後遺障害認定とは|認定までの流れ・期間や後遺障害認定されなかった場合の流れも紹介
この記事のポイントは以下の点です。
- 後遺障害認定とは、怪我の治療後の後遺症に対する損害賠償の支払いを受けられるかどうかについての判断
- 交通事故にあってから後遺障害認定の結果が出るまでの期間は半年以上1年以内が一般的
- 後遺障害認定されなかった場合には、異議申立等の方法により、後遺障害認定を求める請求ができる
後遺障害認定とは何か、認定までの流れや期間、等級別の認定基準や支払いの金額相場を知りたい方はぜひご一読下さい。
交通事故により怪我を負った方の中には、治療をしたものの、痛みや可動域制限等の症状が残ってしまったという方も多いかと思います。
その場合、以下のツイートをされた方のように、後遺障害認定の申請を加害者側の保険会社にすすめられることがあるかと思います。
保険屋さんから「今の状態で申請すれば後遺障害認定される可能性があるから症状固定しませんか」と。担当の先生も後遺障害認められるだろうと言っているけど、どうなんだろう。保険屋にうまくそそのかされていたりしてw
— Nagachan (@Nagachan) April 25, 2012
もっとも、後遺障害認定とは何のことなのかを具体的にご存知ではないという方も多いのではないでしょうか?
そこで、後遺障害認定とは何のことなのかについてお伝えしていきたいと思います。
後遺障害認定とは何なのか?
後遺障害認定されるのは後遺症の中の一部だけ
交通事故により後遺症が残ってしまったという話は日常的にもよく耳にするかと思います。
事故の後遺症で以前のようにうまくいかない長女についても、毎日できるだけ前進面を捉えて、喜び、励ましていますが、どうしても辛く悲しく、胸が苦しくなる時もあります。交通事故の被害というのは、本当に辛いものです。
— IIDA SHOGO (@GamadasSince79) April 16, 2018
この「後遺症」とは、一般的に急性期症状(事故直後から一定期間の強い症状)が治った後も、体に残る痛みや機能障害等の症状や障害をいいます。
そして、「後遺症」と「後遺障害」は一般的にはほぼ同じ意味で使われますが、交通事故においては、後遺症と後遺障害は明確に区別されます。
交通事故の後遺障害認定において準用されている労災の障害認定基準では、後遺障害は以下のように定義されています。
交通事故(労災)の後遺障害の定義
- 症状固定時に残存する精神的又は身体的な障害が
- 交通事故と相当因果関係を有し
- 将来においても回復が困難と見込まれるものであって
- その存在が医学的に認められ
- 労働能力の喪失を伴うもので
- その程度が自賠法施行令(労働者災害補償保険法施行規則)の等級に該当するもの
後遺障害認定とは、怪我の治療後の後遺症が後遺障害の定義に当てはまるかどうかについての判断のことをいいます。
したがって、交通事故により「後遺症」が残ったとしても、上記の定義に当てはまらない場合には「後遺障害」認定はされません。
つまり、後遺障害認定されるのは、交通事故による後遺症のうち、上記の定義に当てはまる一部のものだけということになります。
後遺障害認定する機関はどこ?
では、その後遺障害認定はどんな機関が行うのでしょうか?
交通事故の原則
まず、交通事故の場合、後遺障害認定は、損害保険料率算出機構という機関における自賠責損害調査センターで行われるのが原則です。
労災保険の場合
もっとも、勤務中・通勤中の交通事故の場合には、労災保険にも後遺障害認定の申請をすることができます。
そして、労災保険の場合には、労働基準監督署が後遺障害認定をする機関になります。
裁判をした場合
また、後ほど詳しく申しあげますが、損害保険料率機構における後遺障害認定の結果に納得できない場合には裁判になる場合があります。
そして、後遺障害認定の裁判での判断は、損害保険料率算出機構の後遺障害認定の結果に拘束されません。
つまり、後遺障害認定の裁判をした場合の認定機関は裁判所ということになります。
ただし、損害保険料率機構における後遺障害認定の結果は、裁判においても事実上尊重されています。
そのため、損害保険料率機構における後遺障害認定の結果を覆す有力な証拠などがない限り、裁判においても同じ後遺障害認定がされることになります。
もちろん、具体的な事情にもよりますが、一般的には後遺障害認定の結果を裁判で覆せる確率は低く、難しいということは覚えておきましょう。
原則 | 損害保険料率算出機構 |
---|---|
労災保険の場合 | 労働基準監督署 |
裁判をした場合 | 裁判所 |
後遺障害認定を受けるメリット
では、後遺障害認定を受けるメリットはどこにあるのでしょうか?
