遷延性意識障害で後遺障害3級、賠償額1億超

IT 2016年6月6日 | 遷延性意識障害
medical 0903 7
認容額 1 億 970万3283円
年齢 30歳
性別 男性
職業 会社員(事故当時)
傷病名

外傷性くも膜下出血、脳挫傷、意識障害、けいれん発作等

障害名 遷延性意識障害
後遺障害等級 3級
判決日 平成25年3月27日
裁判所 東京地方裁判所

交通事故の概要

平成17年5月4日午前4時6分頃、東京都大田区の首都高速1号線下り道路において、発生した交通事故の事案。
最高速度が時速60キロメートルと指定されていたところ、加害会社が所有し加害者が運転する事業用普通貨物自動車が、時速70ないし80キロメートルで第1車両通行帯を進行していた。加害者が床に落ちた高速券を拾うため脇見をし、第2車両通行帯を進行する車両の有無を確認しないまま、上記速度で第2車両通行帯に進路を変更し、同通行帯を路面清掃のため時速約20キロメートルで走行していた、被害者が同乗する自家用普通貨物自動車の後部に、加害者の事業用普通貨物自動車の前部が衝突する交通事故(本件事故)が発生した。

被害者の入通院治療の経過

被害者(本件事故当時30歳)は、本件事故により、外傷性くも膜下出血、脳挫傷、意識障害、けいれん発作等の傷害を負い、その治療のため、入通院をして治療を受けた。

後遺障害の内容

被害者は、平成22年4月27日、損害保険料率算出機構から、人の話が理解できない、失語あり、記憶障害、注意障害、全般性知覚機能低下等の症状につき、本件事故の脳外傷に起因する高次脳機能障害が残存しているものと捉えることができるとして自賠法施行令別表第二第3級3号に該当するものと判断する旨の後遺障害等級認定を受けた。
被害者は、前記の認定を不服として、平成22年7月14日、異議申立てをしたところ、同年10月22日、「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの」として自賠法施行令別表第一第2級1号に該当するものと判断する旨の後遺障害等級認定を受けた。
しかし、本件裁判において、裁判所は第3級3号が相当であると判断した。

判決の概要

加害会社が所有しその従業員である加害者が運転する自動車が、被害者が同乗する自動車に追突する交通事故により、被害者らが損害を被った。加害者に対しては民法709条に基づき、加害会社に対しては自動車損害賠償保障法3条及び民法715条に基づき、被害者が人的損害に係る損害賠償金等を、被害者の母親が固有の慰謝料及び弁護士費用等を、被害者の妹が固有の慰謝料及び弁護士費用等をそれぞれ連帯して支払うよう求め、裁判所が請求を認容した。

認容された損害額の内訳

治療関係費 933万1614円
入院付添費 54万6000円
入院雑費 31万9500円
通院交通費 14万8840円
将来介護費 2610万4946円
休業損害 1646万2289円
逸失利益 6251万1024円
慰謝料 2370万円
介護費 783万 6000円
損害の填補 - 4105万 9441円
被害者の家族固有の慰謝料等(2名分) 95万円
将来通院交通費 25万 3182円
弁護士費用 996万円
過失相殺 - 736万671円

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となります。

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