交通事故の慰謝料|請求先は加害者?自賠責保険?/請求方法「被害者請求」とは?
交通事故の被害にあった場合、加害者本人や相手側の保険会社に慰謝料などの損害賠償を請求することになります。
しかしその請求先は、自賠責保険、加害者が任意保険に加入していれば任意保険、保険に加入していない場合は加害者本人に…など様々です。
また、いざ請求することになっても、
- 自賠責や任意保険への慰謝料などの損害賠償の請求方法は?
- 治療費や休業補償の請求方法は?慰謝料とは違うの?
- 加害者本人への請求方法は?
など、わからないことばかりですよね。
そこで今回このページでは、交通事故に対する慰謝料など損害賠償の請求方法について、お困りの皆さまと一緒に勉強していきたいと思っています。
なお、専門的な解説は、テレビや雑誌でお馴染みの岡野武志弁護士にお願いしています。
よろしくお願いします。
交通事故の被害に遭われ、怪我や後遺症で辛い思いをされていることとお察し致します。
そのように辛い思いをされたことに対しては、適正な補償を受け取るべきです。
しかし、慰謝料などの請求方法がわからなければ、しっかりと補償が受けられるのかどうか心配ですよね。
こちらで交通事故の慰謝料などの損害賠償の請求方法を理解し、適切な請求方法を選択できるようにしましょう。
目次
慰謝料の請求なんて、経験したことがある方の方が少ないはずです。
初めての経験で、ちゃんと適正な補償が受けられるものなのか…請求方法がわからなければ不安でたまりませんよね。
交通事故慰謝料請求について教えて下さい。(略)
歩行中右折車両に巻き込まれ左足くるぶしを骨折(傷病名:左足関節内果骨折)を負いました。
(略)後遺症診断書を基に保険屋に提出した結果、10級の後遺障害等級が発せられました。
(略)慰謝料額を適正に請求するためにはどのような行動をすれば良いか教えてください。
出典:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1180883276
少しでも安心して治療や日常生活への復帰に専念できるよう、ここから一緒に勉強していきましょう!
保険会社への請求方法|慰謝料の請求方法は自賠責や任意保険で違う?
大前提として、慰謝料を請求するためには、病院で診断書を書いてもらい、警察に提出する必要があります。
そうすることで、人身事故扱いとなり、怪我や後遺症が残ったことに対する慰謝料などを受け取ることができるようになります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
人身事故扱いとなった場合には、損害賠償の1つとして、
- 怪我の治療に対する傷害慰謝料(入通院慰謝料)
- 後遺症が残った場合には後遺症慰謝料
- 被害者の方が亡くなってしまった場合には死亡慰謝料
を受け取れることになります。
そして、交通事故の慰謝料などの損害賠償を保険会社に請求する場合、請求先としては、
- 加害者が加入している自賠責保険
- 加害者が加入している任意保険
の2つが主になります。
では、それぞれに対する請求方法を見ていきましょう。
保険会社への請求方法:一括対応・加害者請求・被害者請求
加害者請求と被害者請求
まず最初に、自賠責への請求方法としては、加害者請求と被害者請求というものがあります。
加害者請求
加害者請求とは、加害者が被害者の方に対して支払った賠償金の額を限度に、加害者から自賠責保険会社へ領収書などの必要書類を提出して請求するものになります。
(保険金の請求)
第一五条 被保険者は、被害者に対する損害賠償額について自己が支払をした限度においてのみ、保険会社に対して保険金の支払を請求することができる。
出典:自動車損害賠償保障法 第15条
被害者請求
しかし基本的に、自賠責保険は被害者救済を目的とした保険です。
よって、加害者側から十分な補償を受けられない場合には、被害者自ら自賠責保険に請求することもでき、それが被害者請求になります。
(保険会社に対する損害賠償額の請求)