交通事故により深刻な症状が残った場合、当然それに対する損害賠償が問題になってきます。
しかし、交通事故の被害者の方は多かれ少なかれ何らかの後遺症が残ってしまうことがほとんどですが、その症状や苦痛の程度は様々です。
それを日々大量に発生する個々の交通事故の後遺症ごとに全て個別に検討して損害賠償を計算することになると、
- 迅速な解決が図れない
- 事案ごとにばらつきが大きくなり公平性を欠く
ことになります。
そこで、交通事故では、後遺症のうち、後遺障害認定されたものだけを損害賠償の支払いの対象とすることを原則にしました。
また、労災保険で後遺障害認定された場合には、労災からも損害賠償の支払いを受けることができます。
さらに、損害保険料率機構で後遺障害認定されなくても、裁判で後遺障害認定されれば加害者(側の保険会社)に賠償金を支払い請求できます。
まとめると、後遺障害認定とは、怪我の治療後の後遺症に対する損害賠償の支払いを受けられるかどうかについての判断のことになります。
つまり、後遺障害認定を受けるメリットは、後遺症に対する損害賠償の支払いを受けられることになる点にあります。
後遺障害認定は、損害保険料率算出機構という機関が行うのが原則ですが、労災の場合は労働基準監督署、裁判の場合は裁判所が認定機関になります。
後遺障害認定を受けることによるメリットについてはよくわかりました。
でも、反対に、交通事故により後遺障害認定を受けるデメリットは何かないのでしょうか?
例えば、いわゆる身体障害者として扱われることになったり、生命保険に加入できなくなってしまったりはしないのでしょうか?
まず、交通事故の後遺障害認定の手続きと、行政に対する障害者手帳の申請の手続きは全くの別物です。
そのため、交通事故で後遺障害認定をされたとしても、直ちにいわゆる身体障害者として扱われることになるわけではありません。
一方、後遺障害認定されると、生命保険への加入自体はできるものの、認定部位の疾病・傷害による死傷が支払いの対象外になる可能性はあります。
もっとも、支払い対象外になる原因は、元々の後遺症があるからであり、後遺障害認定を受けなくても支払いの対象外になる可能性はあります。
もちろん、具体的な事情にもよりますが、一般的には、交通事故で後遺障害認定を受けるメリットはデメリットよりも大きいと考えられます。
後遺障害認定の流れ・支払いの基準・期間
後遺障害認定とは何かがわかったとしても、実際に後遺障害認定されるには、どうすればいいかわからないという方も多いかと思います。
というかワシは後遺障害認定されたのかどうかすらわからん
— しば (@sagalist) August 7, 2016
そこで、続いては、後遺障害認定の流れ・認定や支払いの基準・期間等についてお伝えしていきたいと思います!。
後遺障害認定されるまでの流れ
まず、後遺障害認定されるまでの流れを図にすると以下のようになります。
出典:https://atomfirm.com/wp-content/uploads/jiko_ninteinagare-1.png
ここからは、上記の表に沿って流れをお伝えしていきたいと思います。
治療~症状固定
交通事故により怪我を負った場合、その怪我の治療のために入通院をすることになります。
もっとも、治療を続けていると、治療の効果が現れず、症状の大幅な改善が望めなくなる段階がやってきます。
このことを交通事故(労災)では、「症状固定」といい、より正確な定義は以下のとおりです。
症状固定
傷病に対して行われる医学上一般に認められた治療方法を行っても、その医療効果が期待できなくなった状態
冒頭の後遺障害の定義にも記載されているとおり、後遺障害認定は、症状固定時に残存する精神的又は身体的な障害を対象に行われます。
症状固定の大まかなイメージとしては、これ以上治療を続けても良くも悪くもならない状態として捉えておけばよいでしょう。
交通事故において、症状固定の判断は非常に重要な意味をもちます。
そのため、相手方の保険会社から症状固定を迫られたとしても、慎重に判断をする必要があります。
なお、症状固定については、以下の記事により詳しく記載されていますので、ぜひご覧になってみて下さい!
診断書作成依頼
症状固定の時期になったら、後遺障害認定の申請のため、後遺障害診断書の作成を依頼する流れになります。
交通事故における後遺障害認定において、後遺障害診断書の書き方は非常に重要になります。
交通事故における後遺障害認定は、基本的に書類の記載内容のみから判断する書面主義が採用されているからです。
後遺障害診断書は、通常の診断書とは違う書式で、通常は保険会社から用紙を入手します。
後遺障害診断書を作成できるのは医師のみで、整骨院・接骨院で施術を行う柔道整復師は作成できませんので、その点は注意が必要です。
なお、後遺障害認定の申請のための診断書の費用を被害者と加害者(側の会社)のどちらが負担するかは争いになる場合があります。
後遺障害認定の申請のための診断書の書き方や費用の問題については、以下の記事もぜひご覧になってみて下さい!
後遺障害診断書の書き方や費用の問題についてはコチラ!
