交通事故の後遺症の申請方法|等級認定結果が慰謝料に影響するってホント!?
交通事故の被害に遭われ、怪我を負った場合、残念ながら怪我が完治せずに後遺症が残ってしまう可能性も考えられます。
もしも後遺症が残ってしまった場合、これまでと同じ生活はできなくなってしまうかもしれません。
仕事も変えざるを得なくなってしまうかもしれません。
半身不随や意識不明など、介護が必要となれば、ご家族の方への負担も大きくなってしまうかもしれません。
お金ですべてが解決できるわけではありませんが、後遺症が残ったことに対してはしっかりとした補償を受け取るべきです!
しかし、
- 交通事故で後遺症に対する補償を受け取るには等級の認定が必要って本当?
- 自分が認定された等級は適正なのだろうか?
- そもそも後遺症の等級認定はどうやって申請すれば良いの?
- 後遺症等級が認定されると、どれくらいの慰謝料が支払われるの?
など、わからないことがたくさんありますよね。
そこで今回このページでは、後遺症の等級認定の申請方法や慰謝料の相場について、お悩みの皆さまと一緒に勉強していければと思っています。
目次
なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
交通事故により後遺症が残ってしまった場合、ご本人はもちろん、ご家族の方への負担も非常に大きいものと考えられます。
さらに、後遺症に対する補償を受け取るための保険会社との交渉でも、大きなストレスを感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
実際に、後遺症の等級認定に関してお悩みの方から多くの相談を受けてきました。
今回はその経験に基づき、具体例も交えながらわかりやすく解説していきたいと思います。
実際、後遺症が申請できることは知っていても、その方法まではわからないという方がほとんどですよね。
交通事故で保険会社より示談の書類が届きました。
現在、通院はしておりませんが、右腕のダルさが取れずスッキリしていません。
そのまま保険会社の提示通りに示談するつもりでしたが、後遺障害申請の事を知り、今回申請を考えています。
どなたか、詳しく教えて頂けませんか?
出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10101666895
ということで、まずは後遺症の申請方法から見ていきましょう!
交通事故による後遺症の等級認定の申請方法について弁護士が解説
交通事故による怪我が原因で後遺症が残ってしまった場合、相手側からそのことに対する補償を受け取ることができます。
そして、後遺症が残ったことに対する補償を受け取るためにはまず、後遺症の等級認定を受ける必要があるそうなのです。
では、後遺症の等級認定はどのようにして受ければ良いのでしょうか?
2つの申請方法:被害者請求と事前認定
交通事故の場合、後遺症の申請は原則として、自賠責保険に対して行うことになるそうです。
その後、自賠責保険会社は、損害保険料率算出機構という第三者機関に後遺症認定の等級を含む全ての損害調査を委託することになります。
まずは、事前認定から見ていきましょう。
事前認定
事前認定とは、簡単に言うと、
相手側の任意保険会社が窓口となって被害者の方の後遺症の等級認定を事前に確認する
方法のことになります。
事前認定についてより詳しく知りたいという場合は、こちらの記事もご覧になってみてください。
被害者請求
一方の被害者請求とは、簡単に言うと、
被害者ご本人が直接相手の自賠責保険に後遺症の等級認定を請求する
方法のことです。
被害者請求についてより詳しく知りたいという場合は、こちらの記事もご覧になってみてください。
以上のような2つの方法ですが、事前認定の場合、「手続きが不透明」というデメリットが挙げられるそうです。
つまり、保険会社が提出した書類の内容や時期を被害者が把握できないということです。
具体的には、事案によってですが、
後遺症が認められにくい方向に働く内容の顧問医の意見書
を付けて被害者の後遺症の等級の認定を損害保険料率算出機構に依頼することがあるようです。
また、保険会社の担当者は多くの案件を抱えているため、申請を後回しにされてしまうケースもあるようです。
事前認定の場合、相手側の任意保険会社は必要最低限の書類しか提出してくれません。
一方の被害者請求の場合、必要資料以外に認定に有利な医療関係の資料や意見書の添付も可能となっています。
そのため、後遺症の等級認定に争いのあるケースでは、被害者請求の方が望ましいと言えます。
とは言っても、ご本人だけで被害者請求を行うことはなかなか難しいように感じます。
そのような場合、弁護士に依頼をすれば、
- 書類収集の手間が省ける
- 認定に有利となる医療関係の資料や意見書の収集やアドバイスを受けられる
というメリットがあるそうです。
後遺症の認定申請にあたっては、弁護士に相談してみた方が良いかもしれません!