第一六条 第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生したときは、被害者は、政令で定めるところにより、保険会社に対し、保険金額の限度において、損害賠償額の支払をなすべきことを請求することができる。
出典:自動車損害賠償保障法 第16条
以下、交通事故の被害者の方が請求する場合に問題となるのは被害者請求ですので、自賠責に関しては被害者請求の方法について説明していきます。
一括対応と被害者請求
また、損害賠償の支払いに関しては、自賠責保険と任意保険から全く別の補償が受け取れるというよりも、自賠責保険からの補償には限度額があり、それを超える分を任意保険から受け取れるというイメージです。
とはいえ、自賠責保険の限度額までは自賠責保険が負担するのですが、自賠責保険会社が示談交渉に登場することはほとんどありません。
その理由としては、任意保険会社の一括対応という制度があるからです。
一括対応
任意保険会社が自賠責保険の分も一括して対応して、まとめて支払いを行い、自賠責保険の負担分については後から任意保険会社が自賠責保険に請求する制度。
もし、自賠責保険と任意保険に対してそれぞれ別々に請求をしなければならないとすると、
自賠責保険の限度額までは自賠責保険会社に、それを超える部分については任意保険会社に対して
それぞれ手続きをしなければならないため、被害者の方はとても煩雑な手続きが必要となります。
一括対応という方法を取れば、被害者の方が対応すべき窓口も1つになって、手間が省けるというメリットがあることになります。
ただし、一括対応という制度を利用した場合、
- 任意保険会社との示談交渉が成立するまで損害賠償を受け取れない
- 後遺症の等級認定を受けにくい
- 治療費を打ち切られる可能性がある
といったデメリットもあります。
よって、後遺症が残るような怪我をされた場合には、任意保険会社任せにしない方が良いケースもあるんですね。
その場合にはやはり、被害者請求を選択することになります。
ではここから、自賠責保険への被害者請求と、任意保険への請求方法について見ていきましょう。
傷害慰謝料の請求方法
自賠責保険への請求方法
被害者請求という請求方法では、まず損害賠償額支払請求書という書類を加害者側の自賠責保険会社に提出することになります。
以下のような書式のもので、各種保険会社や代理店に置いてあります。
郵送で取り寄せることも可能ですし、他社の請求書類の保険会社名を実印で訂正して使用することも可能ということです。
自賠責保険の証明書番号さえわかれば、保険契約者や、車の保有者がわからなくても請求は可能ということです。
また、上記の損害賠償額支払請求書以外に、
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 診断書
- 診療報酬明細書
- 通院交通費明細書
といった書類の提出も必要となるそうです。
特に、自賠責では治療が必要と考えられる期間や実通院日数で慰謝料が計算されるため、診断書や診療報酬明細書の提出は重要となります。
自賠責に提出する書式には、「請求額」の欄がありますが、この部分については特に記載をしなくても請求は可能です。
自賠責に対する請求の場合、支払基準が定められており、自賠責調査事務所が損害を調査し、その基準に従って損害賠償金が支払われるからです。
任意保険への請求方法
一方、任意保険会社への請求方法としては、損害賠償請求書を送付することになります。
この損害賠償請求書は、自賠責の場合と異なり、決まった書式があるわけではありません。
各保険会社で異なるものなので、加害者が加入している任意保険会社に申請書を請求して送付してもらい、それに記入することになります。
自賠責の場合と異なり、損害賠償請求書には、慰謝料などの損害賠償額を計算したうえで、請求額を記載する必要があります。
と言われても、具体的にはどんな金額を明記すれば良いのかなど、わからないこともたくさんありますよね。
今後、保険会社と示談交渉を進めていくにあたっても重要なものになりますので、不明な点は、ぜひ弁護士などの専門家に相談してみてください!