- 43209
後遺障害認定の申請方法は二つ
交通事故における後遺障害認定の申請の方法には
- 事前認定
- 被害者請求
の二つがあります。
ここからは、二つの後遺障害認定の申請の方法のメリット・デメリットをそれぞれお伝えしたいと思います。
事前認定の方法
事前認定とは、簡単に言うと相手方任意保険会社が窓口となり、被害者の自賠責保険の後遺障害の等級認定を事前に確認する方法のことです。
交通事故の加害者が、自賠責保険だけではなく任意保険にも加入している場合、被害者は、任意保険会社から
- 自賠責保険金分
- 自賠責保険金分を超える任意保険会社負担分
を一括して支払ってもらうことになります。
この制度のことを一括払制度といいます。
相手方任意保険会社は、被害者に一括払いをした後、自賠責保険から、自賠責保険金分を回収します。
この制度のことを加害者請求といいます。
この制度が自賠法15条を根拠としていることから15条請求とも呼ばれています。
被保険者は、被害者に対する損害賠償額について自己が支払をした限度においてのみ、保険会社に対して保険金の支払を請求することができる。
出典:自動車損害賠償保障法第15条
この加害者請求の前提として、一括払いをする相手方任意保険会社は、自賠責から支払われる保険金分をあらかじめ確認する必要があります。
その一環として、被害者の自賠責保険の後遺障害の等級認定を事前に確認する事前認定という方法があります。
事前認定は、相手方任意保険会社から第三者機関である損害保険料率算出機構に損害調査を委託する方法で行われます。
事前認定の大まかな流れは以下の図のとおりです。
出典:https://atomfirm.com/wp-content/uploads/jiko_nintei1.png
事前認定のメリット
ご覧頂いたとおり、事前認定は相手方任意保険会社が主体となり、相手方任意保険会社のために行われる手続といえます。
そのため、後遺障害認定の申請の必要書類の収集や費用負担は、原則として相手方任意保険会社となるため、被害者からすると
- 資料収集の負担が少ない
- 費用負担がない
ことがメリットといえます。
事前認定のデメリット
また、ご覧頂いたとおり、事前認定は相手方任意保険会社が主体となり、加害者請求の前提として行われる手続といえます。
そのため、後遺障害認定の申請の手続きに、原則被害者は関与できず、自賠責保険に対する保険金(相当額)請求手続きに先行して行われるため、
- 手続きが不透明
- 等級が認定されても、すぐには自賠責保険金(相当額)を受領できない
ことが被害者にとってのデメリットといえます。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
① | 資料収集の負担が少ない | 手続きが不透明 |
② | 費用負担がない | すぐには保険金受領できない |
被害者請求の方法
被害者請求とは、被害者自身が申請主体となって、直接相手の自賠責保険に後遺障害認定の申請をする方法の一つです。
自動車損害賠償保障法には以下のような条文があります。
第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、保険金額の限度において、損害賠償額の支払をなすべきことを請求することができる。
出典:自動車損害賠償保障法第16条第1項
被害者保護という自賠責の目的を果たすため、保険契約の当事者ではない、被害者に直接請求する権利を認めたものです。
被害者は保険契約の当事者ではないため、条文上「保険金」ではなく「損害賠償額」の支払を請求することになっています。
上の条文は、その場合の自賠責保険への損害賠償額の請求方法を規定したものです。
被害者が請求することや根拠条文から、被害者請求や16条請求などと呼ばれています。
この被害者請求で支払われる損害賠償額を決定するために、被害者請求の手続の中で、後遺障害の等級認定が同時に行われます。
つまり、被害者請求には
- 後遺障害の等級認定申請という側面
- 自賠責保険へ保険金(相当額)請求という側面
の二つの側面があるということになります。
被害者請求の大まかな流れは以下の図のとおりです。
出典:https://atomfirm.com/wp-content/uploads/jiko_nintei2.png
被害者請求のメリット
被害者請求のメリットとしては、被害者が申請主体であり、自賠責保険に対する保険金請求を含んでいることから
- 提出書類や時期をコントロールできる
- 相手方との示談前に自賠責保険から保険金を受け取れる
ことなどが挙げられます。
被害者請求のデメリット
他方、デメリットとしては、被害者が申請主体であることから
- 必要書類や画像の収集負担
- 費用負担
などが挙げられます。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
① | 意見書等提出書類を決定可能 | 必要書類や画像の収集負担 |
② | 示談前の金銭受領 | 費用の負担 |
なお、後遺障害認定の申請を被害者請求の方法で行う場合の主な必要書類は以下の表のとおりです。
必要書類・資料 | 入手先 | 注意点・備考 |
---|---|---|
支払請求書 | 自賠責保険会社等 | 空欄でも足りる箇所もある |
交通事故証明書 | 自動車安全運転センター | 保険会社から写し受領できる可能性 |
事故発生状況報告書 | 自賠責保険会社等 | 事故状況に詳しい者が分かる範囲で記載 |
診断書 | 通院先の病院 | 保険会社から写し受領できる可能性 |
診療報酬明細書 | 通院先の病院など | ・保険会社から写し受領できる可能性 ・健保使用の場合は健保組合に請求をすることも |
施術証明書 | 通院先の整骨院 | 保険会社から写し受領できる可能性 |
施術費明細書 | 通院先の整骨院など | ・保険会社から写し受領できる可能性 ・健保使用の場合は健保組合に請求をすることも |
後遺障害診断書 | 通院先の病院 | 被害者請求の場合費用窓口負担 |
レントゲン・MRI・CTなどの画像 | 通院先の病院 | ・各病院ごとに請求 ・被害者請求の場合費用窓口負担 ・保険会社から貸し出してもらえる可能性 |
後遺障害認定の申請の方法や必要書類を詳しく知りたい方はコチラ!