申請では「後遺症診断書」の内容が重要
では、弁護士からアドバイスなども参考にして、いざ被害者請求で申請を行うことにしたとしましょう。
申請に必要な書類については、こちらの記事で詳しく解説されていますのでご覧になってみてください。
そして、必要な書類の中でも特に、後遺症の診断書の内容が非常に重要となってくるようなのです。
後遺症申請に必要な診断書とは
重要な理由としては、後遺症の認定は原則として書面審査となっているからです。
よって、基本的に後遺症の診断書の内容によって後遺症認定の可否や等級が決まることになってしまうのです。
もっと言えば、たとえ同じ症状が残っていたとしても、自覚症状が詳細に記載されているかどうかによって認定結果が変わってくる可能性があるのです。
また、仮にある検査を行ったとしても、その検査結果が記載されていなければ、検査は行われていないものとして判断されてしまいます。
さらに、「症状の改善の余地あり」などの不要な記載がされることにより、認定されるべき症状の事案で認定がされない可能性もあります。
以上の通り、後遺症の診断書は思った以上に重要なものなのです。
しかし、後遺症診断書の内容は専門的なもので、病院の医師でも詳しくない場合も多いそうです…。
弁護士に依頼すれば、後遺症の診断書についてもアドバイスをもらうことができるそうなので、ぜひ相談してみてくださいね。
また、診断書を作成する際のポイントを今すぐ確認したいという方は、こちらの記事もご覧になってみてください。
診断書の書き方や料金など、より詳しく知りたい場合はコチラの記事もご覧ください。
そして、医師によっては後遺症の診断書を書いてくれないこともあるようですね…。
難しい話なんですがわかる方いれば教えてください💦
交通事故による後遺症の診断書を
医者が書いてくれません。
医者はそのうち治るみたいな言い方しかし… – 弁護士入れたほうがいい( ◠‿◠ ) https://t.co/vsdFnwkjWm— Three Kingdom 司馬懿(しばしば) (@ThreeShibai) October 26, 2017
しかし、基本的には担当の医師に作成してもらう必要があります。
というのも、これまでの治療の経過などを一番理解しているのは、担当の医師だけだからです。
そこで、依頼にあたってのポイントを知りたいという方は、こちらも参考にしてみてくださいね。
ここからは参考ですが、交通事故に遭った場合、医師に作成してもらう診断書は、後遺症についてだけではありません。
交通事故で必要な診断書については、こちらの記事も参考になさってみてください。
以上のように、後遺症認定の申請を行うと、診断書などの内容に応じて、後遺症の等級が認定されることになります。
ところで、後遺症の認定申請を受けた自賠責保険会社は、損害保険料率算出機構という第三者機関に後遺症認定の等級を含む全ての損害調査を委託するという話でしたよね。
では、後遺症の等級が認定されるまでには、どれくらいの期間がかかるものなのでしょうか?
等級の認定にかかる期間は?
損害保険料算出機構は、自賠責調査事務所による申請の受付から調査の完了までに要する日数を以下の通り公開しています。
30日以内 | 80.3% |
---|---|
31日〜60日 | 10.7% |
61日〜90日 | 4.9% |
90日超 | 4.0% |
※ 損害保険料率算出機構2017年度自動車保険の概況参照
つまり、通常の後遺症の場合、9割以上は遅くとも2ヶ月以内には調査が完了していることになるんですね。
ただし、書類に不備があったり、医療照会に時間がかかっている場合には、2ヶ月以上かかってしまうことも考えられます。
詳しくは、こちらの記事もご覧になってみてください。
ところで、2ヶ月以内というのは、後遺症の申請をしてからの期間です。
怪我をしてからの期間を考えると、症状固定するまでの期間も含むことになります。
ちなみに、症状固定というのは以下のような意味になります。
症状固定
医学上一般に認められた治療方法を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態
つまり、これ以上治療を続けても、症状の改善が見込めないと判断される時期ですね。
一般的には、事故後6ヶ月程度で症状固定に至ることが多いとされているようです。
その後さらに、後遺症申請の準備にかかる期間も必要ですね。
申請方法や事故の内容によっても変わってきますが、被害者申請で弁護士に依頼するのが最も早いとされているそうです。
結局、交通事故で怪我をしてからの期間を考えると、1年以内に後遺症等級の認定結果が出るということが多そうです。
後遺症の等級「1級~14級」の認定基準
後遺症の申請が通れば、1級~14級の等級のいずれかが認定されることになります。
数字が低ければ低いほど、重い症状が残っていることになります。
そして、各等級には、それぞれ認定基準が定められているそうです。
その認定基準をまとめた等級表については、こちらの記事をぜひご覧ください。
認定されない・結果に納得できない場合の対応は?