後遺症慰謝料の請求方法
怪我が完治すれば良いですが、残念ながら後遺症が残ってしまうことも考えられます。
その場合、後遺症が残ったことに対する慰謝料も請求する必要があります。
ただし、後遺症に対する損害賠償を請求するには、後遺症の等級認定を受ける必要があります。
そのため、後遺症慰謝料も併せて請求する場合には、自賠責、任意保険とも、上記の書類に加えて後遺障害診断書という書類の提出が必要となります。
書式はこちらになります。
この後遺障害診断書などの書類を基に、自賠責調査事務所において、後遺障害慰謝料の支払の可否や金額が審査されることになります。
なお、後遺障害診断書の書き方について詳しく知りたい場合は、こちらの記事を参考になさってみてください。
後遺症等級の申請方法や認定の流れ、等級の認定基準についてはコチラの記事もご覧ください。
交通事故の場合、後遺症の申請は原則として、自賠責保険に対して行うことになるそうです。
その後、自賠責保険会社は、損害保険料率算出機構という第三者機関に後遺症認定の等級を含む全ての損害調査を委託することになります。
まずは、事前認定から見ていきましょう。
事前認定
事前認定とは、簡単に言うと、
相手側の任意保険会社が窓口となって被害者の方の後遺症の等級認定を事前に確認する
方法のことになります。
事前認定についてより詳しく知りたいという場合は、こちらの記事もご覧になってみてください。
被害者請求
一方の被害者請求とは、簡単に言うと、
被害者ご本人が直接相手の自賠責保険に後遺症の等級認定を請求する
方法のことです。
被害者請求についてより詳しく知りたいという場合は、こちらの記事もご覧になってみてください。
以上のような2つの方法ですが、事前認定の場合、「手続きが不透明」というデメリットが挙げられるそうです。
つまり、保険会社が提出した書類の内容や時期を被害者が把握できないということです。
具体的には、事案によってですが、
後遺症が認められにくい方向に働く内容の顧問医の意見書
を付けて被害者の後遺症の等級の認定を損害保険料率算出機構に依頼することがあるようです。
また、保険会社の担当者は多くの案件を抱えているため、申請を後回しにされてしまうケースもあるようです。
事前認定の場合、相手側の任意保険会社は必要最低限の書類しか提出してくれません。
一方の被害者請求の場合、必要資料以外に認定に有利な医療関係の資料や意見書の添付も可能となっています。
そのため、後遺症の等級認定に争いのあるケースでは、被害者請求の方が望ましいと言えます。
とは言っても、ご本人だけで被害者請求を行うことはなかなか難しいように感じます。
そのような場合、弁護士に依頼をすれば、
- 書類収集の手間が省ける
- 認定に有利となる医療関係の資料や意見書の収集やアドバイスを受けられる
というメリットがあるそうです。
後遺症の認定申請にあたっては、弁護士に相談してみた方が良いかもしれません!
また、自分の症状ではどのような後遺症の等級認定がされるのか、事前に調べてみたい方はこちらの中から症状名を探してみてください。
死亡慰謝料の請求方法
そして、非常に残念ながら、被害者の方が死亡してしまう事故も発生しています。
もしも大切なご家族が亡くなられてしまった場合には、死亡慰謝料を請求する必要があります。
その請求方法はどのようになっているのでしょうか?
自賠責保険への請求方法
死亡慰謝料を請求する場合には、最初に説明した損害賠償額支払請求書に加えて、
- 死亡診断書(死体検案書)
- (相続関係を証明する)戸籍謄本
の提出が必要となるそうです。
また、死亡慰謝料についても、自賠責では支払基準を定めており、その基準に従って損害賠償金が支払われるため、請求額欄の記載は特に不要ということです。
任意保険への請求方法
任意保険会社への請求方法としては、同じく損害賠償請求書を送付することになります。
こちらも、決まった書式があるわけではありません。
請求書以外に必要な書類については、保険会社ごとに異なる可能性がありますので、任意保険会社の担当者に確認をしてみてください。
また、請求額を記載する必要があるため、不安・不明な点は、ぜひ弁護士などの専門家に相談してください。
慰謝料請求方法のまとめ
自賠責に関しては、上記の書類を提出すれば、支払基準に従った損害賠償金が自賠責保険から支払われることになります。
ただし、任意保険に関しては、請求書を提出して終わりではありません。
そこから、お互いに納得できるまで示談交渉で話し合う必要があります。
保険会社との示談の流れはこちらをご覧ください。
保険会社は必ずしも適正な金額の慰謝料を提示してくれるとは限りません。
というのも、慰謝料には自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準という3つの基準があり、保険会社の基準は非常に低いものになっているからです。
適正な慰謝料を獲得するためには、弁護士基準での慰謝料を獲得する必要があります。
ただし、被害者の方だけで交渉しても弁護士基準になることはありません。
反対に、弁護士を付けて交渉すれば、弁護士基準での慰謝料を獲得できることがほとんどです。
示談が成立してしまうと、その結果をくつがえすことは非常に困難なので、その前にぜひ弁護士に相談してください!