- 43209
交通事故における適切な後遺障害認定の確率を高めるには、被害者請求の方法で、認定に有利な証拠などを添付して申請するのが有効です。
弁護士等の専門家にサポートを依頼すれば、さらに、後遺障害認定の確率を高めることができます。
後遺障害認定の申請を検討されている方は、まず弁護士などの専門家に相談だけでもしてみることをおすすめします。
なお、後遺障害認定の申請を弁護士に依頼するメリット・デメリットについては、以下の記事もぜひご覧になってみて下さい!
後遺障害認定されるには?|等級別の認定基準
後遺障害認定の申請をすると、後遺障害認定機関により調査が行われるという流れになります。
後遺障害認定の調査は、冒頭でもお伝えのとおり、残存する症状の程度が自賠法施行令に定められた等級に該当するかどうかという観点から行われます。
もっとも、自賠法施行令に定められた等級表は抽象的な記載が多く、これだけでは後遺障害認定されるかどうかの判断は困難です。
そのため、実務的には、交通事故の後遺障害認定において準用されている労災の障害認定基準を満たすか否かという観点から調査が行われます。
そして、労災の後遺障害認定基準は、部位・障害の内容・等級ごとに詳細に認定基準を定めています。
つまり、後遺障害認定されるには、自分のどの部位のどんな障害が、後遺障害等級の何級何号の認定基準を満たすかを把握する必要があります。
後遺障害認定の基準については、以下の記事により詳しく記載されていますので、ぜひご覧になってみて下さい!
そして、具体的な後遺障害認定の等級別の認定基準については、以下のリンク先もぜひご覧になってみて下さい。
1級 | 2級 | 3級 |
4級 | 5級 | 6級 |
7級 | 8級 | 9級 |
10級 | 11級 | 12級 |
13級 | 14級 |
後遺障害認定されたら支払いを受けられる金額
後遺障害認定機関による調査が完了すると、後遺障害認定の結果が保険会社を通じて通知される流れになります。
具体的には、
- 「後遺障害等級(事前認定)結果のご案内」と
- 「別紙 結論と理由が記載された書類」
で構成された後遺障害認定書の形式で通知されます。
後遺障害認定されたら、一定の支払いの基準に基づき、自賠責から後遺障害慰謝料と逸失利益の支払いを受けられます。
先ほどお伝えしたとおり、後遺障害認定の申請を被害者請求の方法で行った場合には、自賠責から認定された段階で支払いを受けられます。
自賠責基準の金額
では、後遺障害認定された場合に、自賠責から支払いを受けられる金額の基準は具体的にどのように定められているのでしょうか?
自賠責基準の後遺障害慰謝料
後遺障害認定された場合に、自賠責から支払いを受けられる後遺障害慰謝料は、等級ごとに明確に金額の基準が定められています。
具体的には以下の表のとおりです。
等級 | 金額 |
---|---|
第1級(別表第1) | 1600万(1800万※1)※2 |
第2級(別表第1) | 1163万(1333万※1)※3 |
第1級(別表第2) | 1100万(1300万※1) |
第2級(別表第2) | 958万(1128万※1) |
第3級 | 829万(973万※1) |
第4級 | 712万 |
第5級 | 599万 |
第6級 | 498万 |
第7級 | 409万 |
第8級 | 324万 |
第9級 | 245万 |
第10級 | 187万 |
第11級 | 135万 |
第12級 | 93万 |
第13級 | 57万 |
第14級 | 32万 |
※1 被扶養者がいる場合の金額
※2 初期費用として500万加算
※3 初期費用として205万加算
自賠責からは、被害者に重大な(70%以上の)過失がない限り、上記の基準の後遺障害慰謝料の支払いを受けられます。
反対に、自賠責からは、上記の基準以上の金額の後遺障害慰謝料の支払いを受けられることはありません。
後遺障害逸失利益の計算方法
そして、後遺障害認定された場合の逸失利益の計算方法は、基本的に以下のようになります。
後遺障害逸失利益の計算方法
(基礎収入)×(労働能力喪失率)×(労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数)
また、逸失利益の計算方法の各項目の簡単な意味は以下の表のとおりです。
項目 | 意味 | |
---|---|---|
① | 基礎収入 | 後遺障害が残らなければ、得られていたであろう収入 |
② | 労働能力喪失率 | 後遺障害が残ったことによる減収の割合 |
③ | 労働能力喪失期間 | 後遺障害によって減収が発生する期間 |
④ | ライプニッツ係数 | 逸失利益を症状固定時の金額にするための係数 |
そして、自賠責では、等級ごとに明確に労働能力喪失率の基準が定められており、具体的には以下の表のとおりです。
等級 | 労働能力喪失率 |
---|---|
第1級 | 100% |
第2級 | |
第3級 | |
第4級 | 92% |
第5級 | 79% |
第6級 | 67% |
第7級 | 56% |
第8級 | 45% |
第9級 | 35% |
第10級 | 27% |
第11級 | 20% |
第12級 | 14% |
第13級 | 9% |
第14級 | 5% |
また、労働能力喪失期間は症状固定時の年齢から一般的な就労可能な年齢の終期である67歳までの期間で計算するのが原則です。
なお、より詳しい後遺障害の逸失利益の計算方法は以下の記事に記載されていますので、ぜひご覧になってみて下さい!
