院費が生じてしまう一方で、普段の生活費がかからなくなった場合、その金額については控除されてしまうということです。
また、将来的にかかる出費を今受け取るのは、将来受け取るよりも利益があるとされています。
よって、ライプニッツ係数という計算方法により、純粋に必要な合計金額から減額されることになります…。
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ただし、ライプニッツ係数を用いた計算は少々複雑になっています。
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②精神的損害
以上が財産的損害についてでした。
加えて、被害者ご本人とその近親者の方は、交通事故による精神的損害について、相手側に固有の慰謝料を請求することが可能です。
慰謝料には、
- 障害慰謝料:傷害を負ってしまったこと自体に対する補償
- 後遺症慰謝料:後遺症を負ってしまったことに対する補償
の2つがあります。
慰謝料は、実務的には後遺症の等級ごとにある程度の基準が存在し、多くはそれに基づいて算定されているそうです。
しかし、具体的な事情によりその額が増減されることもあるとのことです。
遷延性意識障害で請求できる損害項目
財産的障害 | 精神的障害 | ||
---|---|---|---|
症状固定前 | 症状固定後 | 傷害慰謝料 | 後遺症慰謝料 |
入院費、治療費、その他雑費など | 将来の治療費、入院雑費、付添看護費用など※1 | 傷害を負ってしまったこと自体に対する補償※2 | 後遺症を負ってしまったことに対する補償※2 |
※1 生活費控除やライプニッツ係数による計算などにより減額あり
※2 具体的な事情により基準額からの増減あり
遷延性意識障害に対する「慰謝料」の相場は!?
では、交通事故で遷延性意識障害になってしまった場合、慰謝料は実際どの程度もらえるのでしょうか。
適切な慰謝料獲得に向けて、相場があれば知っておきたいところですよね。
具体的な事情により異なりますが、裁判で相手側に慰謝料を請求した場合、
傷害慰謝料と後遺障害慰謝料合わせて3000万円程度
の請求ができることが多くなっています。
3000万円と聞くと、額としては非常に多く感じます。
しかし、遷延性意識障害の症状を考えると、安過ぎるくらいかもしれませんね…。
慰謝料額の基準について
交通事故で遷延性意識障害になってしまった場合は、相手側や相手側の保険会社、自賠責保険会社に慰謝料の請求をしていくことになります。
慰謝料の基準は、
- 自賠責保険に請求する場合
- 任意保険会社が提示する場合
- 弁護士が相手側や保険会社に請求する場合
とで異なっています。
《自賠責基準》
自賠責保険会社の慰謝料の金額は、自賠法に基づく省令により設定されています。
自賠法は、交通事故の被害者が最低限の補償を受けるためのものであり、その金額は低く設定されています。
《任意保険基準》
一方、任意保険会社による慰謝料の基準というものもあります。
しかし、任意保険会社は営利企業のため、もちろん少ない金額で済ませたいと考えているハズですよね。
よって、慰謝料の金額は少ないことが多いでしょう。
《裁判所基準》
そこで、最も高い基準となっているのが、裁判所や弁護士の基準です。
裁判を行った場合や相手側と示談をする場合に用いられる基準となっています。
そのため、高額の慰謝料を獲得するためには、弁護士に依頼をして示談や裁判を行うことが必要ということになるのです。
自賠責基準 | 任意保険基準 | 裁判所基準 | |
---|---|---|---|
内容 | 交通事故被害者が最低限の補償を受けるためのもの | 営利企業の保険会社が支払うもの | 裁判や相手側との示談をする場合に用いられるもの |
金額 | 金額は低め | 自賠責基準よりは高いが、金額は低め | 自賠責基準や任意保険基準よりも高い |
◆慰謝料請求時の注意点◆
以上より、より高い慰謝料を獲得するためには、裁判や相手側との示談に持ち込み、裁判所基準の慰謝料を支払ってもらうことが重要ということがわかりましたね。
しかし、裁判所基準であっても、具体的な事情によりその額が変わってくることも多くあるそうです。
遷延性意識障害は非常に重い後遺症です。
そのような後遺症が残ってしまったとすれば、高額な慰謝料などの補償を受けたいと思うのは当然です。
そのためには、交通事故に詳しい弁護士に依頼することが非常に重要です!
交通事故に詳しい弁護士であれば、裁判や相手側との交渉において必要十分な主張を行い、より多くの慰謝料を獲得することができるハズです。
参考として、過去の慰謝料増額事例が紹介されているページがありますので、良ければご覧ください。
「遷延性意識障害」に関しての記事を絞り込めば、関連する事例を読むことが可能です。
とはいえ、弁護士費用について不安をお持ちの方もいらっしゃるハズ…。
こちらの記事では、弁護士費用などがわかりやすくまとめられていますので、良ければご覧になってみてください。
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ここまでで、遷延性意識障害の後遺症についての理解を深めていただけたでしょうか。
しかし、実際に交通事故で遷延性意識障害になってしまった場合、被害者であるご本人が様々な手続きを行うことは不可能です。
とはいえ、ご家族の方にとっても、自分たちだけで損害賠償請求を行うのは非常にハードルが高いですよね。
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最後に一言アドバイス
それでは、最後になりますが、遷延性意識障害の後遺症でお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。
まずは心からお見舞い申し上げます。
懸命な治療にも関わらず、残念なことに遷延性意識障害となってしまった場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
なぜなら、遷延性意識障害のように重い後遺症が残るようなケースでは、適正な金額の補償を受けるべきだからです。
しかし、保険会社から示談金を提示され、書類にサインしてしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。
そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。
面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。
まとめ
いかがでしたか?
最後までお読みいただけた方には、
- 遷延性意識障害の原因や治療法
- 遷延性意識障害の損害賠償請求
について、おわかりいただけたのではないかと思います。
また、遷延性意識障害の後遺症で適切な慰謝料を受け取るためには、弁護士に相談した方が良いということもおわかりいただけたでしょうか。
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それでは皆様のお悩みが少しでも解決しますように…。