治療費や仕事を休んだ場合の休業損害の請求方法は?
ところで、交通事故で怪我をした場合、請求できる損害賠償は慰謝料だけではありません。
その他受け取れる損害賠償=示談金の内容については、こちらの記事をご覧ください。
治療費の請求方法(被害者の方が後から請求)
その中でも特に、交通事故で怪我を負われた方全員に必要となるのが、治療費になります。
治療費の支払いについては、被害者の方が立て替えて後から請求するか、治療費を相手側の保険会社から治療機関に直接支払うという一括対応の2つの方法があります。
いずれにせよ、最終的には相手側の保険会社が支払うことになります。
では、被害者の方が後から請求する場合の請求方法はどうなっているのでしょうか?
自賠責保険への請求方法
治療費を自賠責へ請求する方法としては、
- 支払請求書
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 診断書
- 診療報酬明細書
といった書類の提出が必要になります。
この場合も、支払請求書の「請求額」の欄は特に記載していなくても請求は可能ということです。
なお、治療費を自賠責に請求する場合には、領収書などの提出は特に不要です。
なぜなら、診療報酬明細書に被害者から受領した金額が記載されることになるからです。
任意保険への請求方法
任意保険へ治療費を請求する場合にも、自賠責に提出するのと同じ書類を提出することになります。
ただし、自賠責の場合と異なり、任意保険会社に請求する際には、領収書などの提出も必要となります。
この場合、通常原本の提出が求められるようです。
そして、治療費を任意保険会社が請求に応じて支払うことになった場合、領収書は返却されないので、必要な方はコピーを取っておく必要があります。
治療の流れについて知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
交通事故の治療の流れについて知りたい方はコチラの記事をご覧ください。
治療費の請求方法(一括対応)
一方、一括対応の場合には、加害者が加入している任意保険が窓口となり、自賠責保険と任意保険の賠償金を一括して被害者の方に支払うことになるんでしたよね。
つまり、被害者の方は自賠責保険には治療費を請求しなくても良いことになります。
では、任意保険に一括対応の請求をする方法はどうなっているのでしょうか?
一括対応は任意保険会社の義務ではなく、いわばサービスの一環として行っているため、一括対応を任意保険に強制する方法はありません。
もっとも、被害者に過失がない場合や過失が小さい場合には、任意保険は一括対応に応じてくれることが多いと考えられます。
そのため、任意保険が一括対応を行っていない場合、任意保険に連絡をして一括対応をするよう求めるということが考えられます。
任意保険会社に連絡をして、一括対応が認められれば、その後の流れは先ほど説明した治療費の請求方法と同じになります。
休業損害の請求方法
また、病院で治療を行うにあたっては、仕事を休まなければならないことも多くなりますよね…。
治療が原因で仕事を休まなければならない場合、その間の給料も補償してもらうべきです!