自賠責の保険金の限度額
もっとも、後遺障害認定された場合に自賠責から支払いを受けられる金額は、上記の慰謝料と逸失利益の合計とは限りません。
自賠責から支払いを受けられる保険金の金額には、等級に応じた限度額が法令上定められているからです。
責任保険の保険金額は、政令で定める。
出典:自動車損害賠償保障法第13条1項
法第十三条第一項の保険金額は、死亡した者又は傷害を受けた者一人につき、次のとおりとする。
(略)
三 傷害を受けた者(略)
ヘ 別表第二に定める等級に該当する後遺障害が存する場合(略)における当該後遺障害による損害につき
当該後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額
出典:自動車損害賠償保障法施行令第2条3号
そして、具体的な自賠責から支払いを受けられる等級に応じた保険金の限度額は、以下の表のとおりです。
等級 | 保険金限度額 |
---|---|
第1級(別表第1) | 4000万 |
第2級(別表第1) | 3000万 |
第1級(別表第2) | 3000万 |
第2級(別表第2) | 2590万 |
第3級 | 2219万 |
第4級 | 1889万 |
第5級 | 1574万 |
第6級 | 1296万 |
第7級 | 1051万 |
第8級 | 819万 |
第9級 | 616万 |
第10級 | 461万 |
第11級 | 331万 |
第12級 | 224万 |
第13級 | 139万 |
第14級 | 75万 |
この限度額があることにより、自賠責から支払いを受けられる後遺障害の逸失利益は、計算上どんなに大きくなっても
各等級の限度額と後遺障害慰謝料の差額
までとなります。
例えば、後遺障害認定12級の場合に自賠責から支払いを受けられる後遺障害の逸失利益は、224万円-93万円=131万円までです。
年収や年齢にもよりますが、自賠責保険の後遺障害慰謝料及び逸失利益を支払い基準で計算した金額は限度額を超えることが多いといえます。
任意保険基準の金額
後遺障害認定された場合に、自賠責から支払いを受けられる上記の金額は、被害者の損害を最低限度保障するための金額になります。
そのため、自賠責から支払いを受けられる金額を超える部分については、別途加害者に請求することができます。
そして、加害者側が任意保険に加入している場合には、その保険会社に対して請求する流れになります。
各任意保険会社は、後遺障害認定された場合の慰謝料や逸失利益につき任意保険基準というものを定めています。
任意保険基準は、保険会社ごとに基準が異なり、かつ非公開とされているので、詳細はわかりません。
もっとも、かつては各任意保険会社共通の基準が存在し、現在もその基準が基礎になっていると考えられています。
旧統一任意保険基準では、自賠責基準で計算された金額よりも若干高い程度の相場になっていました。
任意保険基準の後遺障害慰謝料
旧統一任意保険基準でも、後遺障害認定された等級ごとに慰謝料の金額が定められており、具体的には以下のとおりです。
等級 | 金額 |
---|---|
第1級 | 1300万 |
第2級 | 1120万 |
第3級 | 950万 |
第4級 | 800万 |
第5級 | 700万 |
第6級 | 600万 |
第7級 | 500万 |
第8級 | 400万 |
第9級 | 300万 |
第10級 | 200万 |
第11級 | 150万 |
第12級 | 100万 |
第13級 | 60万 |
第14級 | 40万 |
ただし、任意保険基準は自賠責基準とは違い、絶対的な基準ではありません。
そのため、実際に任意保険から支払いを受けられる後遺障害慰謝料は、基準の金額から増減する可能性があります。
注意しなければいけないのは、加害者やその保険会社に請求できるのは、自賠責から支払いを受けられる金額を超える部分のみという点です。
例えば、後遺障害認定の申請を被害者請求の方法で行い、14級が認定された場合、自賠責から後遺障害慰謝料32万円が支払われます。
この場合、加害者側の任意保険会社に請求できる後遺障害慰謝料は40万円-32万円=8万円のみになります。
後遺障害逸失利益の計算方法
そして、後遺障害の逸失利益の計算方法自体は、自賠責基準でも任意保険基準でも基本的に違いはありません。
もっとも、任意保険会社は、その計算方法の各項目の数字を低く抑えることで、結果的に逸失利益の金額を低額にすることがあります。
具体的には、上記の自賠責基準の等級別に定められた労働能力喪失率よりも低い割合で計算する場合があります。
また、労働能力喪失期間も、67歳になるまでの期間よりも短い期間で計算する場合があります。
ただし、任意保険の場合には、自賠責保険とは違い、保険金に限度額がないことが多いのは、任意保険のメリットといえます。
弁護士基準の金額
もっとも、上記の任意保険基準はあくまで、被害者本人が任意保険会社に請求した場合のものになります。