ところで、後遺症の申請を行ったとしても、残念ながら認定されない=非該当となる場合があるそうです。
https://twitter.com/_genkininaritai/status/659654810296147968
実際には症状が残っているのに、後遺症が認定されなかった場合、後遺症に対する補償を受け取ることができなくなってしまいます。
そんなの納得できませんよね。
その場合は、以下のような対応が必要となるようです。
①異議申立て
まずは、自賠責保険に対して後遺症認定の再判断を求める不服申立てをすることができます。
それが、異議申立てという方法です。
詳しくは、こちらの記事をご覧になってみてください。
ただし、やはり初回の認定手続きが非常に重要であり、弁護士であっても一度出た認定結果を覆すことはなかなか難しいそうです。
弁護士に相談する場合は、後遺症の申請前の段階で行うことが望ましいようですね。
②紛争処理手続き
他には、自賠責保険・共済紛争処理機構に紛争処理申請書及び必要書類を提出するという方法があるそうです。
書類の提出を受けた場合、
- 弁護士
- 医師
- 学識経験者
が紛争処理委員を務める紛争処理委員会が、提出された書面などで審査を行い、調停結果を通知するそうです。
紛争処理申請の費用は無料であり、原則として書面のみで判断され、当事者の出席は不要です。
ただし、異議申立てと異なり、紛争処理申請は1度だけしか行えません。
③裁判
最終手段としては、裁判を起こすことになります。
交通事故の裁判に関しては、こちらの記事をご覧になってみてください。
裁判になれば、裁判官が最終的に判決を下すことになります。
裁判で後遺症認定の明確な主張や立証ができれば、認定結果が変わる可能性もあります。
しかし、被害者の方だけで主張立証を行うことはあまり現実的ではありませんよね…。
裁判にあたっては、ぜひ弁護士に相談してみてくださいね!
後遺症に対する慰謝料は等級認定結果による!?示談金の相場とは
後遺症の損害賠償は認定された等級に応じて決まる
無事に納得できる等級認定結果が得られれば、その等級に応じて後遺症慰謝料や逸失利益といった損害賠償が支払われることになるそうです。
ちなみに逸失利益とは、後遺症が残ったことにより、仕事の幅が制限されたりして、これまでより収入が減ってしまうことに対する補償です。
逸失利益の計算方法については、こちらの記事をご覧になってみてください。
そして、等級に応じた慰謝料の相場と、逸失利益の計算に必要な労働能力喪失率は、以下の表の通りになっています。
等級 | 慰謝料※ | 労働能力喪失率 |
---|---|---|
1級 | 2800万円 | 100% |
2級 | 2370万円 | 100% |
3級 | 1990万円 | 100% |
4級 | 1670万円 | 92% |
5級 | 1400万円 | 79% |
6級 | 1180万円 | 67% |
7級 | 1000万円 | 56% |
8級 | 830万円 | 45% |
9級 | 690万円 | 35% |
10級 | 550万円 | 27% |
11級 | 420万円 | 20% |
12級 | 290万円 | 14% |
13級 | 180万円 | 9% |
14級 | 110万円 | 5% |
※ 慰謝料の金額は弁護士基準
適正な慰謝料獲得に向けて知っておきたい3つの慰謝料相場の基準
ところで、慰謝料には3つの種類があるってご存知でしたか?
実は、慰謝料の相場には、
- 自賠責保険に請求する場合
- 任意保険会社が提示する場合
- 弁護士が相手側や保険会社に請求する場合
の3つの基準が存在しています。
詳しくは、以下の通りになっています。
まとめ
慰謝料相場の3つの基準
自賠責基準 | 任意保険基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|---|
内容 | 交通事故被害者が最低限の補償を受けるためのもの | 営利企業の保険会社が支払うもの | 弁護士を付けて裁判や相手側との示談をする場合に用いられるもの |
金額 | 金額は低め | 自賠責基準よりは高いが、金額は低め | 自賠責基準や任意保険基準よりも高い |
先ほどの表で示した慰謝料の相場は、弁護士基準でのものでした。
しかし、被害者の方だけで保険会社と交渉した場合、自賠責基準や任意保険基準での低い金額しか支払ってもらえないそうなのです。
その場合、弁護士を通して示談交渉すれば、弁護士基準の金額まで増額することが可能です!
どれくらいの差があるのか、詳しくはこちらの記事もご覧になってみてください。
交通事故の後遺症の申請方法や認定について弁護士に無料相談したい方はコチラ!
以上、交通事故で後遺症が残った場合の申請方法や等級認定、慰謝料の相場などについて理解を深めていただけたでしょうか。
適正な補償を受けるためには、弁護士に相談・依頼した方が良いと思われた方もいらっしゃるかもしれません。
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最後に一言アドバイス
それでは、最後になりますが、交通事故による後遺症に関してお悩みの方に一言アドバイスをお願いします!
まずは、医師の診断を受け、きちんと療養し、お大事になさってください。
それでも残念なことに後遺症が残ってしまった場合や残ってしまいそうな場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
なぜなら、日常生活に支障が出るような後遺症が残った場合には、適正な金額の補償を受けるべきだからです。
しかし、保険会社の言われるままに示談してしまうと、あらためて慰謝料などを請求することは極めて困難になります。
そうなる前に、ぜひ弁護士無料相談を活用してみてください。
面倒な手続きや交渉などのお力にもなれるはずです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
最後までお読みいただけた方には、
- 交通事故による後遺症の申請方法
- 後遺症の等級認定や、認定されない場合の対応
- 後遺症に対する慰謝料や逸失利益などの損害賠償
について、理解を深めていただけたのではないかと思います。
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この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。