ということで、その場合、保険会社に対して休業損害を請求することができます。
自賠責保険への請求方法
休業損害の自賠責保険への請求方法としては、休業損害証明書という書類を提出する必要があるそうです。
その書式は以下のようなものになっていて、保険会社においてあるか、郵送で届けてもらうことができます。
この書類は、勤務先(事業主)に記載してもらう必要があります。
さらに、事故前年の源泉徴収票も併せて提出する必要があるそうです。
なお、自営業者の方の場合には、上記の書類の代わりに納税証明書、課税証明書、確定申告書などの書類を提出する必要があるそうです。
任意保険への請求方法
任意保険への請求方法は、基本的に自賠責保険の場合と同様になります。
ただし、受け取れる金額については違いがありますので、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
以上、保険会社への請求に必要な書類をまとめてみましたので、参考になさってみてください。
まとめ
保険会社への請求に必要な提出書類
必要書類 | 傷害 | 後遺症 | 死亡 | 取り付け先 |
---|---|---|---|---|
損害賠償額支払請求書 | ● | ● | ● | 保険会社 |
交通事故証明書(人身事故) | ● | ● | ● | 自動車安全運転センター |
事故発生状況報告書 | ● | ● | ● | 事故当事者等 |
医師の診断書または死体検案書(死亡診断書) | ● | ● | ● | 治療を受けた医師または病院 |
診療報酬明細書 | ● | 〇 | ● | 治療を受けた医師または病院 |
通院交通費明細書 | ● | ● | 被害者の方 | |
付添看護自認書または看護料領収書 | 〇 | 〇 | 被害者の方 | |
休業損害証明書または確定申告所(控)等 | 〇 | 〇 | 〇 | 雇い主※2 |
請求者の印鑑証明書※3 | ● | ● | ● | 住民登録をしている市区町村、本籍のある市区町村 |
委任状および委任者の印鑑証明※4 | 〇 | 〇 | 〇 | 印鑑登録をしている市区町村 |
戸籍謄本 | ● | 本籍のある市区町村 | ||
後遺障害診断書 | ● | 治療を受けた医師または病院 | ||
レントゲン写真等 | 〇 | 〇 | 〇 | 治療を受けた医師または病院 |
※1 ●印は必ず、○印は必要に応じて提出する。
※2 自営業者・農林漁業者などの方は、休業損害証明書の代わりに、税務署や市区町村発行の納税証明書、課税証明書または確定申告書控を添付。
※3 被害者の方が未成年で、その親権者が請求する場合は、上記のほか、当該未成年者の住民票または戸籍抄本が必要。
※4 死亡事故等で請求権者が複数いる場合は、原則として1名を代理者として、他の請求権者全員の委任状および印鑑証明が必要。
加害者が保険に未加入だったら?誰に損害賠償を請求する?その請求方法は?
以上、保険会社への慰謝料などの請求方法について見てきました。
しかし、非常に残念なことではありますが、車を運転されている方の中には自動車保険に加入されていない人もいるのが現実です。
特に、任意保険の加入率は約70%程度ということなので、約30%程度の方は任意保険に加入していないということになるのです。
では、事故の加害者が自動車保険に未加入だった場合、どうすれば良いのでしょうか?
任意保険未加入の車に突っ込まれました。私は信号待ちで確実に停止していたので私に過失はありません。無保険で相手に支払い能力がない場合はどうすればいいのですか?自賠… http://bit.ly/dR8HNY
— Q&A集約サイトiQuestion (@iquestionjp) February 12, 2011
自賠責保険のみに加入している場合もありますが、その場合、受け取れる補償は最低限のものになります。
そして、自賠責にも加入していない場合には、誰に請求すれば良いのでしょうか?
また、その請求方法は?
請求方法①加害者本人に請求する
保険会社から損害賠償が支払われないのであれば、加害者本人に直接請求をすることになります。
相手に直接賠償金の支払いを請求する方法としては、相手と連絡を取り、対話によって示談交渉をすすめていくのが基本です。
加害者との示談で話がまとまれば、自分達で示談書を作成して、その内容に従って相手から示談金を受け取ることになります。
相手が支払いをしない場合のリスクに備えるには、示談書を公正証書の形にしておくのが望ましいです。
公正証書とは、公務員である公証人が作成する公文書のことになります。
強制執行認諾条項付き公正証書にしておけば、示談の内容が履行されない場合、裁判を提起せずに相手の財産を強制執行することができます。
とはいえ、任意保険代を払えないから加入していないような方も多いはず…。
加害者に支払い能力がない場合、残念ながら賠償金を回収することは困難ですよね…。
どうにか強制的に回収できる方法はないのでしょうか?