弁護士が相手方任意保険会社と交渉する際には、弁護士基準というより高額な基準が用いられます。
具体的な後遺障害認定された等級ごとの弁護士基準での慰謝料の金額は、以下の表のとおりです。
出典:https://atomfirm.com/wp-content/uploads/koutsujiko3.png
実は、上記の弁護士基準の金額は、裁判した場合の基準の金額になります。
弁護士の場合、示談できなければ、裁判になる可能性が高いので、示談交渉の段階でも、任意保険会社が裁判基準に準じた支払いに応じるようです。
後遺障害逸失利益の計算方法
そして、後遺障害の逸失利益の計算方法自体は、弁護士基準でも自賠責基準や任意保険基準の場合と基本的に違いはありません。
もっとも、弁護士の場合、その計算方法の各項目の数字を適切に主張・立証することで、結果的に逸失利益の金額を高額にできる可能性があります。
交通事故では、弁護士に交渉を依頼することで、支払いを受けられる金額が増額する可能性が高いと考えられます。
特に、後遺障害認定されている場合には、弁護士費用を差し引いても、弁護士に依頼した方が支払いを受けられる金額が増額する可能性が高いです。
そのため、後遺障害認定されている場合には、弁護士特約の有無にかかわらず、弁護士に依頼すべきことが多いと考えられます。
後遺障害認定されるまでの期間
ここまで、後遺障害認定されるまでの流れをお伝えしてきましたが、認定されるまでどれ位の期間が必要か気になる方も多いかと思います。
実際にも、下記のツイートをされている方のように、後遺障害認定の結果が出るのがいつ出るかわからず遅いと感じる方も多いようです。
後遺障害認定の事考えよったら目が覚めてきた(´・ω・`)
まだなんかなぁ~
調べよったら症状固定から半年以上かかるケースもあるみたいやけど— やっすーぎ (@keita82jp) June 28, 2017
交通事故にあってから、後遺障害認定されるまでの期間は
- 入院・通院期間(治療期間)
- 申請準備の期間
- 審査期間
に大きく分けられます。
入院・通院期間
流れの部分でもお伝えしたとおり、交通事故により怪我を負った場合、その怪我の治療のために入通院をすることになります。
そして、後遺障害認定されるには、症状固定に至るまでの入院・通院期間が重要になってきます。
具体的には、むちうちの場合には、最低でも半年の入院・通院期間が必要であると考えられています。
また、骨折の場合には、程度にもよりますが、リハビリや手術などで半年以上の入院・通院期間が必要となる場合も多いと考えられます。
申請準備の期間
そして、申請準備の期間は、事前認定と被害者請求のどちらの方法で申請するかによっても変わってくる場合があります。
事前認定の場合は、申請をする加害者側の保険会社の担当者の能力・忙しさ・やる気により期間が左右されることになります。
一方、被害者請求の場合は、被害者自身の努力で期間が早められますが、勝手がわからずかえって長期間を要することになる可能性もあります。
この点、交通事故に強い弁護士に後遺障害認定の申請の段階から依頼をすれば、申請に必要な書類を漏れなく早期に準備することが可能です。
つまり、後遺障害認定の申請の弁護士への依頼は、適切な認定の確率を高めるだけでなく、認定までの期間を短縮できるメリットもあります。
特に、弁護士費用特約が利用できる方は、後遺障害認定の申請の段階から弁護士に依頼した方がいい場合が多いと考えられます。
審査期間
そして、損害保険料算出機構は、自賠責損害調査センターでの申請受付から調査完了までの日数につき、下記のとおりデータを公開しています。
後遺障害の事案では、30日以内に調査が完了した事案が80.3%となっています。
また、31日~60日で調査が完了する事案は10.7%となっています。
そのため、通常の後遺障害の事案では、9割以上は、 遅くとも2ヶ月以内には調査が完了していることになります。
具体的な日数と割合については、以下の表に記載されているとおりとなります。
後遺障害 | 全体 | |
---|---|---|
30日以内 | 80.3% | 97.0% |
31日〜60日 | 10.7% | 1.8% |
61日〜90日 | 4.9% | 0.7% |
90日超 | 4.0% | 0.5% |
※損害保険料率算出機構2017年度自動車保険の概況参照
以上のことをまとめると、交通事故にあってから、後遺障害認定されるまでの期間は
- 入院・通院期間(治療期間)に半年程度
- 申請準備の期間に数か月(準備が順調に進んだ場合)
- 審査期間に1~2ヶ月
かかるのが一般的といえます。
つまり、交通事故にあってから、後遺障害認定の結果が出るまでの期間は半年以上1年以内が一般的と考えられます。
下記のツイートをされている方は、弁護士に依頼して交通事故から10ヶ月で後遺障害認定の結果が出たようですが、こちらは一般的な期間といえます。
もう10ヶ月たったな〜
事故から!
さっき弁護士から連絡あって、後遺障害認定の結果が出たと!
ここらかは弁護士さんに頑張ってもらおう!— くまやん (@kumayan_ajing) October 26, 2016
労災の後遺障害認定の流れ・支払い方法・期間
冒頭でもお伝えしたとおり、勤務中・通勤中の交通事故の場合には、労災保険にも後遺障害認定の申請をすることができます。
では、後遺障害認定の流れや支払いの方法、認定までの期間などについて、自賠責と労災とで違いはあるのでしょうか?
労災の後遺障害認定の流れの違い
後遺障害認定の大まかな流れは、自賠責と労災とで大きな違いはありません。
もっとも、労災の場合、後遺障害認定機関が労働基準監督署になる関係から、診断書や必要書類の書式には違いがあります。
また、後遺障害認定の基準については、自賠責が労災の認定基準を準用していることから、基本的に違いはありません。
しかし、労災の後遺障害認定では、地方労災医員という医師が原則として被害者との面談を行います。
先ほどお伝えしたとおり、自賠責保険の場合、原則書面主義であり、醜状障害等一部の例外を除き、面談は行わないのでこの点は違いがあるといえます。
そして、労災では、労働基準監督署での後遺障害認定の調査が完了し、等級が認定されると、厚生労働省から支給決定通知が原則送付されます。
以前は支給決定通知と別に支払振込通知が送付されていましたが、現在では支給決定通知と支払振込通知が一体となったはがきが送付されています。
自賠責保険 | 労災保険 | |
---|---|---|
認定基準 | 労災の認定基準を準用 | 労災の認定基準 |
審査方法 | 書面審査※ | 地方労災医員の面談 |
認定の傾向 | 労災より認定されにくい | 自賠責より認定されやすい |
※醜状障害等の場合には面談する場合あり
後遺障害認定時の労災の支払方法
労災でも後遺障害認定された場合、等級ごとに支払いの基準が定められている点については、自賠責と違いはありません。
しかし、労災保険から支払いを受けられる金額には慰謝料が含まれないという点が、自賠責との大きな違いになります。
また、労災の場合、後遺障害認定の等級が7級以上の場合には、支払いの方法が一部年金払いになるという違いがあります。
労災の後遺障害認定の期間の違い
労災の後遺障害認定の申請から結果がでるまでの期間については、自賠責とは違い、はっきりとした統計はありません。
もっとも、厚生労働省が出している労災保険請求のガイドブックには以下のような記載があります。
請求受付から給付決定までの期間は、おおむね3か月ですが、場合によっては3か月以上を要することもあります。
出典:http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/161108-21.pdf
当然、事案の内容等にもよりますが、労災の後遺障害の認定期間はおおよそ3か月前後のことが多いようです。
なお、労災の後遺障害については、以下の記事により詳しく記載されていますので、ぜひご覧になってみて下さい!
自賠責 | 労災 | |
---|---|---|
申請先 | 相手方自賠責保険会社※ | 労働基準監督署 |
慰謝料 | 含まれる | 含まれない |
支払いの方法 | 常に一時金 | 7級以上は年金払い含む |
認定までの期間 | 概ね2ヶ月以内 | 概ね3ヶ月前後 |
※被害者請求の方法の申請の場合
後遺障害認定されなかった時は異議申立等の方法がある
後遺障害認定の申請をしたものの、後遺障害認定されなかった、つまり非該当の結果が通知される場合も残念ながらあります。
@viprusrv いちおう!痛み残ってるけど後遺障害認定されなかったや
— bota (@bottamoti) June 21, 2015
後遺障害認定の結果が通知された後の流れについては、以下の表のようになります。
出典:https://atomfirm.com/wp-content/uploads/jiko_ninteinagare2-1.png
上記表のとおり、後遺障害認定されなかった時など、認定の結果に異議がある場合には、認定結果を争ういくつかの方法が考えられます。
後遺障害認定されなかった時の方法①異議申立
まず、自賠責保険に対して後遺障害認定の再判断を求める異議申立という不服申し立ての方法があります。
こちらの方法は、保険会社からその方法を教えられるなどしてご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
https://twitter.com/musimusi261/status/974526777799335936
異議申立書の書き方や必要書類については、以下の記事により詳しく記載されていますので、ぜひご覧になってみて下さい!