請求方法②裁判を起こす
加害者から賠償金を強制的に回収するには、裁判を起こし「確定判決」を得るという方法が考えられるそうです。
争いが少なく、請求額が60万円以下の場合には、「少額訴訟」という手続きを取ることで、素早く確定判決を得ることができます。
その後に強制執行(差し押さえ)の申し立てをすることにより、加害者の財産から賠償金を強制的に回収することが可能です。
もっとも、強制執行を行っても、加害者に差押えるべき財産がなかった場合、賠償金を回収することはできません。
そのため、相手が自己破産をしていたり、無職でお金がないと考えられる場合などには、実質的には回収できない可能性が高いと考えられます。
ただし、裁判を起こすことになれば、時間も労力もかかります。
それでも賠償金を回収できない可能性も高いということなので、できれば避けたいところです…。
請求方法③自分の任意保険に請求する
では、相手が無保険で財力もない場合には、本当に泣き寝入りするしかないのでしょうか…。
被害者の方ご自身が加入されている任意保険に、人身傷害補償保険や搭乗者傷害保険、無保険車傷害特約などがある場合には、被害者の方に対する人身損害についての補償を受けることができます。
また、車両保険がついている場合には、被害者の方の車両に発生した物損損害についても補償を受けることが可能です。
ただし、それらの保険を使った場合、保険の等級が下がり、次回以降の保険料が値上がる可能性もあります。
しかし残念ながら、保険の等級が下がったことによる保険料の増額分を加害者に請求する方法はないようです。
なぜなら、自分の保険を利用するかどうかは被害者の方の判断になるからです。
もっとも、保険料の増額分よりも、保険から支払われる賠償金の方が多い場合には、保険を利用した方が良いと言えるでしょう。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
最後までお読みいただけた方には、
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また、このホームページでは、交通事故の損害賠償請求に関するその他関連記事も多数掲載していますので、ぜひ参考にしてみてください!
交通事故における慰謝料の請求方法に関するQ&A
保険会社へに損害賠償を請求する方法は?
自賠責への請求方法としては、加害者請求と被害者請求というものがあります。加害者請求とは、加害者が被害者の方に対して支払った賠償金の額を限度に、加害者から自賠責保険会社へ領収書などの必要書類を提出して請求するものをいいます。被害者請求とは、被害者自ら加害者側の自賠責保険に請求することをいいます。 加害者請求と被害者請求のちがい
被害者請求の方法とは?
被害者請求という請求方法で自賠責保険に請求する場合、まず損害賠償額支払請求書という書類を加害者側の自賠責保険会社に提出することになります。任意保険に請求する場合、損害賠償請求書を送付することになります。損害賠償請求書は、加害者が加入している任意保険会社に申請書を請求して送付してもらい、それに記入することになります。 被害者請求のやり方を解説
死亡慰謝料の請求方法とは
死亡慰謝料を自賠責保険に請求する場合、損害賠償額支払請求書・死亡診断書・戸籍謄本の提出が必要になります。また、任意保険に請求する場合も同じく損害賠償額支払請求書が必要となります。請求書以外に必要な書類については保険会社ごとに異なる可能性がありますので、保険会社の担当者に確認してみましょう。 死亡慰謝料の請求方法について
この記事の監修弁護士
岡野武志弁護士
アトム法律事務所弁護士法人
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第二東京弁護士会所属。アトム法律事務所は、誰もが突然巻き込まれる可能性がある『交通事故』と『刑事事件』に即座に対応することを使命とする弁護士事務所です。国内主要都市に支部を構える全国体制の弁護士法人、年中無休24時間体制での運営、電話・LINEに対応した無料相談窓口の広さで、迅速な対応を可能としています。