そして、異議申立の場合、具体的な審査は審査の客観性・専門性を確保するため、弁護士・専門医・学識経験者など外部の専門家で構成される
損害保険料率算出機構内の自賠責保険審査会
という機関が行います。
なお、異議申立は、自賠責保険が一度判断を下したものに対する再判断であることから、判断が初回の申請より厳しい傾向にあります。
具体的には、少し前のデータですが、後遺障害認定に対する異議申立が認められる確率は5%程度という統計が以下のとおりあります。
平成25年度 | 平成24年度 | |
---|---|---|
等級変更あり | 4.88% | 6.06% |
等級変更なし | 92.93% | 91.76% |
再調査・時効等 | 2.18% | 2.18% |
※損害保険料算出機構平成25年度の事業概況参照
なお、後遺障害認定に対する異議申立自体には期間や回数の制限はなく、2回目以降の異議申立も可能です。
ただし、被害者請求の時効との関係で、一定期間内に異議申立をしなければいけない場合があるという注意点があります。
より詳しい内容については、以下の記事に記載されていますので、興味のある方はぜひご覧になってみて下さい!
後遺障害認定されなかった時の方法②紛争処理申請
また、自賠法に基づく指定紛争処理機関である自賠責保険・共済紛争処理機構に紛争処理申請の申立をするという方法があります。
紛争処理申請の申立を受けた自賠責保険・共済紛争処理機構は、
- 弁護士
- 医師
- 学識経験者
が紛争処理委員を務める紛争処理委員会が提出された書面などで審査を行い、調停結果を通知します。
費用は無料であり、原則として書面のみで判断され、当事者の出席は不要です。
なお、自賠法に基づく指定紛争処理機関である紛争処理機構の調停は、自賠責保険の枠組みの中での最終の不服申立て方法として位置づけられます。
そのため、紛争処理申請は、異議申立と異なり、1回のみしか申請できず、2回目の申請ができない点に注意する必要があります。
紛争処理機構への申請は異議申立を1回ないし複数回行った後で、慎重に検討した上で行う必要があります。
後遺障害認定されなかった時の方法③裁判提起
また、加害者を被告として裁判を起こすという方法もあります。
冒頭でお伝えしたとおり、裁判所では、自賠責保険の認定結果に拘束されず、判決などにおいて、後遺障害の判断をすることになります。
とはいえ、こちらも冒頭でお伝えしたとおり、裁判所は自賠責保険の認定結果を事実上尊重していると考えられます。
そのため、自賠責保険の申請時とは異なる新たな有力資料を提出しないと、自賠責保険の認定結果と変わらない認定になることがほとんどです。
費用は有料であり、当事者の出席が必要となります。
判決内容に不服がある場合には上訴という制度が設けられています。
なお、後遺障害認定に対する異議申立などについては、以下の記事により詳しく記載されていますので、ぜひご覧になってみて下さい!
異議申立 | 紛争処理機構 | 裁判を起こす | |
---|---|---|---|
判断機関 | 損害保険料率算出機構 | 紛争処理委員会 | 裁判所 |
費用 | 無料 | 無料 | 有料 |
当事者の出席 | 不要※ | 不要※ | 必要 |
不服申立 | 何度でも可能 | ☓ | 上訴 |
※醜状障害などでは面談行われる場合あり
ご覧頂いたとおり、後遺障害認定されなかった場合など、認定の結果に異議がある場合には、認定結果を争うためのいくつかの方法が考えられます。
もっとも、上記の方法により、実際に後遺障害認定の結果が変更される確率はかなり低いというのが実情です。
そんな中で、少しでも後遺障害認定結果が変更される確率を高めるには、弁護士などの専門家に依頼するのが有効な方法といえます。
なお、後遺障害認定に対する異議申立の弁護士への依頼については、以下の記事により詳しく記載されていますので、ぜひご覧になってみて下さい!
後遺障害認定とは何かについて弁護士に相談したい方へ
ここまで、後遺障害認定とは何かについてお伝えをしてきましたが、読んだだけではわからないことがあった方もいるのではないでしょうか?
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最後に一言アドバイス
それでは、最後になりますが、後遺障害認定とは何かについてお悩みの方に一言アドバイスをお願いします。
後遺障害認定とは、怪我の治療後の後遺症に対する損害賠償の支払いを受けられるかどうかについての判断であり、認定されるか否かは極めて重要です。
そして、実際に適切な後遺障害認定を受けるには、流れや認定基準を理解し、認定されるまでにはある程度の期間を要することも理解しておくべきです。
また、後遺障害認定されなかった場合でも、異議申立等の方法により、認定結果を変えられる余地がないかを検討してみた方が良いでしょう。
まとめ
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-28 合人社東京永田町ビル9階
第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。